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心理機能診断から16タイプを考察する②【実践編】

前回の記事↓↓

3カ月ほど前に書いた記事が好評だったので、【実践編】を書いてみました。

この記事では心理機能の診断結果をもとに16タイプを推定するいくつかの具体例を紹介していきます。

心理機能がある程度分かる方なら、【実践編】だけでも分かるようには一応なってはいます。

とはいえ、もちろん【基本編】も読んだ方が理解は深まると思います。

何はともあれ、各心理機能は大事なので、こちらにも載せておきますね!



基本編のおさらい『各心理機能の説明』


Fi
自分の心を見つめる力(アーティストを想像してもらえれば!)
私がしたいんだからしたい
→キーワード:感受性豊か、好きなことが明確、個性豊か

Fe絆を深める力(ボランティアの方を想像してもらえれば!)
誰かの笑顔を見ると元気がもらえる
→キーワード:誠実、協調性、マナー

Ti合理的に分析する力(研究者を想像してもらえれば!)
単純な疑問なんだけどさ、
→キーワード:推論力、客観性、厳密

Te物事を達成する力(仕事がデキる人を想像してもらえれば!)
結果が全て
→キーワード:遂行能力、責任感、努力

Si現実世界を把握する力(田舎の温かいおばあちゃんを想像してもらえれば!)
健康に暮らせるのが一番
→キーワード:保守的、記憶力、美味しい物好き

Se刺激を楽しむ力(正直キャラクターでは「陽キャ」という言葉が最も伝わる気がします。)
刺激のために動いてる。楽しいからね!
→キーワード:快楽、今を生きる、五感が鋭敏

Ni混沌の中から答えを掘り当てる力(いわゆる直感力高めの人を想像してもらえれば!)
この道が良いことだけは分かる
→キーワード:長期的視野、噛み砕く力、哲学的

Ne斬新なアイデアを思いつく力(アイデアマンを想像してもらえれば!)
こんな方法面白いんじゃない?
→キーワード:創意工夫、知的好奇心、多角的視野


まえがき


具体例を読み解く前にまず①-③ループと④グリップという考え方を紹介します。
考察するうえで知っておいた方がいい考え方です。
もう既に知っている方は、読み飛ばして大丈夫です。


【実践編】①-③ループや④グリップについて

MBTIには「①-③ループ」や「④グリップ」という考え方があります。

これは、心が不健全になった場合に起こる現象のことです。

②が使えなくなった際に、代わりに③を使うようになるのが①-③ループ
②も③も使えなくなった際に、代わりに④を使うようになるのが④グリップ

言葉だけじゃ分かりにくいですよね。
図を用いて解説します

以下の画像をご覧ください。

INFJは健全時には、①Niと②Feを主に使っています

言い換えると、閃いた真理を、周りの人や世界のために使おうとします。(これがINFJが提唱者と呼ばれる所以です。)

ですが、様々な要因(例えばストレスなど)で②Feを上手く使えなくなることがあります

そうすると、以下のようになります。


INFJは「もう人助けは嫌だ!自分のために生きるぞ!」みたいに②Feがズタズタになって、①Niと③Tiを主に使うようになります

これの何が問題かというと、どちらも内向機能である点です。

どの16タイプでも①-③ループに陥ると「内向×内向」または「外向×外向」というようにバランスが悪くなります。

INFJの場合、①Niと③Tiを主に使い、ひたすら内省するという生活を送ることになります。

言い換えるなら、外界を遮断して、ひたすら世界の意味ばかりを考えているような状態です。

これは一般的には不健全な状態とされています。

ですが、実際にはこういった時間が、創作物を生み出したり、真理にたどり着いたりするので、
①-③ループは心が疲弊していることには違いないですが、100%悪いものでもない、と私は考えています。


ちなみに、さらに心が不健全になって②も③も使えない状態になると、④グリップという状態に至ります。

こちらはレアケースですが、かなり危険な状態であるとされていて、もしこの状態に陥ってしまったら、必要に応じてではありますが、精神科などに掛かった方が良いでしょう。


ではこれらの考え方を使って、16タイプの推定をしてみましょう。



【実践編】実際に読み解いてみる


架空の診断結果を6つ用意したので、それを私なりに分析してみる形で進めてみます。
よければみなさんも一緒に考えてみてください

6つのうちのどれかは、ご自身の診断結果を読み解く手掛かりになると思います。

ただ、私はあくまで一介のMBTIマニアですので、専門性は低いとお考え下さい。

ではさっそく行きましょう。

↓読み解くのに必要なので、対応表を載せときますね!
(別画面で出しておくと解きやすいと思います)

