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いい歳の私が、サラリーマンを辞めたことを両親にどう伝えたか

私には同じくらいのタイミングで、サラリーマンを卒業した友人がいます。

彼とは高校時代からの同級生ですが、脱サラした時期は私のほうがちょっぴり先でした。

彼がサラリーマンを辞めた次の日、一緒に江戸川の土手をランニングしました。

脱サラ後の生活について、色々と相談させてほしいとのことで、コロナ感染も怖いので屋外でランニングしながら話そうという流れになったのです。

友人の意外な相談

彼からの相談は意外な内容でした。

「お前、親に何て言ったの?」

相談はてっきりお金関連の事だと思っていたので、ビックリしてしまいました。

私の場合、サラリーマンを辞めた事を、千葉に住んでいる実家の両親には伝えてはいませんでした。

私の父は既に80歳近い高齢で、母も70歳を超えています。

再就職はせず「好きなこと」で自分のビジネスをしてみたい、などと言ったところで、きっと理解してもらうのは難しいと思いました。

お世話になった両親に心配かけたくないという思いもありましたし、恥ずかしながら、いい歳して父に叱られるのではないかと、怯えていた部分もあったと思います。

そしてなによりも、うつ病を患って退職したなんて、情けなくて言えなかったのも大きな理由の一つです。

友人の場合は、実家を大規模リフォームしてあげたり、両親と海外旅行に行ったりと、昔から親孝行なヤツだったので、きっとその事が一番引っかかっていたのだと思います。

「俺達もうオッサンなんだから、わざわざ言って心配かける事ないんじゃない?」と私が答えると、彼は「なるほどねー」と煮え切らないような表情をしていました。

父親の意外な反応

そんな私にも転機が訪れました。

半年ほど前、母が病を患い入院したのです。

退院してからも介護が必要な状態が続き、今も同居している父や姉、兄が協力しあってサポートしてくれています。

私自身、平日でもなるべく母に会いたいと思うようになり、この退院を機に父に脱サラした事実を打ち明けました。

実家の和室に「ちょっと話があるんだけど」と父を呼び出し、正座での対面。

父とそんな風に改まって話すのは生まれて初めてなので、すごく緊張したのを覚えてます。

既に会社を辞めて、イベント系ビジネスを始めたと打ち明けた私に、父は意外にもすごく喜んでくれました。

父いわく、

「今はみんなが孤独になっている、お前の仕事は人と人を繋げてようとしている」

「これからの時代は、みんな仲良くしないと、どーにもならない」

と、私のやろうとしている仕事を絶賛し、そして応援してくれました。

私はてっきり父に「そんなの大丈夫なのか?」とか「いい歳してどーするつもりだ?」と、心配されると思い込んでいたので、正直とてもホっとしたのを覚えています。

父とハイキングへ

つい先日、父と二人で千葉県の房総にハイキングに出かけました。

姉が母を診てくれるということで、久しぶりの父との外出。

子供の頃、父に連れられ、よく釣りに出かけた事を思い出しました。

何十年ぶりに父と二人で自然の中を歩き、ゆっくり温泉に入って、お寿司を食べて帰りました。

帰路の車内で、「楽しかったな、また行こうよ」と父が言ってくたのが嬉しかったです。

それと同時に、あの日、両親にきちんと脱サラしたこと伝えられて、本当によかったなと改めて思いました。

前述の友人とは、あの日、江戸川ランニングして以来会えていません。

彼がその後もご両親と良い関係である事を願っています。

この夏の暑さが少し和らいだら、また彼をランニングに誘っていろいろ話そうかな、などと思う今日この頃です。







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