相場の動きの基本は、確率論。テクニカル分析も確率分析。
相場を力学的に理解したい。
動きの謎を探求します。
確率が基本
テクニカル分析を勉強したことのある方なら、当然のようにご存知のことかもしれませんが、相場の予測は確率論です。
これがすべてといっても過言ではないかもしれません。
金融工学も、エド・ソープの確率論が始まりと言われます。
彼は確率論でブラックジャックの必勝法を編み出したことで有名です。
彼が使った方法は、確率論の期待値の計算です。
すごく簡単にいいますと、確率の高めな方法に別の確率の高めな方法を足し合わせれば、より確率の高い方法になる、というのを応用した技です。
確率上の「1+1=2」になるという基本の応用です。
そして、それから現在に至るまで、新しい技術は生み出されてはいますが、元を辿れば確率の計算の応用に過ぎません。
とまで言い切ってしまうと乱暴かもしれませんが、
通常の算術計算の基本が足し算だということの言い換えです。
引き算は、マイナスの数まで拡張された数字の足し算だ、
というのと同じです。
従って、良いテクニカル分析をする上では、確率が高いと見込める方法を組み合わせていくことが重要といえるでしょう。
たとえ、ある方法がそれほど高確率ではなくても、
それを複数足すことで確率は高められるわけです。
テクニカル分析も確率の応用
テクニカル分析では、確率をどのように利用しているのか?
いくつか見ていきたいと思います。
まずは分かりやすいところから、
(1) 移動平均
各時点の値は直近の一定期間の平均です。
それを各時点でつなぎ合わせたものが移動平均線になります。
時間変化する状態の中で、平均を算出するための上手な方法です。
(2) ボリンジャーバンド
確率の標準偏差を計算しています。
平均から見込まれる一定量のズレを各時点でつなぎ合わせたものです。
(3) MACD
指数円滑移動平均の長期と短期の差を計算しています。
シグナルは更に移動平均化しています。
(4) RSI
直近の一定期間で、値上がりの平均と値下がりの平均を計算して、
引き算したものを百分率表示にしたものです。
(5) ストキャスティクス
一定期間中の変動幅の中で、安値からどれだけ値上がりしているか
を百分率でみています。指標%Dはその移動平均です。
スローストキャスティクスでは更に移動平均化します。
計算方法をみれば、誰がみても確率を使っていると分かりやすいものを取り上げました。オシレーター系は、移動平均をどこかで取り入れていることが多い感じがしますね。 ストキャスティクスは値幅を特徴的に抜き出すことに工夫がなされていますが、最終的には移動平均との比較になっています。
ボリンジャーバンドもいってみれば、移動平均の分散バージョンです。
様々なところで頼りにされる移動平均は信頼度高すぎです。
それでは最後に、「さすがにこれは違うだろう?」と言われそうな分析方法について、あと3つだけ、突っ込まれることを恐れずに取り上げてみたいと思います。
チャートパターン、ローソク足、マルチタイムフレームです。
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