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冬はつとめて

 当地仙台では、2週間前は真っ赤に染まっていた木々も順に葉を落とし、いよいよ冬の様相を呈してきました。

 私は四季の中で冬が一番好みです。中学・高校でウインタースポーツをやっていたのも無関係ではありません。

 清少納言は次のように記しています。

冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。

清少納言「枕草子」

 「冬は朝に趣がある。雪が降る朝などは言うまでもない。」というような現代語訳をしたと記憶していますが、まさにその通り。東京の街中でも、長野の高原でも、朝早く外に出て、呼吸をすると、鼻がツンとする。肺が一気にしぼむ感覚。線香、煙草の煙は、一直線に空に向かうでしょう。そこに乱流は一切観察されない。

 夜通し雪が降ろうものなら、道一面に積もった新雪に足を踏み入れた時の何とも言えない感触。雪が音を吸収し、外にいながら、狭い空間にいるような、ちょっとした孤独。

 今年も楽しみです。


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