小野原千里(onohara sennri 日本、及び、日本人言及小説、投稿者)

Note、カクヨム、ブログ、「小説家になろう」にて、日本及び、日本人言及小説を投稿中。…

小野原千里(onohara sennri 日本、及び、日本人言及小説、投稿者)

Note、カクヨム、ブログ、「小説家になろう」にて、日本及び、日本人言及小説を投稿中。Noteには、それ以外の小説や記事、雑文なども、投稿していきます!過去に、「舟橋聖一顕彰青年文学賞」にて、別のペンネームで佳作入賞。歴史学、経済学、社会学、心理学、生物学などに関心あり。

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自作の小説、創作論、時事問題、心身のこと(健康や発達障害など)、自身で考えた事柄などについて、主に投稿していきます。

    • 狂、散りゆく            ~高杉晋作の第二次長州戦争と、それから~⑧

      8  高杉晋作と坂本龍馬、両人の協同によって書き上げられた書状は、完成後ほどなく各藩へと届けられた。  その後、日を置かずして第二回の小倉攻撃の標的が、大里(だいり)に決定した。攻撃の日取りは、七月三日だった。  前日の宵の口、浜崎林槌(りんづち)以下、報国隊の長府藩士六名を、高杉はひそかに馬関の港に呼び寄せた。 「わかっているな」居並ぶ藩士たちを見ながら高杉は念を押した。  浜崎林槌以下、報国隊の長府藩士たちは各々にうなずいた。高杉が彼らに授けた策とは、「明日、再び

      • 狂、散りゆく            ~高杉晋作の第二次長州戦争と、それから~⑦

        7  翌日、高杉の姿は、かねてからの支援者であった馬関の豪商、白石正一郎の屋敷にあった。戦が始まって以来、高杉はこの白石正一郎の屋敷で起居している。  小倉への攻撃から二日後、白石正一郎の屋敷を坂本龍馬が訪ねてきた。手代からその旨を伝えられると、高杉は屋敷内にある自室に坂本を通すように告げた。  手代に案内された坂本龍馬が、ほどなくして部屋に入ってきた。真っ黒に陽焼けした顔で高杉の前に腰を下ろすなり、 「高杉さん、次の戦はいつになりそうですか」挨拶もなく切り出した。一昨

        • 狂、散りゆく            ~高杉晋作の第二次長州戦争と、それから~⑥

          6  六月十七日の払暁(ふっぎょう)、長州藩の戦艦五隻は、関門海峡へとくり出した。  高杉晋作の作戦どおり、高杉の率いる丙寅(へいいん)丸、癸亥(きがい)丸、丙辰(へいしん)丸の三隻は田ノ浦へ、坂本龍馬の率いる乙丑(いっちゅう)丸、庚申(こうしん)丸の二隻は門司へと向かった。 「上手く行くでしょうか」  丙寅丸の甲板で、高杉の傍らに立つ船員が不安げに訊ねた。 「この俺が采配を執るのだ、心配は要らぬ」 「高杉さんが長州一の戦術家であることは疑っておりません。しかし、た

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          狂、散りゆく            ~高杉晋作の第二次長州戦争と、それから~⑤

          5  翌日、高杉晋作たちの乗った丙寅丸は三田尻に戻った。  港につくと、高杉は、藩庁への報告のため、山田市之允を山口へと向かわせた。  自身は六月十四日、馬関(下関)へと戻った。そして同日、あの坂本龍馬が乙丑丸(いちゅうまる)(ユニオン号)に乗って馬関に入ってきたという一報を受けて、高杉は狂喜した。 「天は我が長州に味方したぞっ。あの坂本龍馬が乙丑丸に乗って馬関にやって来ようとはっ」  高杉は早速、奇兵隊軍監の山縣(やまがた)狂介(後の山縣有朋)を伴い、馬関の港近くの

          狂、散りゆく            ~高杉晋作の第二次長州戦争と、それから~⑤

          TTブラザーズ(TT兄弟・チョコレートプラネット)を知る!!!

          今日(7月10日)、仕事で疲れて家に帰ってきて、飯食った後で寝てた。 で、深夜に起きて、スマホで動画観てたら、たまたま「TTブラザーズ(チョコレートプラネット)」が、アメリカの番組に出演している動画がレコメンドされて、何気なしに観てみたら、思わず笑った!!! ネットで「TTブラザーズ」って検索したら、どうやら「チョコレートプラネット」っていう日本のコメディアンらしいことを知り、うれしくなった。 最近、東京都知事選の政見放送のバカバカしさに、大阪府民ながら勝手に腹立たしさ

          TTブラザーズ(TT兄弟・チョコレートプラネット)を知る!!!

          狂、散りゆく            ~高杉晋作の第二次長州戦争と、それから~④

          4  十二日の夜半、高杉晋作たちの乗った丙寅丸(へいいんまる)は、黒く染まった海へとくり出した。舟は波頭を切り裂くようにして漆黒の海原を進んでいく。  舟が大島沖に出ると、幕府の戦艦四隻が、和舟十数隻を従え、大島沖に悠々と碇泊していた。中でも一番巨大な戦艦は、丙寅丸のゆうに倍はあった。  林の言っていたとおりだ、と高杉は思った。 「何たる壮大……」砲を構えていた船員の一人が、気を呑まれたような顔でつぶやいた。  隣に立つ山田市之允も声にこそ出さなかったが、固唾を呑んだ

