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オランダの子どもの名字について。決められなかった場合、自動で決まります。

今日、オランダの同僚と会話していたら、オランダの名字のオプションがいろいろあるということを教えてもらいました。名字が選択できるのはもちろんですが、複合姓も可能です。

子どもの姓について、「夫婦の姓も決められない人たちが、本当に決められるのか?」という夫婦別姓への反対意見はしばしば見るタイプの奴です。「親が子どもの姓を決められなかった挙句、無戸籍児を作る原因になる」なんていう指摘もあります。でも、他の国ですでにやっているため、マネするだけでいいはずです。参考のため、調べてみました。

オランダでは夫婦の最初の子どもが生まれたときに名字を決めます。兄弟別姓はだめなので、そこから子どもたちは同じ苗字になります。

両親双方の同意により登録に行くそうですが、もし、両親が子どもの姓を選ばなかった場合、子どもの名字は自動的に決まります。シチュエーションにより違うのですが、想定の範囲が広いですし、決め方が面白かったのでまとめます。

1. 異性同士の法律婚または事実婚の場合

届け出がなければ自動的に父親の名字になります。届け出をして母親の名字にする場合は、出生前か出生届の際に申告が必要です。

2. 婚姻関係にない異性同士のカップルの場合

届け出がなければ自動的に母親の名字になります。父親の名字にしたければ認知して、申告をする必要があります。

3. 同性同士の両親(男性)の場合

養子の場合ということのようです。どちらの名字でもいいですが、正式に養子縁組を行う場合は、法廷で子どもの名字を選択します。

4. 同性同士の両親(女性)の場合

女性同士の両親の場合、男性の同性婚と違い、一方が子どもと血縁関係にあるパターンがあります。その場合精子バンクからの精子を利用するか、知り合いから精子の提供を受けるかによって扱いが違うようです。

精子バンクから提供の場合、基本は生母のパートナー(デュオマザー)の名字となるようです。ここが一番「へえー」と思った個所です。生母になりそうと思っていました。

知人からの精子提供で一方の女性が出産し、そのパートナーの女性が認知する場合、生物学上の母親の名字になるそうです。いずれの場合も届け出により、他方の名字にすることも可能です。

まとめ・感想

さすが!と思ったことは、同性のカップル、異性のカップルが完全に並列に書かれているということです。普通は異性同士で同性同士は特別な場合ではなく、それぞれの個人に対して平等な姿勢があるよいホームページだと思いました。

同性同士の女性の場合について、名字の決め方が直感に合わず、最初は不思議に思ったのですが、認知があるかないかを基準に機械的に決められているようです。決定理由がはっきりしているのでいいと思いました。認知せず両親が決まる場合は生母のパートナー、認知が必要な場合は生母の姓ということのようです。

結局どこまでいっても子どもの名字は選ばなければいけないため、親のうち片方要望は切り捨てる必要があります。子どもが名前を持てないことの不利益に比べれば、名字が決まらないことに比べれば些末な問題だからです。

どのように決めるかよりも決まっていること自体の方が大事ということはあると思います。基準がはっきりしているということが重要だと思いました。

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