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Trivial Words 或いは献立
お代は結構。
おすきな言葉を選んで食べて。
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嫌われることより嫌われているのを気づけていないことの方がよっぽど毒だ
苦しみも併せ飲んで君になりたいと、素直に憧れることこそが僕の恋情
君の欠落も、僕の欠落も、劣悪なものではなく哲学的な悦楽であるというのにね
緞帳と枯れた喉、幕間の春眠
君のアイライナーとカナリアの羽、瞬いた2月
My words are not for you,
Ballerina / Marionette 或いは愛憎
清らかな朝の湖
水が透き通って痛々しい
真綿のドレスに着せられて
渦を踊る君は白鳥
切られた風切り羽の片割れを探してる
遠くに聞こえる群れの羽音
翔べ等仕無くたってまだ歩ける
Anxiety / Relief 或いは眠り
いつからだろう 電車の揺れに身を任せられなくなったのは
いつからだろう イヤホンなしに夜を明かせなくなったのは
いつからだろう 手に畏れと憧れを抱くようになったのは
いつからだろう 喉の奥に取り憑いた微かな熱が冷めるのは
いつになるだろう 身を包むブランケットを脱ぎ捨てられるのは
いつになるだろう 口元を覆うヴェールを剥いで言葉を紡げるのは
いまはもう 心地よい脈動の揺り籠は崩れて溶けてしま
Captive / Free 或いは回想
移り変わったまなざしに焦がれる
渇きを誤魔化してひとりを飲み込む
あぁ、なんと甘美で蠱惑的な痛みだったろうか
それを忘れることはない、諦めることはあっても
あのとき、纏わりつく音色ではなく本当は白黒の手紙が欲しかった
フィルムに焼きついたあの色めきはもうたくさんだった
花弁が揺蕩ってたあの季節はいつの間にか褪めていて
綴りかけの手紙を折って飛ばした紙飛行機は静かに落ちた