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出光美術館江戸絵画の華【のろのろ美術館訪問】

2023年一発目の美術鑑賞は東京丸の内に御座います出光美術館へ行って参りました。

江戸絵画の華【第一部】若冲と江戸絵画

パンフ&チケ

こちらはもう年明け前、というか、2年以上前から行こうと決めておりました。
この企画展は元々2020年に開催される予定だったのでした。
若冲ですよ。

行かいでか!

時は約3年前。(ホワワ~ン)
この企画展の予告を見て行く気満々ワクワクウキウキで心待ちにしていたというのに…
昨今の感染症に阻まれ中止&延期…当時の悲壮感がにわかに思い起こされます。
しかし去年ようやっと朗報が✨
石の上にも二年半弱(三年行かなくてヨカッタ)
二年半弱のお預けをくらいましたが漸くお目にかかれる日が来てくれました✨
当時と同じ期待を胸にとっとと予約。(この企画展は予約制です。)
よく晴れた1月半ばに行って来ました。

その前に

前から行きたかったロブション。ケーキやガレットもどれも美味しそうでした。また行くぞ!

腹が減っては戦が出来ません。まずは近くのジョエル・ロブションでバゲットサンドとカヌレとカフェオレを。全部美味しい✨

パワーチャージしてメインイベントへ。

隣接する三菱一号館美術館の中庭を通って行きました。
可憐なバラがたくさん咲いてました🌹

長月、出光美術館さんへは初訪問でした。
丸の内はたまに行くのですが、出光美術館さんは今まで中々縁がなかったんですね。
企画展も楽しみですが、始めて訪れる美術館自体にも期待でワクワク。

出光美術館はビルの7階にあります。一階のエントランスがまんまエレベーターの前になった仕様で美術館員さんが数名で予約確認とエレベーターへの案内をされてました。
平日の12:30からの時間を予約し、ぴったりに到着したのですが、、、

アレーマッテルヒトガソトマデデチャッテル🙀🙀🙀🙀
エレベーター待ちの場所自体スペースが狭いのですが、待機している人が割りといたので「あちゃー混んでるかしら…」と少し不安になりましたが上に着いたら混雑はありませんでした。
展示室は暗すぎず、後ろや左右のスペースと展示の間隔が広くとられ、ゆっくり鑑賞に集中出来る正統派でシンプルな造り。
特別和が意識された内装ではないのですが、伝統工芸品の様な雰囲気を感じる良い美術館だなぁと思いました。
ジャパニーズシックとでも例えよう(ドヤ)

今回一部はタイトル通り伊藤若冲と江戸時代の作品の企画展です。
日本画の企画展の場合とにかく頭1つ突出した扱いの若冲作品。もはやあるあるですが、扱いに見合う魅力と人気があるからだと思います。

かくいう長月もほぼ若冲目当てで行きました。
肉眼でかの「鳥獣花木図屏風」を観たことが無かったのです。

展示室へはじめの一歩を踏み入れると、いきなり並ぶ豪華で大ぶりな作品達に一瞬で日本画の世界へ引き込まれてしまいます。
「虎図(谷鵬)」や「牡丹に唐獅子図屏風(水上景邨)」等が始めの方に展示されているんです。
よくある展示法なら、悪い言い方になるかもしれませんが所謂「ウォーミングアップ」的な展示から始まりますが、この企画展は違いました。
いきなり胸ぐらを掴まれ引きずり込まれる様な吸引力マックスのオープニング。
思いがけず2年強の待機期間を強いられたのはこの企画展も同じ。強い情熱は作品だけでなく美術館側の演出からもあふれている様に感じました。

長月は唐獅子が好きです。
くるくるの毛並みに怖い顔と筋肉隆々の紋様が浮かぶ身体にとても魅力を感じてしまいます。(よく似ている狛犬も好き)
なので「牡丹に唐獅子屏風図」に魅入っていたのですが、、、
背後にまさかの「鳥獣花木図屏風」!?
メインディシュの向かい合わせに目眩が。
両作品の間のスペースは最強のパワースポットです。是非その場に立つことをおすすめします。

