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シモキタ・スナップ 第4回:eroeriさん、(グラフィックデザイナー・陶芸家)

下北沢という街を作っているのは、この街に住まう人、この街で働く人だけじゃない。街を訪れる人たちの思いや熱が重なり合って、また「シモキタらしさ」が作られていく。

シモキタ・スナップ今回の主役は、グラフィックデザイナー・陶芸家のeroeriさん。

下北沢で一番落ち着く場所だと言う、SHISHA2号店でくつろいでいるeroeriさんを撮影しました。


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ー 下北沢に住んでもうすぐ2年です。ずっと住んでみたいと思っていた街で、住む前からしょっちゅう遊びに来ていました。シーシャも下北に住む前からの付き合いですね。週末の余韻を楽しみたいときとか、ふっと一息つきたいとき、あと、もうちょっと仕事しなきゃ(でも家だとベッドも近いし、集中できないし)みたいなときにふらっと来て、来たら結構長い時間います。シーシャのフレイバーはグァバミントほぼ一択、それに、ドリンクはスクリュードライバーというのが私の定番のオーダーです。あ、仕事のときは烏龍茶にしてますよ。


ー 「eroeri」という、おしりや胸の形をモチーフにした陶器のブランドをやっています。下北沢南口のマザーとか茄子おやじとかの近くにあるスタジオで窯を借りて焼いていて、最初に売ったのも、最初の個展も下北、作家(私)も下北在住という、正真正銘の下北沢ブランドです(笑)。

ー 家族で行ったハワイ旅行で、ホテルの人に英語が通じなかったのが悔しくて悔しくて、親に頼んで高校生の時、アメリカに留学させてもらったんです。日本人のだれもいない、田舎の公立の高校に通ったんですが、そこでそれまで通ってた日本の女子校とは全然違う価値観に出会って。

日本だと、「痩せてて肌が白いのが美しい」みたいな一つのビューティー感に知らず知らず縛られてて、そこに向けてみんなダイエット頑張ったり、お化粧頑張ったりするじゃないですか。でも、アメリカでは、みんなが自分の体型に自信を持っていて、みんな、わたしのままで美しいっていうのが当たり前で。
美しさのかたちって一つじゃないんだいろんな体のかたちがあっていいんだってそこで気付かされたんです。

日本に帰ってきてから、その時の気づきをいつでもリマインドしてくれるものを何か生み出したいな、と思って、下北の陶芸教室で、先生に「おしりの形の花びんを作りたいです」って相談したんです(笑)。先生には、え?って顔されましたけど、作ったものをSNSとかに載せたら友達から欲しい!売って!ってたくさんの声をもらって。こういうものに「きれいなものしか好きじゃない」と思ってた日本の友達が価値を感じて買ってくれるということがすごく嬉しくて、可能性を感じて、ブランドとしてやっていくことにしたんです。

ー ありのままの体に自信をもっていいんだよ、いろんな体のかたち、それぞれに美しさがあるんだよっていうのがコンセプトなので、eroeriの器はまるいおしりもあれば、ぼこぼこしたおしりも全部あり。セルライトだって、たるみだって、骨盤広いのだって、肌の色が黒いのだって白いのだって、全部いいよねって思って作っています。おしりだけじゃなくて、ほかの体のパーツも作って行こう思っていて、最近は胸をモチーフにしたものも増えてきています。

胸だって、大きい胸も、小さいおっぱいも、乳がんで摘出されてしまった胸、とかも全て愛おしいと思えるように。そういうことに日常的に気づいていけるようなブランドを、ここ下北沢で育てていけたらと思っています。


eroeri (Eri Maeda)

昼はグラフィックデザイナー、夜は陶芸家として東京とパリを拠点に活動。 真のビューティーの概念を表現する方法を模索し、陶芸にたどり着く。様々なかたちや肌の色の女性の体をモチーフとした陶器を通して、「美の多様性」を世界に伝えたいと考えている。

撮影:原田教正 取材・文:木村俊介(散歩社)

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