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人材開発と学習:Topic2 学習と開発の組織的視点

これもTopic1を書けていないが2回目になってしまった。詳しい領域だが、多少知らないことが出てきた。

<課題論文1>高齢化する労働力のための学習とトレーニングについての従業員の見方

2008-10年にイギリスで行われた研究。英国でも高齢化が進んでおり、雇用主がどのように学習とトレーニングを考えているか調査した。働く期間が伸びる中、学習やトレーニングの機会を活用することができるが、HRのプロや社長、企業のオーナーでそのような機会を高齢の従業員に提供している人はわずかだったが、彼らが学んだり経験したことを若い世代が活用できるようにすることを期待していた。

「まあそりゃそうだろうな」という感想しか無い。

<課題論文2>個人、チーム、組織、そして社会にもたらすトレーニングと開発の利益

2000年以降のトレーニングと開発の文献をレビューした論文。内容は以下。
・(予想通りだが)トレーニングは、個人やチーム、組織、また社会に多くの利益がある。
・トレーニングの利益を拡大するためには、ニーズのアセスメントを行い、理論に基づいた学習の原則をトレーニングのデザインに適応しなければならない。
・HRMの昨日が戦略的な組織プレーヤーとなるためには、トレーニングの利益をデザインし、実行し、評価し、そしてクリアに文書化することが必要。

これも「そうでしょうね」という感想しか無い。細かいところまで読み、各要素でどんな論文があるか知るのには便利そうな論文。

<課題論文3>一緒に考える:何が実践するコミュニティを作るか?

イギリスのNational Health Service(病院など、医療サービスを提供する機関)を対象に定性調査を行った研究。一緒に考えることは、実践するコミュニティ(同じ問題を理解しようとすることで人々がお互いに指導し合い、暗黙知を共有する)の鍵となることがわかった。一緒に考えるという学習プロセスが、実践するコミュニティをもたらす。

日本で言うワイガヤ的なやつだとすると、何も新しくないが、イギリスでは新しいのかも。ワイガヤは論文になっていないのだろうか?

<授業での学び>

・トレーニングサイクル
 ーStage1:学習ニーズの特定
 ーStage2:トレーニングのデザイン
 ーStage3:トレーニングの実施
 ーStage4:トレーニングの評価
・このサイクルでは特に学習ニーズの特定が大事
 ー部下に何を学びたいか聞く、というレベルでは足りない
・Training Leaning Needs Analysis (TLNA)には4つのモデルがある。
 ーOrganization-Task-Person (OTP) Model
 ーPerformanc Analysis Model
 ーIntegrated Model
 ーRAM Model
・トレーニングデザインの類型
 ー人ベースアプローチ
  ・CKO (Chief Knowledge Officer)
  ・2つの要素からなる関係(コーチ、メンター制度)
  ・非公式な交流イベント
  ・ジョブローテーション
  ・ナレッジブローカー
  ・ナレッジマネジャー
  ・スキルマネジメント
 ープロセスアプローチ
  ・アクションラーニング
  ・実践コミュニティ
  ・クロスファンクションチーム
  ・経験工場
  ・退職するエキスパートからの報告
  ・死後の評価(プロジェクト完了後の振り返り)
  ・プロジェクトブリーフィング
  ・研究開発
  ・トレーニング
 ーテクノロジーアプローチ
  ・ナレッジ収納
  ・バーチャルワールド

トレーニングニーズの分析は、やらない方が良いと思う。従業員の行動レベルの問題解決に取り組み、その結果としてトレーニング、という解決策が出てくるのは良いと思う。他にも業務プロセスの改善や、上司のコミュニケーション方法の変更など、トレーニングより効果的な解決方法があるはず。トレーニングデザインの類型は、知らないものもあったので頭に入れておきたい。

セミナーでは、
・個人と組織のパフォーマンスの関係をさらに研究するにはどうしたらよいか?
・高齢化する労働力について、学習や人材開発の観点でどんな困難があるか?
などについて議論。イギリスや欧州各国でも年金受給年齢の高齢化に伴う定年の延長が課題になっているらしい。

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