具体例1)16personalitiesでは「INTJ」と診断された人

まずは分かりやすい例から。

こちらは①Ni、②Feとなっているので、心理機能的にはINFJと考えるのが妥当でしょう。

ただ、この人は16診断ではINTJということなので、

「感情よりは論理を重要視しているINFJ」
または
絆を大切にしているINTJ」
のどちらかでしょう。

あとはどちらに近いかの自己分析ですね。

分かりやすいので、このあたりは大丈夫かと思います。

この説明でついてこれない人は、【基本編】をお読みください。


具体例2)16personalitiesでは「INFP」と診断された人

「①Se、②Fi、劣勢Ni」なので、グラフだけを見ると「ESFP」となります。
ただ、16診断ではINFPと診断されているケース。

主機能はSeかFiですね。

可能性としてはいくつか挙げられます。

・「少し内気で繊細なESFP」
・「夢見がちなISFP」
・「今を楽しむ人に憧れたINFP」

おおよそこの辺りでしょう。

この3つを候補に入れて、自己分析をしてみるといいと思います。

こういうNかSの違いでありがちだと思いますが、
「小さい頃は夢想家だったけど、大人になるにつれて地に足がつくようになった」
とかそういうこともあるのかもしれません。

その場合「NかSのどっちなんだ」と気になるかもしれませんが、
「昔はN。今はS」と気づけただけでも十分に有用でしょう。

でも、私(筆者)だったらそれでもどっちなんだ~!!と気になってしまいます。
その場合は、さらに内省を続けるしかないです。
少なくとも、「昔はN。今はS」という事実のみでは、NかSかを決めることはできません。


どんどん行きます。


具体例3)16personalitiesでは「ESFP」と診断された人

Fiが最も高く、2番目がFeと、心理機能の表で16タイプを当てはめることができないケース。

このように同じアルファベットがどちらも高い人もちらほら見かけます。

このケースの場合、一番可能性が高いと感じるのは、

個人的には「人好きなISFP」かな、と思います。


これはどう考えたかというと、
主機能Fiに着目しました。
Fi主機能として、補助機能(2番目の機能)でFeは当てはめられないので一旦保留しておいて、次(3番目)に高いSeに着目しました。
すると①Fiと②Seなので、ISFPなんだろう、と考えました。

あとはそれで辻褄が合うかの問題です。

Feが高いのはなぜかと言ったら、人好きなのかな、って思いました。
そうすると、16タイプ診断でEと診断されているのも辻褄合いますし。
それで、「人好きなISFP」なら色々辻褄は合うだろう、と。

こういった発想にはMBTIへの理解と多少のコツが必要ですね。

↓↓重要!!!

ここまでのポイントをまとめると、
主機能がどれかを考えることでタイプを絞ることができる場合が多いです。

そして、2,3個に絞った候補と、16personalitiesの結果ですり合わせを行い、
最終的には、自分に一番しっくりくるものを見つけるのが分かりやすくていいと思います。

16personalitiesと心理機能診断は、妄信するのではなくあくまで補助ツールとして使ってください
最終判断は自己分析
です。

あ、これめっちゃ大事ですね。
再度強調しておきましょうか。

↑↑重要!!!
↑↑重要!!!


では次のような場合はどうでしょうか。


具体例4)16personalitiesでは「ENTJ」と診断された人

かなり難しい例を作ってみました。

+の値が最大+2であり、比較的平坦で特徴の薄いケース

こういった場合、別日にもう一度やってみるのが良いと思います。

もしかすると、質問が抽象的すぎて、咀嚼できないまま選んでしまった可能性もあります。

もう一度やってみると、質問に頭が慣れて、より正確に出る場合もありますよ。

それでもうまく行かない場合や、毎回ブレる場合は、個別に各心理機能を調べてみてもいいと思います。
(冒頭に載せた『各心理機能の説明』も是非参考にしてください)

そして、過去の自分を振り返って、一番ずっと続いてきたと思う心理機能を見つけてみてください。

ただ、なかなか難易度は高いですね。
それができるにはある程度の内省・自己分析が必要なので、
上手く診断されないのは、もしかするとこれまでの内省の時間の少なさが原因かもしれません。

ちなみに昔の私も内省をほとんどしてこなかったために、長らく自分が分からなかったから、毎回診断もバラバラでした。
だけど、数年続けた結果、徐々に分かるようになってきました。

自己分析は一朝一夕でできるものではないので、気長にのんびりやっていきましょう。


とはいえ、せっかくなので、一応グラフを読み解いてみますね。

主機能がNeと考えてもFiと考えてもTeと考えてもいいですが、どれだとしても④グリップを起こしていることになります。
なので主機能による判断は難しいでしょう。(グリップ自体がレアケース)

一方、Niが有意な負の値なので、「ESFP」や「ESTP」の可能性が相対的に高いです。それと16personalitiesでの「ENTJ」という結果を比較して、、、外向型ではあるんですかね、、、

うーん、、、情報が少なすぎます。

まあ、「もう一度やってみる」のがいいでしょう


では次のケースに行きます。

お次はかなり解き応えのある例です。


具体例5)16personalitiesでは「ISTP」と診断された人

さて、みなさんはどう読み解きますか?