          狂、散りゆく            ~高杉晋作の第二次長州戦争と、それから~④

          狂、散りゆく            ~高杉晋作の第二次長州戦争と、それから~③

          3  上関につくと、高杉晋作は早速、林新七に面会した。余人を退けて二人だけになると、胸中にある秘策を林新七に打ち明けた。 「今宵、我が長州の丙寅丸で幕府の戦艦に夜襲を仕掛ける。そこで林くんにも隊を率いて合力を頼みたい」 「正気ですか……」林新七は目をまたたいた。「敵は雲霞(うんか)のごとき大軍です。いくら高杉さんでも、舟一隻と、たかだか二百名ばかりの手勢では、多勢に無勢では……」 「林くん、隊長の君がそのような弱気では困る。やると言ったら、やるのだ」 「しかし」 「

          狂、散りゆく            ~高杉晋作の第二次長州戦争と、それから~③

          東京都知事選について~まったく関係のない大阪府民より一言~

           今回の東京都の都知事選には、50人以上が立候補しているということ。  ちなみに、数年前のニューヨーク市の市長選挙の候補者は、10人以下だったらしい。ニューヨーク市の人口は、2020年の時点で、およそ880万人ほどだったということ。  人口1400万人ほどの東京都の都知事選の立候補者が、50人以上という数字が、いかに多いのかがわかる(気になったので、ネットで調べてみた)。  しかし、その候補者の多くが、本気で当選する気があるとは思えないような国辱ものの政見放送を行い、自

          東京都知事選について~まったく関係のない大阪府民より一言~

          狂、散りゆく            ~高杉晋作の第二次長州戦争と、それから~②

          2  六月十二日(慶応二年)、朝、丙寅丸は三田尻に入った。    港につくと、高杉晋作は、山田市之允たちを舟に残して一人上陸した。街路を歩いていき、港切っての豪商で、勤王家でもある旧知、貞永(さだなが)文右衛門の屋敷を訪ねた。あいにく当主は不在であると貞永文右衛門の正妻から言われたが、高杉はかまわず屋敷の中に案内してもらい、二階の間に上がった。 「かたじけありませんが、しばし部屋をお借りします」  そう正妻に告げて階下に下がらせると、高杉は手枕で畳に寝転がった。 ――さ

          狂、散りゆく            ~高杉晋作の第二次長州戦争と、それから~②

          狂、散りゆく            ~高杉晋作の第二次長州戦争と、それから~①

          1  慶応二年(一八六六年)、六月七日、瀬戸内に浮かぶ長州藩領内の周防(すおう)大島(以下、大島)沿岸に、突如として砲弾が撃ち込まれた。大島の沖合に浮かぶ幕府軍艦の放った砲弾であった。この砲撃により、諸藩の連合軍である幕府軍と、長州藩との間で、両者の二度目の戦である「第二次長州戦争」が開始されたのである。  幕府軍は、多数の兵を大島に上陸させ、島全域をたちまち制圧した。加えて、多くの幕府兵が島内で強姦(ごうかん)・殺戮(さつりく)の蛮行(ばんこう)に及び、その報が山口の長州

          狂、散りゆく            ~高杉晋作の第二次長州戦争と、それから~①

          マスクタウン7

          7  昼休み、昼食の後で、ぼくら四人はパソコンのある談話室に入っていった。四人並んでパソコンの前に座る。  ぼくが代表でパソコンを起動し、「斎藤タカシ」を検索する。斎藤タカシに関する情報サイトがモニターにたくさん映し出され、そのうちの一つを選ぶとAIの自動音声ガイダンスが斎藤タカシの説明を始めた。  斎藤タカシ氏は、北海道帯広市にある「マスクタウン 帯広」を立ち上げたインフルエンサーの一人です。世界的に有名な精神科医であり、二〇二〇年以降に生まれた「新REIWA世代」と呼

          マスクタウン9

          9  メールの着信音でⅯは目を開けた。どうやらⅤRゴーグルをつけたまま眠ってしまったらしい。  ⅯはⅤRゴーグルを外し、ゴーグルからはスマホを取り外して、メールの内容を確認する。 《時間が過ぎてますが、何かありましたか? 今日は収穫の日ですよ》 「マスクタウン 帯広」の幹部の一人、園部ひろしからだった。  その文章に、Ⅿはスマホの時計を見る。午前一一時二十分。 ――またやらかしてしまった……  Ⅿは顔をしかめる。 「マスクタウン 帯広」では、少しでも無駄な出費を

          マスクタウン8

          8  アラームの音でⅯは目を覚ました。ベッドから体を起こし、枕元のスマホを手に取って時間を確認する。朝の九時だった。    それから、今日のスケジュールをスマホで確認する。 ・午前十一時、収穫 ・午後二時、斉藤さんと面談  Ⅿはため息とともにスマホをベッドに置いて部屋を出る。いつもと変わらない一日のスケジュールに、足取りが重くなる。トイレに入っていき、便座に座りながらまたため息を一つ。  トイレから出てくると、洗面所で顔を洗い、自分の部屋に戻った。スマホを手にまたベ

          インスタ投稿画像⑪ ダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman)

          ダスティン・ホフマンの個人的におすすめの映画は、 ・『トッツィー』 ・『アウトブレイク』 最近、気になっているのは、 ・『大統領の陰謀』

          インスタ投稿画像⑪ ダスティン・ホフマン(Dustin Hoffman)

          インスタ投稿画像⑩ 高杉晋作

          高杉晋作を評する仲間たちの言葉(所々、現代語訳の修正あり)。 入江九一「久坂は隊長として陣中で生活をし、兵士と起居飲食を共にしており、謹厳にして質素である。高杉はこれに反し、多くは兵営外に泊まり、時には相合傘で、馴染の美人とともに陣中に入ったこともあった。しかしながら、この二人に対する兵士の人望は同一であった」 三浦梧楼「高杉晋作という人はまったく偉人であったよ。我輩がこれまで偉い人だと思ったのは、この高杉一人だ。実に目先の早い、機敏な人で、臨機応変、奇智わくがごとくであ