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酒と心:私の場合

最近すんげえ悩んでるんですよ。アホになったんじゃないかって。

ただ、いまは改善傾向にあるものの周囲や過去の自分と比べると顕著にアホな状態である、楽観的に考えればいまのやり方を続けることで将来かつてのような能力を取り戻せるかもしれない、としておきます。

ほかの記事で何回か触れたように、ぼくは大学院の修士課程にいたころ、ものすんげえがんばりました。たぶん申請すれば修士課程を最初の1年で終わることもできたでしょう。

強いられてがんばっていたわけじゃなくて、生まれて初めて答えがあるかわからない未知のものに取り組ませてもらい、運よくいくつかの新しいことを見つけたりできたものだから面白くて仕方がなかった。

研究最優先の生活というと何日も徹夜したりとか想像する人もいるかもしれませんが、それはしなかった。徹夜はやってやったぜ感はあるけど翌日廃人になってしまう。ひと月とかの期間で見た場合徹夜はよくないと考えた。

まあ研究分野によっては避けられない人もいるかもしれないけどね。

とにかく規則正しくデスマしてました。朝起きて朝食を自炊して研究室へ行き昼も晩も決まったほぼ決まった時間に食べ、夜中になる前には帰る。毎晩酒は飲むけどほんのちょっとで寝てしまってましたね。

そしてしっかり寝る。

アパートから歩いて研究所へ行っていましたが、25分ほどかかる。その間に今日は何をするってやつを考える。研究のことを考えるのが楽しくて仕方なかった。つらいことというものがなかった。

やる気が出ない、面倒くさい

なのに!博士を取ってアメリカにある憧れだった研究室へ行って博士研究員(ポスドク)として研究をはじめて数か月経ったころから怪しくなった。

実験するのに必要な道具を注文したり道具を組み立てたり、さらには実験そのものがめんどくさくなってきた。

早くおうちへ帰りたい。

当時は長男が生まれたばかりで、しかもすんげえかわいかったものだからそれで早くおうちへ帰りたかったんだろうと思っていました。

いま思えば酒が飲みたいからだった。

酒が飲みたいから早くおうちへ帰ってしまう、しかもアメリカなので早い時間に帰ることをとがめる人間なんていないしみんな明るいうちに帰る。だから早く帰って酒飲んでしまう。

当然、研究の進捗は大学院時代と比較したらとんでもなく遅くなる。研究ってのは進むから面白いんですよ。そして研究ってのは面白いってことが原動力なんですよ。・・・必然的な結果として負のフィードバック。。。

あんなに楽しかった研究が楽しくない進まない。どんどん研究から離れてアメリカ生活を楽しむだけのクソ留学生みたいになっていきました。

気づいてよかった

日本へ帰国したあともその傾向が変わることはなくどんどん悪化していきました。いろいろなつらいことがあって状況の悪化が加速したのもありますが、遅かれ早かれどん底まで落ちたことでしょう。

で、ある日「こりゃあもうダメだ」と思った。いまの会社に拾ってもらったのは天祐でしたが上司と反りが合わずしかも長い会社の中途ってのはただでさえしんどい。ほぼ酒に溺れた。

「マジでやべえ!なんとかしなきゃ」と思ったきっかけは、出社して伝票にハンコを押そうとしたけれどあまりにも手が震えて両手でハンコを持っても押せない。伝票以外にも仕事はあったけれどさすがにこれはムリだろうと感じて帰りました。

たぶんその日に市の福祉相談窓口へ電話し、「あなたはアルコール依存症ですから今日から一滴もお酒を飲んではいけません。断酒に加えて専門医の診察を受け、断酒会にも参加してください。」といわれ素直に従うしかなかった。それくらいヤバかった。だって酒のことしか考えてないんだもん。

断酒会に参加したら「ここには二度と来たくない」と感じたのでツイッターを始めました。断酒会の代わりとしてですね。ぼくには合っていた。好きな時に好きなだけ好きなことをしゃべれるしイヤならブロックすればよい。

そして現在に至るまで回復傾向にあると考えています。

酒沼の様子を回顧するに

ぼくが思うに、酒ってのは視野を狭くするんですよ。理屈は二つ。

1.酒飲めばなんとなく楽しいし時間が過ぎる
2.ほかのことはみんなめんどくさい

ぼくはもともとバイク旅や温泉、野宿、山登りなど、外へ出て行動することが大好きだったのに、やらなくなった。

せいぜい飲みながら映画を観たりゲームしたり、気分が乗れば料理をする程度。家から出なくなるんですね。

そうするとさらに外的刺激が減るから考え方が狭くなる。これが重大。「どうせ…だろ」的なね。で、酒で麻痺させて時間を燃やす。

そもそもぼくは、バイク旅や野宿といった趣味をより楽しくするためのスパイスとして酒を飲んでいたんです。しかし気づけば酒にみんな支配されて趣味を奪われていた。

トータルで見たら酒で人生すんげえつまんなくしてたわけです。

回復しよう

当初は福祉の人が言ったとおり完全な断酒で一生過ごすことを決意しました。けどやっぱり酒は楽しい面も確かにあるので沼に足を突っ込んだりびっくりして離れたりを繰り返しながら今日にいたってます。

酒は飲むけどそのデメリットを考えるようにした。飲み始めてから節制するってのはできないので飲む日は限る。そして、飲む日を限ることのメリットを明確に自分へ提示するようにしてます。

たとえば今日は金曜なので飲んじゃいたい気持ち満載なのですがやめときます。今夜飲まなければ土曜日である明日は朝早く、しかも気分良く起きられるので早朝バイク発進が可能。

暑くなるから昼にはバイク終了してそこから出かけて飲んでも優に時間はある。早朝バイク発進なんて30年ぶりとかじゃないだろうか。これが気持ちいいんですよ。

ひさしぶりにキャンプ道具を見に行ったり飲んでこもっているより楽しいことは外にたくさんある。ただ、飲むのも楽しいけどね。

なので、ぼくは「楽しいお酒」のルールに加えて「こもらない」を加えたいと思います。

外的刺激はそれ自体楽しいだけでなく酒以外のこともたくさんあるじゃないかと思い出させてくれるわけです。

最後に

ツイッターを通してお酒の悩みを持つ人を多く(間接的に)知りました。アルコール依存症の人は「基本的に」飲んだらアウトです。そういう人を何人も見ています。酒ってのは大変なものなんですよ。

ぼくのように「うまことやってるぜ」というのが面白くない、あるいは無知なだけだと感じる人もいるでしょう。そうした人たちは半分正しい。科学的・統計学的に安全側は飲まないことだから。

ですのでこれだけは理解していただきたい。ぼくは自分の好きなように自分に合ったやり方を模索して、たまたまうまくいきつつあると感じているだけ。一般論を提示しているわけではない。と、いうことです。

真似しないでね。

追補: 別の記事で「国が推奨することはとりあえず逆のことをするのが正解」という意味のことを書きましたが、案の定 #サケビバ なんてやってるね。。。若者を食い物にするのはいい加減やめてはどうか。



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