かなり難しいと思います。

私だったら、まずSe⇆Niの差に着目して、
Se主機能、Ni劣勢機能とみなし、ESFPかESTPの2つと考えると思います。
どちらかと言えば、T寄りでしょうか。16診断でもISTPですし。だから「ESTP」ですかね。


、、、大丈夫ですか?ついてきてますか?

えーと、
最も高いのはSiですが、SiとSeの差は1なので誤差の範囲と考えます。

すると、SiかSeが主機能ということになりますが、
Siを主機能とする2つ(ISFJとISTJ)はどちらもNeが劣勢機能になります。
Seを主機能とする2つ(ESFPとESTP)はどちらもNiが劣勢機能になります。

Ne(+1)が劣勢機能というよりは、Ni(-4)の方が劣勢機能の方が矛盾が少ないでしょう。

それでESTPかESFPに絞りました。その二つなら、どちらかというとESTPだろう、と。

(↓↓同じの貼っとく)

ただ、Siを主機能とみなすこともできます
Siを主機能とみなし、ISFJかISTJと考えた場合、Si-TiループまたはSi-Fiループを起こしていそうです。

FiとTiの値から、どちらかというとSi-Fiループよりは、Si-Tiループの可能性が高いですね。つまり不健全ISFJ、かなと。
Si-Fiループ中にSeが高いってことあるのか?という疑問も生まれますが、
まあなくはないでしょう。少なくともそう答えたくなることはあるでしょう。
例えばですが、心が不健全な状態なので、「せめて今を楽しもう」と思っていたり。全然有り得そうです。

またもう一つの見方として、16personalities通りISTPという可能性もあります。
「現実世界大事~!!五感大事!!」という価値観が強い時期であれば、Tiが主機能のISTPですが、SiもSeもどちらも高く出ることだってあるはずです。

以上のことから、
・「記憶力(Si)が高いESTP」
・「慢性的なストレスにより快楽(Se)を求め始めたISFJ」
・「五感を特に意識している時期のISTP」

あたりが有力かな、と考えます。
他にも挙げたらきりがないです。

あとはこの中から、自分がしっくりくるものに近づけていく作業でしょう。


、、、難しいですね。笑

このレベルはついてこれなくても大丈夫だと思います。

知りたての方ならここまで分析できる必要はないですが、
結構心理機能って突き詰めると奥深いんですよね

ガチ勢の方はどうですか?楽しめてますか、、、?笑


それでは最後のケースです。


具体例6)16personaitiesでは「INTP」と診断された人

こちらはNi主機能なので、心理機能的にはINFJかINTJということになりますね。
ただ16診断ではINTP、、、。
高いのがどれも内向機能なので、おそらく①-③ループ中ですね。

「Ni-FiループのINTJ」
もしくは
「Ni-TiループのINFJ」
で説明できます。

16診断はINTPなので、
一文字違いのINTJと考える方がシンプルですが、
元はINFJで、Ni-TiループによってTiが高まったため、Ti主機能のINTPのように診断された」と考えることもできます。

TiとNiで内省を繰り返し、Feが劣勢ってまるでINTPですし。

でもINFJの第二機能であるFeがここまで下がることはあるのでしょうか。

ないとは言えない、というかむしろ、Feを使わなくなっているので逆に低く強調された、という可能性も考えられます。
「Fe?人のため?ないない!」みたいに即答している可能性があります。


、、、お気づきでしょうか。
何を隠そう、こちらは私自身の診断結果です。

私は、初めての16personalitiesではINTPと診断されました。
今でもINFPと診断されますが、一度も診断されたことのない「INFJ」というところで今は納得しています。

もちろん、色んなアプローチからINFJと自認したわけですが、
心理機能的には今述べたような考察でたどり着きました。

実際、昔はNiとFeが高かったはずですが、
失恋を契機に「内省×病み×個人主義」を強めていきました。
そういう過去があったので、心理機能の概念を勉強した際に、
「まさにINFJの心理機能じゃん!」って感動したんです。

この辺りの詳しい話はこちらの記事で書いています。よければぜひ

あ、ちなみに、先ほどの診断結果だけなら全然INFJではなくINTPの可能性もありましたよ。

INTPでも真理への探究心が強かったら、Niを頻繁に使っているうちに得意になっていくこともあるでしょう。
もしくは、Niに憧れて得意だと答えたくなった可能性もあります。

