見出し画像

はじめは「非合理的」なほうが「合理的」かもという話

わたしは現在6つのグループのイベントオーガナイザーを務めています。

それらの中には集客において成功したイベントもあれば、苦戦したものもあります。

この約2年間で100回以上のイベント開催を経験し、自分なりにつかんだ集客に関する成否のコツのようなものを共有できればと思います。

「イベントビジネス」は簡単に儲かるのか?

「イベントビジネスは簡単に儲けられる」といった趣旨の記事をよく見かけます。

このような記事を読むと、
「この情報の発信者は本当にイベントビジネスの経験があるのかな?」と勘ぐってしまいます。

確かに前回の記事で触れたような「無料のサービス」を利用すれば、イベントビジネスは誰にでも参入することができます。

しかし始めてみるとすぐにわかると思うのですが、皆さんまず集客につまずくのではないかと思います。

なぜなら、既にあらゆるカテゴリーが競争過多であり多くの企業やイベンターといった、いわば「イベント企画のプロ達」がしのぎを削っている世界だからです。

画像1

もちろんイベントへ参加するお客様の側も暇ではありません、貴重な余暇の時間をいかに有意義に過ごすかを常に取捨選択を繰り返しています。

たとえ一時的にイベントに人を集めることに成功したとしても、「ユニークで付加価値のある時間」を提供できなければリピートしてもらえません。

リピーターさんに応援してもらえない商売はプロであろうがアマチュアであろうが、継続的な運営はむずかしいかと思われます。

イベントビジネスは誰にでも始められるビジネスではあります、しかし継続していくことは容易ではないと私は考えています。

素人にも「人気イベント」の開催は可能か?

では一体どうすればプロフェッショナルではない私たち個人に「人気イベントの企画」ができるのでしょうか?

私の運営しているイベントでもっとも集客がうまくいっているひとつは「ハイキング・グループ」です。

Meetupという外国人の方が多いツールを利用して、都内近郊の山で定期的にグループハイクのイベントを実施しています。

画像3

大変ありがたいことですが、最近では新しいイベントをアップロードすると有料にもかかわらずほんの1時間もしないうちに完売するようになりました。

私はもともと登山が好きなので、ひとりでも登山に出かけます。
しかし今では多くの仲間と楽しくハイキングが出来るうえに、参加費としてお金まで頂いてしまっているのです。

しかも、実はこれが何よりうれしいことなのですが、
参加者の多くの方から「ありがとう」と感謝の言葉いただき、さらに次回以降のリピート参加してくれるようにまでなったのです。

ポイントは「非合理的な選択」にあり

ハイキング・グループが立ち上げから順調だった背景には「非合理的な選択」があったと私は考えています。

Meetupでグループを始める多くのオーガナイザーは、言語学習者を対象にした「ランゲージ・エクスチェンジ」と呼ばれるイベントを企画しています。

この「言語学習ジャンル」は本当に人気で、毎日のように新しいグループが誕生しています。

しかしたくさんの共通したグループが存在するということは、当然そのカテゴリー内において競争が発生します。

こういった競争下では、より歴史が長いグループが有利となり、よほどやり方が上手くない限り新規参入グループが不利な戦いを強いられます。

一方でわたしの始めた「ハイキング」というジャンルは、カテゴリー自体がそれほどポピュラーではありません。

なぜならハイキングイベントの企画は事故や遭難といった危険が伴い、オーガナイザーは山への基本的な知識や経験が必要となるからです。

画像3

Meetupは多言語対応しているアプリであるという特性から、多くの英語話者である外国人が登録しています。

そのためグループを始める際、ジャンルとして「ランゲージ・エクスチェンジ」の選択は「理に適った合理的な選択」だといえます。

「ランゲージ・エクスチェンジ」は、「主に都市部のカフェ」などを利用して行われるため安全で快適で手軽だからです。

一方で私の選んだ「ハイキング」というジャンルは、比較的「危険な山岳地帯」で開催されるため誰にでも簡単には始めることができません。

そのため、そこだけ考えると「ハイキング」をテーマにイベントを企画することは一見「非合理的な選択」にみえます。

しかしそれらのマイナス要素がある種の「参入障壁」となり、苛烈な競争が避けられているカテゴリーという見方もできます。

競争状態にある「合理的な領域」を避け、あえて「非合理的な領域」に身を置くことがビジネスにおいて時に有利に働くこともあります。

もしあなたが副業として「イベントビジネス」をお考えなら、いきなり人気の激戦区に飛び込むのはお勧めしません。

それよりは、あえて少しリスクがあっても競合が少ない領域からコツコツと小さく始めると、意外にスムーズなスタートダッシュがきれるかもしれません。

すみません。
少々長くなってしまったので、このテーマはまた次回以降で触れていきたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。


この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?