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今日もつまらぬことを言ってしまったが後悔はしていない

「けっこういろいろバタバタしているんですよ」

打ち合わせの席でこう言われました。これ自体はまったく珍しいことではありません。

「そうですよね、株主総会の時期ですし」

「ええ、そうなんです」

先方は上場企業で、決算月は3月です。

「総会は富山でされるんですよね」

このグループの創業の地は富山県南砺市です。

「はい、よくご存じですね」

「ホームページ見てたら告知があって…」

このあたりで私は気づきました。数秒後に自分が場を凍らせるかもしれないことに。しかし、長い年月をかけて蓄積されてきた自分らしさは自らの脳に強行突破を命じました。

「開催場所が南砺市って書いてあったんで、『なんと!』と思いました」

全員が苦笑しました。幸いなことに「すみません、もう一度お願いします」という人はおらず、すぐに別の話題が始まりました。

私はこのような駄洒落に敏感で、いつでもどこでも気づけばつい言ってしまいます。関西人なんだしまあいいかと自分では思っているのですが、実のところは育った地域よりも家庭の影響が大きいような気がします。両親も弟たちも、とにかく言葉遊びが好きなのです。

そのため、家に虫が出ると必ず「無視しなさい」と言い、すみっコぐらしのしろくまのぬいぐるみを見ると「こいつ尾も白いな」と言い、妻に無視され長女に嫌がられ次女に喜ばれています。

ただし、長女も新ネタを披露するとたまにウケることがあります。

「アンパンマンにカバオくんっているやろ」

「うん」

「あいつ実はめちゃくちゃ賢いんやで」

「なんで?」

「おバカの反対だから」

この程度で笑ってくれるのだから、実はこういうしょうもないネタが好きなのでしょう。ただし、以下のネタはまったく受けませんでした。

「駅前にいる黒い車に乗ったおっちゃんが言うてたんや。『わたくしはタクシーの運転手です』って」

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