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壁を乗り越えるのに、魔法や裏技なんてない──ビジネスライター講座・受講者インタビュー

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誰から教わるでもなく、「書く」ことを仕事にし始めた。ひたむきに頑張ってきたけど、ライティングのスキルが身についているかは分からない。そもそも、プロのライターに求められるスキルは何なのか。自分にはどんなスキルが足りないのだろうか。 

書くことに真剣に向き合うほど、悩みは増えてゆく。

そんなライターさんは、少なくないように思います。「仕事としてインタビューライティングを続けていきたいライター」さんに向けて、思考と実践の両輪から学べる場をつくれないだろうか。そうした想いのもと、sentenceは2021年11月から約2か月にわたり、「ビジネスライター講座」を開講しました

講師がクライアントワークにおけるライティングの心構えをレクチャーする「座学」。座学で学んだことをもとに、各受講生が取材から執筆まで行う「実践」。講座はこの2パートで構成され、受講生は「座学」のみ、または「座学+実践」のいずれかのプランを選択して受講しました。

講座を通して、受講者の方々はどのような学びを得たのでしょうか。今回は座学パートを受講してくれた、藤森ユウワさんにインタビューを実施。

「ライターとして一人前になるためのヒントを得られました」

インタビュー後半、藤森さんはそう語りました。見つけたヒントとは何だったのか。受講後にライターとして活動するなかで生かしている学び、今後の展望について話を伺いました。

プロフィール
藤森ユウワ
ライター。ベンチャー企業にインハウスライターとして勤務しながら個人事業主としても活動。営業・CS・Web担当などで10年以上会社員として働いた経験を活かし、BtoBのマーケティングコンテンツ制作を担当。ITツールが大好きで業務効率化が趣味。

人並み以上、プロ未満。5年目に突きつけられた、ライターとしての現在地

——講座お疲れ様でした! 改めて、藤森さんがビジネスライター講座を受講しようと思った理由について教えてください。

ライター業を始めて5年目になり、「これ以上の成長は見込めない」と悩んでいたのが大きな理由かなと思います。というのも、お客様から「藤森さんのライティングは人並み以上だと思うけれど、“プロ”としてはスキルが足りないように感じる」と言われたことがあって。
 
ライターの活動を始める前は、約10年、会社員として営業やカスタマーサポートなどさまざまな職種を経験してきました。営業をしていた時代は、営業なのに口下手で、お客様と対面や電話で話すことが大の苦手。その分、メールやプレゼン資料を頑張って、コミュニケーションをとっていました。
 
振り返ると、そのお客様とのやり取りで身につけた「ライティング力」、社内外の多数の人と仕事をするなかで培った「段取り力」のおかげで、ライターとしての活動を、なんとか5年間やってこれたんだと思います。
 
しかし5年目で、お客様から少しずつ高度なご要望をいただくようになってきて、過去の経験やスキルだけでは越えられない、決定的な壁があると感じたんです。

——なるほど。それで、どんなスキルを身につける必要があると感じていたのでしょうか?

一つは「プロのライターとしての基礎力」ですね。私自身は記者や編集者など「書く」ことを本職とするキャリアの出身ではないため、以前から、インタビュースキルやライティングスキルなど、プロのライターとして足りていないスキルがたくさんあるなと思っていたんです。そんなときに、仕事で大きな失敗をしてしまい、いよいよスキルアップのために何か行動にうつさなければと思いましたね。
 
もう一つはクライアントとの「握り力」。これは講座を受けるなかで気づいたのですが、握る力がなかったことも、失敗してしまった一つの要因かなと思います。お客様とうまく握れなかったため、未だに後悔が残る案件となってしまいました。
 
そのような経験を経て、もしこれからもライターとして食べていくのであれば、この壁を何とかして乗り越えたい。そのために改めてライティングについて学び直したい。そう思い、受講を決意しました。本を読んだり、お客様からのフィードバックを生かしたりと、ずっと我流でやってきたので、インタビューにしろ、ライティングにしろ、この機会に一から学び直すぞと。
 
——最初に自己紹介をしてくれた時から、藤森さんの講座に対する熱量をひしひしと感じていました。
 
私の場合は、今回家族のサポートのおかげで受講ができたんです。というのも、講座が開かれる19〜21時は子どもにご飯を食べさせたり、宿題を見たりと我が家では一番バタバタする時間。そんななか「講座がある日は、家事や育児をお願いしたい」と妻に相談し、お任せしていたので、その分家族のためにも頑張らなければと思っていましたね。

チームのように学べたことが、講座の学びを何倍も広げてくれた

 ——ここからは講座中の学びについてお伺いできればと思います。まずは、座学パート4回を通して、藤森さんにとって特に印象的だった回について教えてください。

第2回の『クライアントワークの要、事前の“握り力”』がとても印象に残っています。記事を書く上でお客様と目的やアウトプットをすり合わせ、合意する力「握り力」とは何か、なぜ大事なのかを学びました。
 
結果感じたのは、「ライターは記事を書くだけが仕事ではない」ということ。
 
例えば、お客様からのざっくりとした依頼に対して、「ここはこういうことですよね、これで認識は合っていますか」と、自分の言葉で整理しなおし、すり合わせることも大事な仕事。書く前段階からライターとしての仕事は始まっているのだと気づけたことが、一番の学びでした。

