共働き夫婦のリアル、キャリアと将来の視点で衝突する理由
「今後、どっちのキャリアを優先するべきか、ちゃんと話し合おうよ」と、私が言った瞬間、リビングの空気が一瞬ピリッと張り詰めた。妻は、娘が描いた絵を眺めながら、軽く「そうだね」と返事をしたが、内心ではどう答えるべきか迷っているようだった。
共働きで、しかも5歳の娘がいる私たち夫婦。表面的には順調に見えるが、実はキャリアと将来の方向性に関してしばしば意見が食い違う。家事や育児の話はなんとか乗り越えてきたが、キャリアや将来についての目線の違いは、時に根深いものになる。
キャリア優先?それとも家族優先?
私もここ数年、キャリアアップのために努力してきた。働きながら子どもを育てることは決して簡単ではないが、スキルを磨き、将来的にはもっと大きな責任を担いたいと思っている。一方、妻は最近、家庭とのバランスを取りつつ、娘との時間を大切にしたいと考えるようになった。
「もう少し、家族でゆっくりする時間が欲しい」と妻が言うと、今度は私が一瞬黙り込んだ。「でも、それじゃキャリアの成長を諦めることになるんじゃない?」と返す。この違いこそ、私たちの衝突の火種だ。私はキャリアを優先したいが、妻は家族との時間を重視する。この違いが、夫婦で同じ方向を向くことを難しくしている。
将来設計のズレ
私たち夫婦は、世帯年収1,000万円という一見安定した生活を送っているが、将来については別々の夢を抱いている。妻は、娘がもう少し大きくなったら海外留学や広い視野を持った教育を受けさせたいと考えているが、私は「そのために今はもっとキャリアに集中するべきだ」と思っている。
「今、頑張ってキャリアを積み上げれば、将来は家族全員がもっと豊かになる」と私は主張するが、妻は「今の家族との時間を大切にしないと、その時間は戻ってこない」と考える。どちらの考えも間違いではないが、この将来への視点の違いが、時々大きな衝突を引き起こす。
「話し合い」だけでは解決できない?
多くのカップルが「話し合いが大切だ」と言うが、私たちの場合、話し合いをしても解決には至らないことがある。なぜなら、キャリアや将来への価値観はお互いの人生観そのものに根ざしているからだ。
私は、今がキャリアを伸ばすチャンスだと信じ、妻は家族との時間をもっと充実させることが重要だと考えている。お互いの意見を尊重しながらも、それぞれの将来への見通しは大きく異なる。
衝突から学ぶこと
こうしたキャリアや将来への目線の違いは、時に大きな衝突を引き起こすが、最近ではその衝突が成長の機会であると考えるようになった。お互いの価値観や目標を理解し、調整しながら進んでいくことが、夫婦としての成長に繋がると感じている。
「もっと話し合おう」と妻が言った時、私はその言葉に以前よりも真剣に向き合うようになった。娘のためにも、夫婦で同じ目標を持つことが重要だと気づいたからだ。
キャリアも家族も大切、でも…
結局、私たち夫婦にとってキャリアと家族のバランスを取ることは、永遠のテーマだ。世帯年収1,000万円に到達しても、経済的な余裕が精神的な余裕に直結するわけではない。むしろ、お互いのキャリアや将来への考え方が異なることで、これからも多くの挑戦が待ち受けているだろう。
それでも、私たちはその違いを乗り越えながら、娘とともに成長していく決意をしている。「お互いの道を尊重しつつ、家族としての未来を描く」——それが、これからの私たちのテーマなのかもしれない。
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