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人と一緒じゃつまらない!ものの見方、考え方が変わる一冊 ~書評ブログVol.37~
アート思考がこれからの時代を生き抜くために大切だってことをよく耳にするようになりましたが、正直「ふーん」って感じであまり気にも留めていなかったのですが、SNS上でとても面白い本だと絶賛している方を何人か見かけ、「そんなに面白いのなら読んでみよっかな」という軽いノリで手にしたのですが、とても分かりやすい文章なので、ボリュームのある本でしたがぐんぐん引き込まれ、あっという間に読み終えました。
その本は、「13歳からのアート思考」 著:末永幸歩(ダイヤモンド社)
アート思考って何?
本書の中でアート思考とはこのように定義されています。
①「自分だけのものの見方」で世界を見つめ
②「自分なりの答え」を生み出し
③それによって「新たな問い」を生み出すこと。
そして、本文に4歳の男の子がモネの「睡蓮」をみて言った一言が紹介されているのですが、そのエピソードは著者がこの本で言いたかったことすべてを物語っているような気がしました。男の子はどんな一言を言ったのかについてはぜひ本を読んで確認してみてください。
花ではなく、根をはることが大切
著者はこのアート思考について例えを用いて分かりやすく説明してくれています。
*興味のタネ
自分の中に眠る興味・好奇心・疑問
*探求の根
「興味のタネ」を撒き、興味や好奇心、疑問について深堀していく
*表現の花
何の脈略もなく好奇心のおもむくままに「探求の根」を張っていくと、まるで計画されていたかのようにやがてそれらが一つに絡まって自分なりの答えである「表現の花」が咲く。
「興味のタネ」から「探求の根」を張る際には、批評されても気にせず根を張ることに夢中になればいいと書いてあります。
そして、花は単なる結果であるので、とにかく根を張っていることを楽しむことが大切とのこと。
本ではこれらがイラストで描かれているんですが、とても分かりやすい!
日常生活を送っているときにでも、頭の中でイメージしやすくなります。
アート思考になるための絵画の見方
本では「アウトプット鑑賞法」について書かれています。
アウトプット鑑賞法とは
これは、作品を見て気が付いたことや感じたことを声に出したり、紙に書いたりして「アウトプット」すること。
美術展を観に行っても、どう見たらいいかわからないまま鑑賞して、「ふーん」で終わってしまいませんか?
作品の背景などのウンチクについてはとりあえず置いておいて、ぱっと絵を見た瞬間の自分の思いをアウトプットしてみる。それはどんな些細なことでもどんなバカバカしい感想でもOK。
大切なのは、「自分だけのものの見方」で目の前の作品を見ること。
なんだか美術鑑賞のハードルが下がった気がしました。
まとめ
本の最後の方では、心から満たされるためにはどうしたらよいかが書かれています。
心から満たされるためには…
「自分の愛すること」を軸にしていれば荒波にものみこまれず、何回でも立ち上がれる。そのためには「常識」や「正解」にとらわず、「自分の内側にある興味」をもとに「自分のものの見方」で世界をとらえ「自分なりの探求」をし続けることが欠かせない。それこそがアート思考。
アート思考は大人にこそ必要なことだと思います。
なぜなら、歳を重ねるほどに「○○べき」といった世間の常識がイコール自分の考えになってしまうと思うから。
まずは自分が興味を持ったものについて探求の根を張り巡らしてみようと思います。
おわり。
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