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【第4話】無人運営のためのIT導入~無人チェックイン編②~

世界遺産 熊野古道の1棟貸し宿「SEN.RETREAT」 で事業責任者をしています、大﨑庸平(おおさき ようへい)です。
前回の『【第3話】無人運営のためのIT導入~無人チェックイン編①~』では無人チェックインシステムの基礎的なお話をさせて頂きました。

【第3話】の最後に現地での金銭の授受や身分証の確認が必要な場合、無人運営は難しい(例「わかやまリフレッシュプラン」)話をさせて頂きました。
ただし「わかやまリフレッシュプラン」の集客力はとても高く、無人運営であってもこのチャンスを逃すわけにはいかないと思い対策しました。
今回はその対策内容を包み隠さず公開いたします。まだ前回の内容を読んでいない方は、【第3話】からお読みください。

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「わかやまリフレッシュプラン」の概要と無人運営での課題

まずわかやまリフレッシュプランの概要をご説明します。

【プラン概要】
①和歌山県から電子チケットシステムPass Meにて宿泊に使えるチケット購入(5,000円のチケットが2,500円で購入できる)
②宿泊施設を予約(宿泊代金は現地決済)
③宿泊施設に到着後、「和歌山県民とわかる身分証の提示」「チケット使用枚数の報告」
④Pass Meにて「宿泊施設コード」を打ち込み、自分の使用枚数と金額を消し込む(旅行者人数×最大1万円まで使用可能)
電子チケット使用分以外の残額を現地清算する。
⑥現地にて2,000円/人の和歌山県飲食店などで使えるクーポンを受け取る

無人運営適応への課題

わかやまリフレッシュプランを無人運営で適応するためには、かなりハードルが高いと感じました。その主な原因は下記5つです。

(A)身分証を確認する必要がある。
(B)チケット使用枚数が事前にわからず、残額の支払いが現地で発生する。
(C)チケットの使用枚数と現地での決済金額の記録が必要。
(D)お客様の画面(Pass Me)で「宿泊施設コード」をスタッフが入力をする必要がある。
(E)人数分の2,000円/人のクーポンを設置する必要がある。

5つも課題があると、無人運営での障壁は大きいように感じますよね。
ただSEN.RETREATは無人運営ながら上記課題を乗り越え、「わかやまリフレッシュプラン」に参画することができました。

対応策(A)身分証を確認する必要がある。

こちらはチェックイン時に本人確認用タブレット上でお客様の身分証を確認しました。

Skypeの画面を通して、事前にいただいた入力情報を「オンラインコンシェルジュ」の方がチェックすることで解決しています。
もちろん「メールベースで写真を撮って送る方法」など電子対応も可能ですが、お客様から「個人情報を送るのはちょっと...」の声や「現地ですぐすませたい」の声もありました。
また県に個人情報の確認はメールベースでの対応で可能か聞き取りを行いましたが、原則不可とのこともありこのような対応を取りました。

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(Skype開始前とQRコードを読み取る決済システム「Take Me Pay」)

対応策(B)チケット使用枚数が事前にわからず、残額の清算は現地対応のみ。

→こちらはTake Me株式会社様のサービス「Take Me Pay」というQRコードで読み取る決済システムを導入しました。
こちらは2パターンの対応ができるためとても便利です。

①QRコードを読み込み、お客様が金額を入力して支払いを行う(PayPayのようなモデル)です。
②「オンラインコンシェルジュ」が金額を入力したURLをお客様のメールアドレスに送信して、お客様が決済する。



対応策(C)誰がいくら使用して、残額いくら精算したかのログが必要。

「Take Me Pay」は弊社が採用している株式会社SQUEEZE様のクラウド宿泊運営システム「suitebook」と連携しています。そのため「オンラインコンシェルジュ」が「suitebook」から請求情報を発行し、お客様自身のスマートフォンに請求額が届きます。


この請求を行う際、「オンラインコンシェルジュ」が「suitebook」上のお客様情報に請求額や支払者などの情報を追記します。例えば下記のようなログが可能です。

【例:suitebook上のログ】
わかやまリフレッシュプラン使用の○○様の旅行代金12万円。
・うち10万円をリフレッシュプラン適応。
→身分証の確認、施設コードの打ち込み、リフレッシュクーポン(5000円×20枚)消し込み済み。
・残額2万円を代表者○○様のメールアドレスに「Take Me Pay」URLリンクを送信。決済確認済み。

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対応策(D)お客様画面(Pass Me)で「宿泊施設コード」を消し込む必要がある。

こちらもお客様の携帯画面をSkypeのビデオ機能で「オンラインコンシェルジュ」が確認します。対応策(c)のログを残せるので安心です。

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対応策(E)人数分の2,000円/人のクーポンを設置する必要がある。

こちらは【第1話】でもご紹介させていただいた、地元の清掃スタッフの方と連携しながらお客様の目の付く場所に設置しました。
その際は一連の流れは下記になります。

事業者印鑑を押印されているクーポンは普段は鍵がかけられている場所に保管されています。
・次の予約が「わかやまリフレッシュプラン」の際は、チェックイン日・チェックアウト日をクーポンに記入。(チェックイン日~チェックアウト日がお客様クーポン利用の有効期限のため手書きでの記入します。)
・枚数を確認し、机の上に設置。
・使用した枚数/クーポン番号を控えていただき報告

今後の対応課題について

現在オミクロン株により延期になっているわかやまリフレッシュプランSでは、新しく参加者全員の「ワクチン接種証明」または「検査による陰性証明」が必要です。
現在のようなSkypeでの画面確認を全員分に適応すると、お客様のチェックインが遅くなり、満足度が下がりかねません。
今後どのようにして、「お客様の満足度を高める視点」「お客様情報を安心・安全に取り扱う視点」を持ちながら無人運営でのチェックインを行うか検討していきます。わかやまリフレッシュプランSが始まった際、こちらの対応をnoteに公開していく予定です。

次回は『【第5話】無人運営のためのIT導入~カスタマーサポート編~』をお送りいたします。

【過去のnote】
【第1話】ご挨拶&SEN.RETREATの想い
【第2話】無人運営のためのIT導入~セキュリティー編~
【第3話】無人運営のためのIT導入~無人チェックイン編①~

SEN.RETREAT 公式HP
https://sen-retreat.com/takahara/

SEN.RETREATインスタグラム
熊野古道の地域の魅力やトレッキング情報を発信しています。
https://www.instagram.com/sen_takahara/

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