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女性活躍推進、いままでとこれから【後編】

こんにちは。セプテーニグループnote編集部です。

女性活躍推進と差別・ハラスメント対策、大きく2つの取り組みが推進されているセプテーニグループのダイバーシティ&インクルージョン。

『女性活躍推進、いままでとこれから【前編】』では、女性活躍推進の責任者である遠藤さんに、様々な取り組みを通じて女性管理職比率が5年間で約2倍にまで上昇したお話をお伺いしました。

後編では、これからの女性活躍推進で何を目指していくのかをお伺いしてきました!ぜひご覧ください。

▼前編はこちら


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遠藤さん:
2004年セプテーニに中途入社。営業、クリエイティブ部門の責任者を経て人材開発責任者として従事。2018年Septeni Japan取締役に就任。CSR委員会女性活躍推進分科会責任者、hug-kumi(はぐくみ)委員会副委員長。

─ これからの女性活躍推進というテーマですが、今後どのような展開を検討されているんでしょうか?

様々な取り組みの結果、セプテーニグループは、ライフイベントがあっても仕事を続けられる会社になったと思うんです。これは胸を張って言えます。

前編でも話が上がりましたが、2020年に17%を目指していた女性管理職比率も、2019年10月時点で21.6%を達成するなど、順調に推移しています。

一方で、ライフイベント、特に育休復帰後の女性社員の活躍という面では、まだ課題が多く残っていると考えていて。

▼グループ主要会社の女性管理職比率(%)

グラフ

─ 具体的にはどのような課題でしょうか?

コーポレートやオペレーション業務といった、自分起点で業務をコントロールしやすい部門では、育休後の女性が活躍している姿をよく見かけますが、相手起点の業務が多くを占める部門では、まだその事例が少ないんです。

優秀なメンバーが、復職後もその部門で活躍したいと望んだときに、本人の能力を存分に発揮できるよう環境を整備する必要があると考えています。

─ なるほど。どのような取り組みを検討しているんでしょうか?

まずは個別の事例を丁寧に作っていく必要があると思っています。本人の能力や意欲、周囲のサポート状況と、受け入れ側の部門の要望や状況をしっかりすり合わせた上で、関係者が全員ハッピーになるように進めていきたいですね。

育休を取得する社員も年々増えていて、この春から夏にかけて、育休から復帰する社員が多くいます。

すでにリモートで復帰してくれているメンバーもいますし、新型コロナウイルスの影響でこれから復帰を予定しているメンバーもいますが、今年は特に、常に対面で仕事を進められるわけではないので、復帰者と周囲がしっかりコミュニケーションをとれるようにサポートしてきたいと思います。

それから、当社グループの社外取締役の岡島さんが提唱されている「前倒しのキャリア®」(※)については、継続的に啓蒙していきたいです。

(※)ライフイベントが発生しても「働き方の自由」を自分で選択できるよう、キャリアの早い段階でできるだけ多く「バッターボックス」に立ち実績を重ね、社内での信頼と自己効力感を備えておくこと。

経験やタグ(得意分野)が多いほうが、復帰後のキャリアの選択肢は広がりますし、受け入れ側の部門として提示できるポジションも増えますから。

─ 以前岡島さんが講義の中で「出産前に勝負はついている!」とおっしゃっていて、衝撃を受けました。ちなみになぜ次のステップとして育休後女性社員の活躍、を選定したんでしょうか?

いま一緒にグループの女性活躍推進を進めてくれている女性メンバーたちが1年以上の時間をかけて、女性活躍という視点での日本の状況、他社の状況と現在のセプテーニグループ、そして今後どうなっていくことが自社の競争力強化につながるのかを考え抜いて出たのが今回の方向性だったんです。

直近の業績インパクトはやや限定的かもしれないけれど、今後男女関わらず育児も仕事も両方がんばって充実させたいという層は確実に増える。

実際現場でも数ヶ月の育児休業を取得して育児にもコミットする男性が増えてきた、今しっかり対応しておくことは、未来世代の活躍に確実につながる。

そう彼女たちに説得されたことが大きかったですね。

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─ より長期目線での女性の活躍や、男性の育児への関わり方の変化を捉えた取り組みということですね。

