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パートナー・プロデュース(α版)<その6>「結婚する」と「結婚し続ける」から、効用を試考する

◼️続けることは、常に別枠で考える

シーズン3「パートナー・プロデュース」の6回目です。今回は「結婚する」と「結婚し続ける」ことが異なることを意識して、パートナー・プロデュースを試考していくお話です。

やや脱線します。小生はマーケティング・コンサルタントとして現場で口酸っぱく(言い回しはとても柔らかくしてますけど)言ってきたのは「売れる」ことと「売れ続けること」は全く違います!、ということです。トライアルとリピートでは、購入する人の気持ちは真逆でして、「新しいものを試してみよう」から「もう試さなくても、これでいいや」に気持ちが変わる必要があるのです。

 こんな商売の話を今回は結婚の話に置き換えて試考します。この延長にパートナー・プロデュースの存在があるからです。

結婚を時系列で目ながら「続ける」について試考してみます。図表84は4段階が時間の流れになったものです。4段階それぞれを成立させているベクトル(方向性と力)要素を楕円にして加えてみます。
 まずは左側から。婚活、結婚の2つが「結婚をする」側に分類され、結婚決定から結婚生活のスタートまでをカバーしています。「婚活」も組み込んでいるのが図表の特徴です。もう、時代は婚活サイトの活用が一般的になっていますし、ますます活用されていくでしょう。
 図表84では、婚活は結婚願望と恋愛の楕円の重なりにいます。結婚願望と恋愛感情の2つが完全に重なると、遂に結婚になるという見立てができます。図表84左側の2つは、商売メタファーで言うならトライアル期間ですな。

 

図表84

 もっと脱線しますと、小生は仕事で相方と知り合って結婚して、今に至っております。マーケティング・コンサルタントとマーケティング・リサーチャーの組み合わせなので職域結婚?ですかね。食卓でマーケティング用語が通じる関係でございます。

 図表84の右側、結婚を継続する方に話を進めましょう。「結婚する」に対峙するように「結婚を続ける」については、「婚続(こんぞく)」=結婚生活の継続期間を設置してみました。婚続はここでの造語。 結婚生活のおしまいは、死別か離婚(離別)になります。ややもの寂しい単語たちですが、人生にも限りがあるように、結婚もいつかは終わるので婚終(しゅうこん)っていう言い回しでまとめます。こちらも、商売メタファーで言うならリピート期間です。婚続と婚終の2つが「結婚し続ける側」にしています。

 さて、視点を変えてみますね。文字ではなく、絵柄の特徴で見るとどうでしょうか。楕円の重なり方が似ている「婚活」と「婚続(こんぞく)」に目が行きます。この楕円の描くシルエットが偶然でもなく、何か意味を含んでいると読むなら、興味深いことが言えそうです。「結婚を続ける」と対をなす重なり方が「結婚する」ではなく、「婚活」だということです。

 絵柄がにてますよね。どちらも動体平衡のステージっぽい。
そうなると「婚続」⇔「婚活」の対比関係を土台に生活思創を組み立てていくのが、見通しが良さそうな気がしてきます。

図表84に加筆

解説を加えます。

・婚活
結婚願望と恋愛の交わったところを濃くしていく活動です。結婚したいだけではなく、相手を好きになる必要があります。

・婚続(こんぞく:結婚を続ける)
相手と一緒に生活していこうのが結婚引力です。同時に、個人として相手と離れて生活していこうとするのが結婚斥力(せきりょく)です。この両方が混ざってプラス・マイナスがなされます。プラスであれば「結婚生活をこのまま継続していく方が良い」という判断になるわけです。

婚活も婚続も2つのベクトルが一つにまとまることで次のステップに行くベクトルにまとまる、という形式です。結婚願望と恋愛感情の交わり、結婚斥力(個人でいたい)と結婚引力(一緒にいたい)の交わり。交わりがプラスになれば、次のステップ(結婚、と結婚の継続)へという流れです。絵柄が同じなのです。


◼️「婚活」から結婚継続への要素を取り出してみる

「結婚し続ける」は婚活と構造的に似ているので、婚活には結婚継続のキーとなる要素がありそうだと試考してみます。

図表85

「結婚を続ける」を、なりゆきの継続行動で分解してみたものが図表85の左側です。結婚願望は結婚以後は失われます。当座の目標であった結婚を達成しちゃったからね。でも願望は欲求の塊なので生きている限りは続きます。次の願望が何かってことがポイントになるのです。個人願望は常にあります。「1人になりたい」「独身っていいよなー、もどりたい」とか、既婚者からよく聞くセリフですよね。結婚したかったというより、その時点で「ここじゃない、どこかへ」の欲望を満たしたいだけだった・・・、なんてこともありますが、まあ、誰にも少なからずある結婚への斥力でしょう。もちろん、それ以上に結婚生活の良さはあります。24時間の孤独感から救ってくれるわけですから、これは結婚の引力です。
次に婚活時の恋愛はどのように展開していくかですが、恋愛感情が引き続き家族内に留まってくれれば引力はキープです。子供がいるかどうかに関わりません。確かに、家族人数が増えると、愛情の対象先は家庭に向かい易くなります。子供も結婚引力にカウントできますね(全ケースではないけど)。  
 これの反対の力学が、家族外に恋愛感情が向くことです。例のねw・・・これもよく見聞きする話ですけど。分類上は結婚の斥力です。
 成り行きの結婚継続はこれらの2つの力関係が「引力>斥力」なら、「結婚を続ける」になりますが、「引力<斥力」ですと、任意による結婚の終了である離別(死別は「結婚の強制終了」)になります。

