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なんで生徒が授業を創るの?


僕にとっての新たな挑戦。
それが#生徒が創る授業

ここに至った背景、
そして2021年の高校1年生のとあるクラスの始まりについて、
今日は紹介させていただきます。

▼これまでの実践の目的は「自立」と「自律」


基本的に教職に就き次第、
僕が探究してきたのは
「いかに自立した自律的学習者へと育むか」
でした。

ここで、
「自立」と「自律」の定義を整理させてください。

(言葉を丁寧に取り扱うことは、
理論と実践の往還のためにはとても重要なので、
この2つの整理をして教育に接することは不可欠なことだと個人的に考えています)

※「自立」・・・適切に他者依存でき、依存先が複数ある状態。

※「自律」・・・自己調整学習理論に基づく行動規範。



さて、2019年度を終えるまで、
ここを生徒ができるようになることを目的にしながらも、
生徒に委ねる部分の大きさ、をマネジメントしながら、
言語習得論的に確実に力になる道を選んできました。

生徒のリフレクションの分析、
ポートフォリオ、
検定試験や学力検査の結果、

「どういう授業デザインをすれば力が伸びるのか」

についての【経験知】も実践発表してきました。
結果、はっきりと何が良くて何が良くないのかを「語れる」経験を積み重ねることができました。

ただですね…

やはり生徒を「育てる」という考え方からは脱却できていないというのが、
僕にとっての課題でした。

バックワードデザインでゴールを決め、
こちらの意図した世界に導き、
ときに生徒たちがこちらの想像を超えていくことに感動しながら、育てる。

英語を楽しむ心を涵養し、
現実世界を哲学的に英語で対話する。

そんな素敵な授業を目指し実践してきました。

でも、
そこへ導く手段を、
教師が考えることに違和感を感じていたんです。
なぜか。
それは「育てる」者がいる以上、学校を卒業したときにはまた誰かに「育てられる」ことをし続けないと成長できない人になるというジレンマがあるからです。
#まだいくつかあるのですがこの「育成」と「教育」の違いについてはまた今度


だからこその「自立」と「自律」は欠かせない視点だったのですが、
ずっと僕の中に残り続けた問い。

それが、

【生徒たちが、自らこれを望んでいるのであれば、そういう授業は生徒たち自身が創っていけるんじゃないの?】


というもの。

人は自ら「育つ」存在だから、
その発揮をいかに最大限支えることができるのか。


この2年間、
#生徒が創る授業
を通して向き合ってきたのは、ここの部分。


生徒が任された担当者として授業をする、ではなく。
生徒が、自ら授業を創る。

教師が見本を見せるとかでもなく。
0から「授業」を創る。


評価とか、成績とか、いろんなことが関わってくる中で、
どうやってこのシステムを実現させていくのか。


非常に頭を悩ませながら、実践が始まったのでした。

▼そして「世界を知るため」の授業がスタート!


そして始まった#生徒が創る授業

そのうちの1つ。
高校生1年生英語表現Ⅰ。
手をあげてくれた運営チームが、
いよいよ授業づくりを始めました。

ミーティングの中で、ある生徒がこう呟きます。


「世界と繋がれる教科って、英語だけじゃないですか」

もう、ビビビ!と痺れました笑

実際そんなことはないんだけど、
この高校生の本音で感じている呟きに心が震えました。

そしてこの言葉をきっかけに生徒たちは、
週3回あるうちの1つの授業を
「世界と繋がる」「世界を知る」「世界を良くする」を
コンセプトに進めることにしました。

何をしたかというと、
毎週ゲストをお呼びし、
ご講演を聴き、
世界に関して考える機会を持つ授業にしていったのです。
そして英語ライティングで発信をする。


非常におもしろかったのは、
ご講演の中でおりてきたアイデアを、
授業をより良くするために使っていくことです。

例えば、
ベルギーの学校に通い、大学生時代はカンボジアにも行かれていた方に来ていただいた際には、
日本と世界の違いについて話を聞き、
その中で運営チーム生徒が「日本のことをもっと語れることになる必要性」に気がついたんですね。

そしてその後「日本のことを調べて英語でプレゼンする」という活動を授業内に組み込んだのです。

講演者は今回は最初ということで、
僕がfacebookで投げかけ、興味を持ってくださった方に来ていただきました。
(ボランティアでの御登壇だったので、ほんと感謝…🙏)

でもどの内容も、もはや僕自身が心震えまくり。

トヨタを退社し、英語を0から勉強し直して
(シアトルに行ったりオーストラリアで漁師をしたりして)
現在は国際NGOである公益社団法人 日本国際民間協力会の方に
時差3時間半でインドからの中継でお越しいただいたときは、
2週間にわたって、
・インドの今(コロナ編)
・自分の枠を超えること
・インドの今(貧困・差別編)
など、ほんっとに濃密な内容をお話いただくというほんと贅沢な時間🇮🇳


さらには、
ハンガリーで生まれ育ちフィンランドにも詳しく
電通から独立したマーケッター&漫画家という異色の方に実際にお越しいただき、
「自分を知る」というテーマのワークショップもしていただいたり。

そしてこのワークショップは事前打ち合わせで運営チームが
「こんな課題が自分たちにはあるからこういう授業にしていただきたい」
なんていうことも伝えていたりするのです。


どの時間も本当に素敵な時間だったのですが、
これもすべて、
生徒の発想から始まったものだと考えると、
こちらがすべて準備して展開する以上の価値が見えてきます。

「先生が企画した話を聞かされる」
のではなく、
「自分たちが企画したことを、先生に助けてもらって実現する」
のだから。

発想を少し変えるだけで、
生徒の成長の機会になることはまだまだ学校現場には眠っているのかもしれないなぁなんて思います。


ということで、
今日は少し長くなりましたが、
#生徒が創る授業
の1年目のとあるクラスのスタートの話をさせていただきました。


生徒が「自立」し「自律」していくのをいかに見護るか。

みなさんはどうお考えでしょうか?
ぜひ対話させてください👍


#生徒が創る授業


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