やっとお目にかかれた世界の宝物。
観るたびに伊藤若冲のセンスには驚かされます。
描かれている生物はゆるキャラのようなデフォルメ仕様なのですが、例えばこの画像の麒麟と一角獣の角の着色

※画像はクリアファイルのものです。悪しからず。

麒麟の角のオレンジ地にグリーンを合わせ、先端に向かい白く変わる着色や、一角獣の角の点描がグラデの要領で大小で表現されているところ。点描も単調な着色でなく、二重だったり三重だったり、塗りだったり抜きだったりと何種もみられます。
描画の表現法の豊富さと凝らされた独自の表現にただただ圧倒&圧倒&感激。
この作品を混雑ほぼ無し状態でじっくり観られたことにもとても感謝でした。
いつか「樹花鳥獣図屏風」もこの目で必ず観たいです。
お目当ての作品を散々舐めるように観たのに後ろ髪引かれながら後にするなんてのも美術館あるある。
唐獅子や鳥獣達との別れを惜しみながら次へ進みます。展示はまだまだ続きますから。

今展の若冲の他作品は「若冲といえば」なあの緻密な極彩色の作品でなく、墨絵の様な落ち着いた作風の作品でした。
墨絵でも若冲の技術の高さが伺えます。一筆描きの線のかすれ具合や迷いの無さから生まれた線など、力の強弱、筆の特徴、墨の濃さ、筆にどの程度墨を含ませるか等、おそらく全て把握している。
そんな描画が観られます。

個人的には好きな河鍋暁斎の作品が一点あったのが嬉しかったです。
暁斎さんは異端児で有名な幕末の絵師。絵の上手さは勿論ですが、ユーモアたっぷりの作品も多く残されています。
今回展示されていた「妓楼酒宴図」は初めてお目にかかりましたが、中々の味わいが。
吉原での一場面。盛り上がる酒の席を屏風の中の達磨が睨むように眺めているような作品です。
面白い。何でこんな場面思い付くんだか。
達磨を描いた作品を多く残している暁斎ですが、好んでいたのでしょうか。今回たった一点の暁斎の展示でしたが、彼のユーモラスな達磨が観られて嬉しかったです。

こちらの企画展、作品数は特に多くはなかったものの、大ぶりな作品が多く見応えがありました。有名な作品も多数有り、観やすい構成と相まって素敵な企画展でした。

お土産オールフォーミー

ミュージアムショップの規模は小さくグッズも数が少な目でした。
画像左から
鳥獣花木図屏風のクリアファイルと鳥獣花木図屏風カード、牡丹に唐獅子屏風図の屏風カード、ポストカード虎図(谷鵬)虎図(円山応拳)軍鶴図

裏の返し

鳥獣花木図ファイルは全体図ではないけれどマストバイです。

「虎図 」谷鵬
「虎図」円山応拳

日本画で人気のモチーフである虎ですが、どこの子も実物より愛らしい🐅本物が日本に居なかったため、少しの情報から想像して描かれたからだそうな。本物より大きな目と丸っこい体躯。大きなクリームパンは目で美味しく頂きましょう🐾
二枚目の応拳の虎図は第二部の展示になります。

伊藤若冲「群鶴図」
舌や瞼のキメまでちゃんと見えていたのですね。

美しいですね。
どれだけ観察したのでしょうか。スマホでズームでパシャなんて無い時代。レンズは自身の眼、記録媒体は脳。
野生の動物なんて近づけないのにも関わらずこの緻密で正確な形。
小3から近眼の長月には想像もつかない芸当です。

構図の巧みさ
屏風カード。ポストカードとして使えます。
小さくても存在感があります。

とても優雅な時間をいただきました。
貴重な展示が観られる機会を是非。
第一部の開催は2月12日(日)まで。残り一週間程度です。予約が必要ですのでご注意下さい。     

オマケ

永田町方面。

ロビー横休憩所から皇居を臨む。去年の春に皇居周辺を一周歩き桜を楽しみました。今年も行けるかな🌸  長月                          


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