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[SIAM]ビックバンか段階的か?

SIAM入門補足シリーズです。上記記事の中で、SIAM実装アプローチである「ビックバン」「段階的」を簡単に説明しているのですが、(私の経験上)一般的に段階的アプローチを選択することが多いため、ビックバンにはほとんど触れていませんでした。

しかしながら、ビックバンで移行するケースも最近見受けられるようになったため、ビックバンアプローチをとる際の注意点をいくつかご紹介したいと思います。

まずビックバンアプローチを復習しておきましょう。

ビックバンアプローチはサービスインテグレータ(SI)、サービスプロバイダ(SP)、すべてを一度に導入するアプローチで、組織全体へ影響を及ぼすためハイリスクではありますが、1回で切替えが完了するため移行コストは最小化できるメリットがあります。

つまり、ビックバンの注意点は「リスクをどうすれば低減できるか」を考えることとイコールになります。以下、箇条書きとなりますが紹介させていただきます。

1. 移行前に業務プロセスを定義し、同意するための時間を確保すること
2. SP間のツール戦略が定義され、必要に応じて連携されていること
3. プロセス・ツールなどの運用テストを実施する時間とリソースを確保すること
4. 移行するナレッジのレベルが合意されていること
5. エコシステム内の役割分担が定義および合意されていること
6. 既存SPと新規SP/SI間の移行期間を確保すること
7. 各SI、SPがそれぞれ必要な移行期間を確保すること
8. 新規業務に慣れるための安定化期間を設けること
9. 契約および成果物の整合性が取れていること
10. ガバナンスフレームワークがエコシステム全体で整合性取れていること
11. 顧客組織内での変化が発生した際の対応方針が明確になっていること

他にもあるとは思いますが、上記のような注意点に対して具体的な計画を立てていき、実行していくことがリスク低減には必要となってきます。

あと、注意点ではないですが、規模に依存するものの、ビックバンのケースではより移行の専門能力を備えた移行管理チームを組成することが成功への必須要件だと個人的には思っています。

なぜなら、段階的アプローチのようにフェーズごとに移行のナレッジを蓄積して学習と改善のサイクルを回すことができず、一発勝負になるからです。もし自組織にその能力を保持していない場合は、専門家に頼ることをお勧めします。

ちなみに、この内容は私が考えたわけではなく概要レベルではSIAMに記載されています。興味がある方はこちらから無料でダウンロードできますので、ぜひ参照してみてください。

本日は以上です。ありがとうございました。

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