そうですね。withコロナの時代、これまで以上に多様な考え方や価値観を尊重していくことが会社の強みになっていくと思っています。

家庭内での役割分担でも、

「男性が仕事をし、女性が家庭を優先する」と考える人もいれば、

その逆(女性が仕事をし、男性が家庭を優先する)や、

「夫婦共々、同等に仕事と家庭を両立する」

など様々な考え方を持った人がいます。

それから結婚しない、子どもをもうけないという選択をする方々もいます。

それぞれ個人の価値観として尊重しあえるような会社でありたいんですよね。

一つの価値観の型にはめるのではなく、自分はこういう価値観、でも相手は違う価値観、お互いを尊重した上で、活躍できる方法を一緒に考える。

そんな意識が必要なんだと考えています。

─ なるほど。

僕は女性活躍推進にコミットしているからこういう気付きがあると思いますが、そうでなければ少数派の価値観にしっかり向き合う機会はさほど多くないと思います。

なのでまずは考え方にギャップがあることに気づいてもらう必要があるなと思います。

先ほど男性育休の話が出ましたけど、将来的に男性が育休を取得することが一般的になって、取得しなかった世代が少数派になる時代が来る可能性も十分にありますよね。その時に育休を取得しないことも選択肢のひとつだと思うんですよ。

そうなったときにその考え方や働き方を否定されるのは、ちょっと忍びない。家庭と職場と合意が取れていればどっちもいいじゃない、となってほしい。

価値観の違いを認め合うってそういうことだと思うんですよね。そんなことに気づくきっかけになってほしいと思い、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)ワークショップを6月に開催する予定です。

岡島さんの講演に加えて、佐藤さんと岡島さんの対談も予定しています。

─ 5年前に実施したダイバーシティワークショップは、女性の働き方についての講演がメインでしたよね。

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もちろん今回も、前倒しのキャリア®についての話を中心に、女性の働き方に関する内容はしっかり入れます。この考え方は、セプテーニグループの女性活躍推進の肝ですから。

でもそれだけではなくて、自分は多数派だから少数派のことを“理解してあげる”必要があると思っている社員のみなさんに、気づきを持って帰ってもらえる内容にしたいと考えています。

それからwithコロナ時代の、ニューノーマルなダイバーシティ&インクルージョンについてもお二人に語っていただく予定です。

─ 女性活躍推進より広いお話になりそうですね。

女性活躍推進は、ダイバーシティ&インクルージョンの一部ですからね。

一緒に取り組んでいるメンバーがよく、「マイノリティの中のマジョリティである女性をしっかり支援し活躍を促進していくことは、その他の多数派では無い属性の方々の活躍を支援することにつながる。」と言ってくれていて。

─ すいません、もう少し詳しく説明をお願いします。

現時点で女性社員は人数比率で言うと男性社員より少ないですけど、他の属性、たとえば闘病中の社員、LGBTを始めとする性的マイノリティ社員、介護中の社員などに比べると人数のボリュームは大きい。

人数ボリュームが大きい分、出てくる課題の種類も多い。だからこそそれら課題に対して真摯に対応していくことは、女性以外の属性の方々の支援にもつながる、ということです。

例えば先ほどの

「男性が仕事をし、女性が家庭を優先する」という考え方と

「夫婦共々、同等に仕事と家庭を両立する」という異なる考え方をお互い認め合うことができれば、

「闘病して退院したばかりなのだから仕事はセーブしたほうがいい」

「定期的な通院は必要だけど自分にできる範囲で仕事にコミットしたい」

という立場の違いから生まれる異なる考え方を認め合うこともできるはずです。

制度面にしても、育児支援のために整備した内容が介護支援でも役立つ、ということもあると思いますし。

─ LGBTに関する取り組みの中でも「マイノリティが働きやすい職場は、マジョリティにとっても働きやすい職場」と言われています。

そうですね。

グループ行動規範Septeni Wayにある通り「多様性を認め合い、ひとりひとりの強みが発揮される働き方を実現」できるように、これからも取り組みを積極的にすすめていきたいですね。

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─ 遠藤さん、ありがとうございました!

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 「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行く、ただ一つの道」。遠藤さんのお話を聞きながら思い出したのは、イチロー選手が残したこの有名なフレーズでした。

一歩一歩確実に前進してきたセプテーニグループの女性活躍推進のあゆみ。これからの取組みによって、グループにどのような変化が生まれていくのかが楽しみです。

#セプテーニグループ #ダイバーシティアンドインクルージョン #女性活躍推進