それでも私がINFJだと自認しているのは、やはり自己分析によるものです。


まとめ


いかがだったでしょうか。
【基本編】と併せて、
この記事では、具体例を一緒に読み解いてきました。
ですが、心理機能診断だけから16タイプを決定することは困難です。

16タイプを推測するには、
「心理機能診断」
「16personalities」
「心理機能を個別に調べる」
「他の人のブログ」
「過去の自分と現在の自分の比較」
などから総合的に判断する必要があります。

この中でも、最も重要なのは「過去の自分を見つめること」です。
過去の自分を見ずして自己分析はできません。
これは時に大変な労力が必要です。
自分の辛い過去や嫌な自分に向き合う必要がある場合もあるので、苦しいこともあるでしょう。

ですが、必要な過程なんだと思います。

焦らずのんびりやっていきましょう。


最後に


最後に伝えたいことがあります。
いえ、むしろこちらの方がメインかもしれません。

①-③ループの考え方からも分かる通り、
心理機能は成長とともに変化していくものです。

私は専門家ではないですが、あえてはっきり言います。
元々持っていない心理機能でも、長い間訓練すれば必ず身に着けることができます

そもそも。
そもそも8つの心理機能が、元々人間には備わっているのです。

だから「このタイプだから、この心理機能は諦めよう」と決めつけるのは悲しいので止めてください。


私も、大学まで自分というものも、自分がしたいことも分からず、集団の中でなんとなく生きてきました。昔はFeが高かっただろうと思います。今でも協調性は高いです。
それも一つの生き方だと思います。しかしある時人生の意味を考え始めて行き詰りました。
結果、多くの人を救うにはまずは自分を磨かないとと思うようになります。そのためには、自分の心に向き合って、苦しいという気持ちに真正面から目を向ける必要がありました。
そこで目をつけたのがFiでした。(もちろん「Fiを身につけよう!」ではなく、「自分の心に目を向けよう!」ですが)
ここ数年は自分の心に向き合い続けています。
そうしたらだんだんとFiの感覚がつかめるようになってきました。
苦しいときはたくさんありましたが、「自分の今」に耳を傾けることができるようになってきました。

今では自他どちらから見てもINFPっぽいと思います。
しかし恐らく根本はINFJなのだと自認しています。
いつしか、自分の心というものに心ゆくまで向き合ったら、人同士の輪の中に溶け込んでいく予感があります。(つまりいずれまたFeが戻っていくと思われます。)

今では詩を書くのが楽しいです。noteには上げないですが、絵や歌詞も描いています。とても楽しいです。苦しい時は苦しいですが、広い意味では楽しいです。

長い長い内省の末、私の大元の性格にFiという文字はなかったけれど、
そんなことは気にせずに情緒をバンバンに動かして詩をたくさん書いていきたいです。

いや、書いてみせます。

なので、あなたも成長を止めないでください。


成長のない人間などいません。
Fiが高かろうが低かろうが、Fiを高めようとしたっていいんです。

それをないものねだりだなんて思わないでください。
「憧れ」という尊い感情を殺さないであげてください。
人間には、元々8つの心理機能が備わっているんです。

「じゃあ変化していくなら、性格診断なんてあてにならないじゃないか」
と自問自答することもあります。
むしろ性格診断で自分を縛り付けることにならないかという不安すらあります。

そうなんです。同じ空がないように、同じ太陽がないように、心も明日には変わっているでしょう。

ですが、だからこそ、私は移ろいゆく自分を書き留めておきたいんです。
忘れていく日々に日記をつけるように。

子どもの頃の自分を、そして今の自分を認めていきたいんです。
一つ一つ書き留めて、そしたら新たな一歩を踏み出せる気がするんです。


霧がかかったら晴らしたいと思うのが人間です。
その晴れた山の向こうを知りたくなるのが人間です。

人生という長い長い道のりを、ただただ闇雲に歩くのではなく、
自分が何に惹かれ何に苦しくなるのか、その道標を性格診断で見つめ直すことは決して悪いことではないと思うんです。

その道のりはとても長いです。

占いは一日でできますが、
自己分析には時間がかかります。
MBTIに正確性を求めるなら、それ相応の時間が必要です。

だけど、
「どうせ移ろいゆくから」と自分から目を逸らすのではなく、
一つずつ日記に書き留めてみませんか?

それが霧を晴らす唯一の方法なんだと思います。

あなたの見えていなかった自分に少しでも気づけることがありますように。
祈りを込めて。


心理機能診断↓




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