4回にわたる座学パートの目次

講座では、構成や取材依頼書など、講師の西山さんが実際にこれまで使用したものを見せてもらえたのもよかったです。インタビューの事前準備において、どれほど準備したらよいかを、具体的に理解でき、その重要性を改めて実感しました。
 
これまで準備には丁寧に時間をかけているつもりでしたが、例えばインタビュイーの著書や過去のインタビューで触れていた漫画や映画、書籍までは目を通しきれていませんでした。これまでの事前準備では不十分だったと気づけたのは大きな収穫でしたね。

——講座後のアンケートでは「オンラインコミュニティで得られる学びが期待以上」と書いてくれていましたね。

講座の振り返りや講師から勧められた本の感想を参加者同士でシェアしあったり、講師や運営の方から講座の補足情報を得られたり、講師にいつでも質問ができたりしたのはいい環境でした。講座の学びを、何倍にも広げたり深めたりしてくれたなと感じます。

講座が終わったあとに、講師の西山さんがオンラインコミュニティで本を紹介
運営メンバーが講座内容に関係するsentenceのイベントコンテンの資料を共有

特に、個人事業の方ではライターとして個人で活動していると、成功も失敗も自分一人の経験にしかならず、経験した以上のものは得られません。一緒に学ぶ人がいれば、誰かの成功や失敗を疑似体験でき、学びが倍以上になります。
 
同じ講座を受けても、3人いれば3人それぞれの学びがあります。自分がさらっと聞き流してしまっていた部分も、他の受講生が引っかかって、それをシェアしてくれる。講座中の疑問についても、一緒に考えることができました。お互いの学びをシェアすることによって、改めて考えを深められましたね。
 
いろんな角度からの学びを得られ、講座では複数人で学ぶ強みも体験でき、一人で学ぶのとはまた違う、チームのように学ぶ良さを実感しました。講座とは別に、テキストで気軽に交流できるオンラインコミュニティという場があったからこそだと思います。

藤森さんが講座でとったメモを共有し、他メンバーからは感謝のコメントが寄せられた

スキルアップに魔法や裏技なんてない。地道に学び続けることへの決意

——受講前の目的は、「人並み以上、プロ未満」から脱却することでしたが達成できましたか?

そうですね。講座を通してライターが持つべきマインドセットや行動指針を教えてもらい、「一人前になるためのヒント」を学べたことは期待通りで、目的は100%達成したのではないかと思います。どのように学んでいけばライターとして成長できるのか、“学び方のコツ”を理解できました。
 
ただ、講座を受講したからといっていきなり1から100までレベルアップしたわけではないと自覚しています。あくまで学んだのは、一人前になるためのヒント。ここで学んだ内容を、実践で活かしていく必要があると思いますね。

——受講後、執筆に向き合った時の意識や日々の行動で、何か変化はありましたか?

仕事に取り組む意識はかなり変わりました。講座を受ける前は、ぶつかっている壁を乗り越えるための魔法や裏技があって、講座のなかで見つけられるのではないかと期待していた部分がありました。
 
しかし実際は、スキルアップのための魔法や裏技なんてものはなく、壁があれば自分で一段ずつ着実に乗り越えていくしかないのだと気づきました。だからこそ目の前の仕事をとにかく一生懸命やらなきゃと。そういうマインドになれました。

——スキルアップをするためには、地道に努力することが一番大事ということですよね。とても素敵な気づきだと思います。最後に今後の展望を教えてください。

お客様に寄り添い続けるライターになれたらいいなと思っています。何をしたいのか、何をやっていきたいのかなど、お客様が言語化できずにいる部分を、一緒にすり合わせながら考えて、想いを社会に発信するサポートをしていきたいです。
 
キーワードを打てば、AIがそれなりの文章を書いてくれる。そんな時代もおそらくそう遠くはないはずです。厳しい言い方かもしれませんが、誰でも書けるような文章を書くライターは、どんどん必要とされなくなっていくのではと感じています。
 
だからこそ私は、人の気持ちを汲み取って言語化できるライターになりたい。お客様から、「藤森さんの記事すごく良かった」とか「藤森さんにしか書けないよね」などと言ってもらえる仕事を、増やしていきたいです。

・・・

「スキルアップするためには、壁を一つひとつ、着実に超えていく必要がある」
 
壁を乗り越えるための魔法や裏技はないと気づき、絶望するのではなく、前を向く。そんな姿勢から、藤森さんの「書くこと」に対する覚悟が感じられるとともに、勇気をもらいました。藤森さん、ありがとうございました!

sentenceは、編集デザインファームである株式会社inquireが運営する、書くことを学び合うための会員制のコミュニティです。sentenceの活動に興味を持ってくださった方は、公式HPnoteをご覧ください。また今後講座を開講する際には、HPやnoteなどSNSを通して随時告知していきます。みなさんのお申し込み、お待ちしております。

▼ ビジネスライター講座の第2期を5月26日(木)から開講いたします。

藤森さんが受講されたビジネスライター講座の第2期を5月26日から開講予定です。講座にご興味のある方はぜひ下記noteをご覧ください。

また、講座開講に先立ち実施した説明会のアーカイブ動画がありますので、希望される方はPeatixのチケットをお申し込みください。説明会では、講師の西山さんによる講座の説明に加え、第1期の受講生さんにもお話いただきました。

説明会アーカイブ動画や講座へのお申し込みについては、下記noteをご覧くださいませ。みなさまのご参加をお待ちしております!

(ライター:フジカワ悠、編集:中川明日香)

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