マッチングアプリが恋愛市場にもたらすもの

 私は最近、マッチングアプリをやっている。昔から結婚願望があるにも関わらず、彼女はおらず出会いもないためだ。そして、恋愛市場について勉強してみたところ、マッチングアプリが恋愛市場にもたらした影響が見えてきた。私の経験談と、マクロな視点を絡めながら、マッチングアプリが恋愛市場とプレイヤーにどのような影響をもたらしたのかを考えていこうと思う。
※本文中に不適切な表現があるかもしれませんが、本旨を正確なニュアンスで伝えるために誤解を恐れない表現としています。ご理解お願い申し上げます。

目次

  1. 男女の性質と結婚制度

  2. マッチングアプリが恋愛市場にもたらしたもの

  3. ユーザーはどう恋愛市場を戦えばよいのか

  4. まとめ

1.男女の性質と結婚制度

 恋愛における男女の性質をここでは述べる。恋愛において、男性はより広く多くの遺伝子を残す本能があり、女性はより良い遺伝子を受け取ることを望む本能がある。例えば、恋愛の戦闘力がLv1~10まであるとした時、男性は全てのLvの女性に遺伝子を渡すことができ、女性はLv7~10までの男性から遺伝子を受け取りたいと考える。仮に本能が100%尊重される世の中になった場合、Lv10の男性群がLv1~10の女性群を総取りしてしまうという現象が起きる。この現象を防いできたのが「結婚制度」である。
 結婚とは、日本においては一対一で行うものだ。そして、これまではお見合い結婚が主流であり、お見合いによって同じ戦闘力を持つ男女が一対一で結婚するというのが普通であった。つまり、男性はより広く遺伝子を残したいという自由を、女性はよりよい遺伝子を選びたいという自由を、それぞれ制限されてきたのが日本における結婚だ。この制度は、同じ戦闘力を持つもの同士で結婚が決まるため、男性が余らない。現代の若者から見て、「何故あんな人が結婚できたのだろう」と思うような人がいるのも、上記の制度のおかげである。また、これまでは結婚をしないと近所の人や親戚に白い目で見られることも多く、そういった同調圧力によっても婚姻数は高く保たれてきた。しかし、近年は世間体よりも個人の自由が尊重されるようになり、同調圧力による結婚が激減した。その結果、最初に述べたように、本能が優先されるような事態になっているのだ。そして、高いLvの男性群が女性を総取りし、女性は同Lv以下の男性は相手にしないという構図が生み出した言葉が「弱者男性」である。

2.マッチングアプリが恋愛至上にもたらしたもの

 恋愛「市場」とつくだけあって、現代の恋愛では市場が形成されている。ある程度共通の価値基準があり、スペックに応じてプレイヤーの価値がなんとなく決まる。これまでも、「三高」という言葉に象徴されるように、スペックは評価の対象とされ、恋愛市場は存在してきた。しかし、その市場は目に見えず、プレイヤー同士の伝聞からイメージされる想像の範疇であった。しかし、マッチングアプリの登場でそれが大きく変化した。
 マッチングアプリは、プロフィールに基づいて好意を意思表示し、お互いが好意を持てばメッセージのやり取りが可能になるという形態のものが一般的である。プレイヤーの一人一人がプロフィールを持っており、理論上、すべてのプレイヤーのプロフィールにアクセスすることができる。つまり、これまで日本全体の恋愛市場は、プレイヤーにとって想像上のものであったが、マッチングアプリの登場でプレイヤーのひとりひとりが可視化されてしまったということだ。それに加えて、いいね数という項目があり、その人が異性からどれだけ好意を持たれているのかが数字で可視化されてしまっている。これが恋愛市場に何をもたらしたのだろうか。
 プレイヤーが可視化されたことによって、恋愛市場全体も可視化された。マッチングアプリによって、恋愛市場が具体化されたと言うこともできる。マッチングアプリでは、戦闘力をある程度推し量る客観的な指標である「もらったいいね数」の表示と、プレイヤーがとある異性を自分の基準で評価できる「プロフィール」がある。その2つが戦闘力となっているのが現代の恋愛市場だ。2つの基準により明確に戦闘力を評価することができる。これまで、合コンのような小規模のやりとりの中でそういったことは行われてきた。しかし、マッチングアプリによって不特定多数のプレイヤーに無制限にアクセスできるようになってしまった。つまり、男性は本能に従って女性に幅広くアクセスできるようになり、女性はより戦闘力の高い男性にアクセスできるようになったということだ。
 ここからは私の経験談である。自分がいいなとか、格上だと感じた女性からはほとんど相手にされず、例えば会う約束をしていたにも関わらずドタキャンやブロック等、約束を蔑ろにされることも多々ある。つまり、私が相手を格上だと感じているように、格上の相手もまた私のことを格下だと感じているのだ。そういった女性は、例えば私が便宜上Lv5だとしたら、Lv8の男性と結ばれることを目指しているため、Lv5だと相手にされないのだ。そのため、私が結ばれるのはLv5以下の女性だということになる。表現が悪いかもしれないが、誤解を恐れずに伝えるならそういうことである。マッチングアプリでは、どのような立ち回りをしても自由であるため、男女がより本能的な動きをするようになる。そしてそれが数値化された戦闘力を基に行われるものだから、競争が強く煽られている。戦闘力が並以下の男性は女性に全く相手にされず、女性も格上の男性を望むものだから、高Lvの男性の本命にはなれない。ただ、女性は格上の男性とたくさんの接点を持つことができ、それに慣れてしまうが故に同格以下の男性の相手はしない。マッチングアプリでは、一部のハイレベルな層を除いて、ほぼ全ての層で地獄絵図となっているのだ。

3.ユーザーはどう恋愛市場を戦えばよいのか

 さて、これまではマクロな話ばかりしてきたが、それを踏まえてミクロな視点で、ユーザーとして何ができるのかを考えていきたい。これまで述べてきたことは残念ながら前提として変えるものができないものと考えている。私は、シンプルに「相手よりも格上だと思わせる」ことが解決策だと考えている。ただ、それを全員考えているからこそ競争が煽られている。私は、あえてその競争からは外れ、土俵を変えることで格上だと思わせることが合理的だと思う。自由恋愛市場という大きな市場の中で、ニッチな市場で一番になれば、その市場での競争力を得ることはできる。自分の趣味を突き詰めるもよしであり、長所を伸ばしてそれがわかるような振る舞いをすればよいのだ。マッチングアプリなら、これだけは誰にも負けないという部分をプロフィールに書けばよい。そして、それによって負ける戦には目を瞑るということだ。残念ながら、3高を備えたイケメンには勝ち目がない。自分のLvを上げるか、狙う異性のLvを下げるか、ニッチな部分を突き詰めて、その小さな市場で優位に立つか、その3択しか方法はない。

4.まとめ

 3章は全く悲壮感漂う結論としてしまったが、これが現実である。ただ、どれを取るにしても努力が実るというのが現代社会のいいところである。例えば重視されることの多い収入だって、自分のスキルを上げていけば得ることができるだろうし、その努力の過程で身に付く人間的な魅力もあるだろう。私は、マッチングアプリであろうが何だろうが、全体と自分の現状を正確に認知して正しく努力すれば、道は開けるものと思う。その第一歩として、今回は恋愛市場について勉強した。これから、より正確にメタ認知を行い、全ての努力を行い、なんとしてでも幸せを掴みとる。
「あぁ〜、結婚してぇ〜」

マッチングアプリが恋愛市場にもたらすもの
/センテンスミキチ

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