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クリエイティブラーニング型授業の提案

今日は最近ところどころでお話させて頂いている「クリエイティブラーニング型授業」について。

これまで少しnoteで紹介してきた  #生徒が創る授業  というのは、
この極みだと考えています。
※あとで覗いてみてやってください🙏


「クリエイティブラーニング」
とは、慶応義塾大学の井庭崇先生が提唱されている概念です。

"学習者が一人、もしくは複数人でなにかを「つくる」という活動に取り組む。
そして、そのなかで、自分が「つくったもの」から学ぶとともに、
「つくる活動」そのものからも学ぶのである。"
p. 13 プロローグより 
井庭崇, et al. クリエイティブ・ラーニング: 創造社会の学びと教育.
慶応義塾大学出版会, 2019.

つまり、授業で「つくる」活動に焦点があたり、
「つくる活動」そして「つくったもの」からも結果的に学ぶことができる授業。

それが「クリエイティブラーニング型授業」です。

▼アクティブラーニングとクリエイティブラーニング


ここからは、よく聞くアクティブラーニングとの違いについて考えてみます。

そもそもアクティブラーニングという言葉について日本で最も明るい方は溝上慎一先生だと思います。

アクティブラーニング論は、少なくとも社会の変化に対応して、学校教育の社会的機能を問い直す学習論として発展してきたものである。単に望ましい学習形態を探し求めて、グループワークだ、プレゼンテーションだと唱えているのではない。学習(と成長)パラダイムへの転換、トランジション課題の問題解決をはかるのに、避けては通れない学習形態として唱えられている。
(講話)アクティブラーニングとアクティブ・ラーニングの違い、なぜカタカナ?

http://smizok.net/education/subpages/a00009(ALkatakana).html


そもそも、「アクティブラーニング」とは、広い意味で社会の変化に応じて学校や学校間の構造から変えていくような学習論であり、授業について云々というためのものではなくなっているということなんですね。

しかし、すでに溝上先生も言及されているように、文科省がこの言葉を掲げ始めてからは、この言葉が一人歩きして、授業の方法論(ペアワークやグループワークなど)についてばかり語られている印象が今でもあります。
学術的概念が適切に現場に浸透していかなかったパターンですね。


これを危惧した文科省は、すぐに主体的・対話的な深い学びという言葉を提示し、意図したことの誤解を解こうとしました。


しかし、一旦できた川の流れの工事ほど大変なものはなく、
今の学校教育の現場では「アクティブラーニング?よく分からん。」状態であり、「主体的・対話的な深い学び?ようは講義をしていても生徒の頭が活性化していたらいいんでしょ。もちろんそこ目指してますよ」状態な現場が多い印象があります。

つまり、授業のミクロな話に終始しているのが現状です。

一方で、クリエイティブラーニングはどうでしょうか。
先述の本の中で井庭崇先生はこのように述べられています。

これからの創造社会では、どのような教育が重要となるのでしょうか。
私は「クリエイティブ・ラーニング(創造的な学び)」、特に「つくることによる学び「learning by creating」)が重視されると考えます。本格的に何かをつくる経験を積んでいくなかで、知識やスキル、世界観が拡張され、成長につながる。そういう学び方です。まさに、創造的な時代にあった学びの姿だと思います。
p. 239 
井庭崇, et al. クリエイティブ・ラーニング: 創造社会の学びと教育.
慶応義塾大学出版会, 2019.


今まさに到来している全員発信社会→全員クリエイター社会、を想定し、その中でより充実して生きていくために必要な学びのあり方だと解釈できると思います。

アクティブラーニングでは誤解が広まり、クリエイティブラーニングはまだまだ認知が低いといった現状でしょうか。


▼授業を「型」で分けた方がいいんじゃない?

こういった背景がある中で僕が思ったのは、

いやいっそのこと授業を「型」に分けてしまうのがいいんじゃない?!

ということなんです。

講義型は時代に即さずデメリットが多いし、学校教育の大部分がこの中で子どもたちが過ごすのは、子どもたちの可能性をむしろ奪っていくことになる。
※あくまでもグラデーションの問題なので、これ「だけ」ということに危機感を持っていますという話です。

アクティブラーニングは概念としては誤解を持って広がっているし、いっそのことここを利用した方がわかりやすい。

そして、クリエイティブラーニングはもっともっと広がっていく必要がある。

だからこそ、従来の講義型の授業(活動)、そしてアクティブラーニングの文脈で必要性が謳われている授業(活動)、さらにクリエイティブラーニングを意図した授業(活動)の3つで分けて、それぞれの特徴を整理したらわかりやすいし、それぞれの限界も見えてくる。

そう思って、本格的に言語化を始めました。

そして整理したのがこちらです💁‍♂️

※copyrightを記載しているのは、概念の氾濫を防ぎ「アクティブラーニング」と同じ轍を踏まないようにするためです。先人の方々にリスペクトがあるからこそ、概念を丁寧に扱いたいのです。
なので、もしこの図を見られて、記載内容をどこかで言及される場合は、このnoteにコメント頂くか、ひと言メッセンジャーでご連絡ください。
https://www.facebook.com/kazuhiko44


ということで、
#生徒が創る授業
の理論的背景をおさえているクリエイティブラーニング型の授業について、
今日は紹介してきました。

興味を持っていただいた皆さんとどんどん繋がり、
より良い教育実践に結びつけていければと思います😊


▼ここから宣伝です🙏


①2023年3月11日(土)14時〜15時半


今実践中のクリエイティブラーニング型授業について、
講演の機会を再度いただきました。
どなたでもご参加可能ですので、ぜひお越しください😊

https://kecmirizevent09.peatix.com/?fbclid=IwAR3rkeQQlyt-ShGsTMpwasqJk_TSmlyxYDzI1Wohqb1Z3mMcBQKcIauQFR4


②2023年3月28日(水)14時〜17時

僕が北大阪支部長を務めている関西英語授業研究会Harvestでとっても素敵なイベントがあります。
こちらはオフラインで人数限定ですので、お早めにお申し込みください👍

https://cambridge-mpi.peatix.com

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