 小生は離婚を否定しません。もちろん、独身で居続けることも否定してるわけではありません。そもそも独身生活長かったからなあ、それはそれでアリな人生だ。
 パートナー・プロデュースは人生が長くなることに伴って、「パートナーとの生活も長くなるなら、より双方にとって意味深い生活を目指したらいかがでしょうか?」という意味で語っているようなところがあります。
 ならば、せっかくパートナーがいるのですから、「生きがい」「はりあい」に繋げるような生活を二人で目指そうとしませんか、と言いたいのです。


◼️「見通しのある継続行動」としてのパートナー・プロデュース


図表86


「結婚を続ける」ことにパートナー・プロデュースは確かに貢献します。でも、続けることは目的ではないので、副次的な影響になります。図表86は引力と斥力を一体化していく構造図です。4つの要素が向きを変えたり、速度を増したりすることで循環らしきものを生んでいます。

・家族への興味(+)は、すでにある家族への興味を加速させることによっって、結婚の引力を高められることを意味しています。特に相方の人生の「生きがい」への探求に関心をもつなら、結果的に、相方をサポートすることになります。「はりあい」に通じていく可能性があります。相手の「生きがい」を実現していく様子には、サポートする側にも清々しさや、穏やかさを感じさせてくれるのです。

・家族外への興味(ー)は、人生の気がかり解消がパートナー同士で意識されることで、大きくその形を変えます。人生間際の3大後悔と言われる挑戦(しなかった)・健康(怠った)・人間関係(放っておいた)の中でも、健康や人間関係での気がかりはパートナー・プロデュースでサポートできる部分です。相手の健康への習慣を変える、相手の人間関係への無精に気づかせる、などです。

・コミュニケーション(+)は、夫婦のコミュニケーションがどうしても今の生活に埋没していくので、それはそれで「なりゆき」的には大切だが、お互いの個人の過去と未来の話まで拡張して結婚引力に繋げましょう、という意味合いです。人生の過去の回収が早まって「ああ、あの昔の出来事にはこういう深い人生の意味があったのか」、また、未来への妄想を落ち着かせ「うむ、確かに夢物語と思ってたけど、そんな方法だったら近づけそうだ」など。結婚引力は自然と強化されます。

・個人願望(ー)
人生の生きがいは個人で追求するものです。個人の願望の一つ、それも中心テーマでしょう。それでも、積み残した「生きがい」へのの言語化にはパートナーは協力できます。漫然とした「いいのかなあ、こんな人生で・・・」の感覚には、言葉にするための気づきが必要です。相方が「生きがい」を追求し、もがいている姿を間近にみることは、かなりリアリティがあります。もちろん、単独で人生の積み残しに気づける人はいます。ただし、1人では難しいであろう人も多いのです。世間の通念に従って生きていると、自分の人生信念が自分で作り上げたものだと勘違いして最終コーナーまで来てしまうケースです。それが人生の後悔という形で表出するのだが。
 そう、「やっぱ。この人と一緒にいると、人生の気づきが多いいな」と思えるなら、これは結婚の引力に転換した証でしょう。


◼️<まとめ>もう一度、パートナー・プロデュースの話へ

婚活と婚続の対比から始まった話をまとめていきます。パートナー・プロデュースは「結婚を続ける必要条件」ではなく、その上位概念だということです。つまり、「結婚を続ける十分条件」かもしれないってことなのです。結婚斥力を引力側に反転させる可能性を持っているからです。
 十分条件なら、結婚より大きな概念を背景に持って存在しているはずです。この辺を試考してみます。

 寿命の長さに伴って、長くなっていく結婚期間を考えてみましょう。結婚の当初は婚活に近い状態ですので、♡は身体性(Body)にも依存します。しかし、結婚生活が長くなる=加齢していく影響を受けます。当然のことながら加齢は身体にまつわる結婚引力を弱めていく方向に作用します。(あくまでも当事者の新婚比較w)この反対に、パートナー・プロデュースは、「結婚を続ける」ための結婚引力のアップに貢献しながらも、心性(Mind)や霊性(Soul)を豊かにしていきます。


 

図表87


図表87の下段、弱まっていく結婚引力で最も目立つのは、加齢の身体への影響「性活の低下・容姿の老化・体力の減少」(韻を踏んで、セックス、ルックス、マッスルなんてね)です。そんな展開も、パートナー・プロデュースによって代替され、新たな結婚引力となっていく可能性があります。

 きっと、図表87のように身体(Body)ではないゾーンで起きるでしょう。「生きがい」「はりあい」の場に家庭がなるなら、そこには慈悲と感謝が生まれますから、魂性(Soul)のゾーンに結婚生活を引き上げてくれています。

 人生の積み残し追求とは、これからの人生での選択行動の決定(仮決定であってもよい)になります。「きっと、これをやったら人生の後悔はなくなるだろう」、そんな人生の「見通しの良さ」です。(あくまでもその時点での仮保証)

 「もう、私はこれで行く!」なーんて気分になれば、迷いエネルギー0%、覚悟エネルギー100%(ちと、大袈裟だが)だ。ここには、迷いが晴れた清々しさと、揺らぐことのない覚悟の穏やかさがあるでしょう。心的には、感情的なエネルギーが最小化されてます。当然、全ての元気を今に注ぎ込めます。ここ今を生きる。

もし、パートナー・プロデュースができているなら、その行動が意識的かどうかに関わらず、自然と結婚生活は継続していくと試考できます。


 ※余談:これって、もう一回婚活にまで話のバトンを戻すと、婚活で理想の結婚にいけるかどうかって、候補者への興味をどのくらい切り出せるかどうかがポイント(興味が切り出せなければ、それは縁がない)ってことですかね? つまり、最初に理想があるのではなく、自分の気がついてない結婚の理想像を相手から引き出せるかが大切だってことか。
 婚活って、プレ・パートナー・プロデュースでもあるんだね。

Go with the flow.



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