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学びの生活思創「知圧と創圧」その3

圧力の話を援用して、学びのインプットとアウトプットについて試考してきました。その第3回目です。


父「こうやって何か別のモノに例えながら考えていくってのも、刺激があって楽しいね?」

娘「でも、例えるモノにも依るなあ。私、理科好きじゃないから圧力の話はピンとこないからさ」

父「そうかあ、例え話ってさ、聞き手を選ぶからな。スイーツ作りで学びを例えたら、結構、いけたかも?」

娘「かもね。でも、スイーツの話はスイーツの話で十分楽しいから、例え話に使わなくてもいいよ。パティシエ目指すなら、スイーツが学習だしさ」

父「学びのメタファーも、トーチャンにとってはメタファー作り自体が学習だしな」


もうここまで圧力推しで例えてきたので、押し込めるところまで押し込んでいきますw


◼️知圧を関係式で眺め直す

電圧も水圧も、それぞれが持つ法則を表す関係式があるので、知圧・創圧もやってみます。まずは知圧から。

図表297に概念式を作ってみたよ。

図表297

インプットは量が重要なので、インプット量と知圧が張った関係式です。あくまでも概念説明なので、現実にある個人個人の事情はバッサリ割愛しています。

①知圧:感情エネルギーってことですが、ここでは理性とは異なる感情をエネルギーとして活用します。大きければ大きいほどインプット量に貢献するので、分子に置いてます

②学習パイプの太さ:知識学習能力です。これは個人差が大きいいし、この中も細分化したら、面白い試考ができると思われますが、一括りです。電流が多く流れる、水が大量に流れる、そんな感じの知識量の流れのイメージです。

③新規知識の粘着度:知識も難解なものや、今までの自分が持っている知識から離れている学びになれば、「うーんと、これって・・・」みたいな感覚で学んでいくことになります。これを粘着度としてます。パイプの流れを悪くする原因でもあります。

④:学習時間:学習に時間をかけられれば、自然と知識量は増えていくことを示しています。


<知圧の変化と影響を見る>
関係式の中で、要素を上げたり下げたりしてみます。

図表298

・図表298の中央:未知の知識中心のインプットではなにが起きているかを試考するための加筆した式です。知圧(水色矢印)を上げる必要性について説明しています。未知の知識になればなるほど、知識が学習パイプの太さは知見が少ないので細くなります。同時に、過去の自分の持っている知識との関連性が乏しいので、理解(自分の知識体系に結びつけていく)に知的労力がかかります。つまり、放っておくとインプット量は下がります。この二要素を戻すように知圧をかけるわけです。でもって、下がりそうなインプット量を上げます。

・図表298の下段:これは持っている知識に関連したインプットをする場合です。土地勘のある領域でインプットしていくなら、知圧はあまり必要としません。学習パイプもそのまま活用できます。学習時間も短縮できるので、タイパが良い学びになります。


図表299

さて、知圧はこの学習の関係式の中で、学びへのモチベーションを感情的にサポートします。知圧は学習の継続という形で貢献し、結果、学習頻度がアップします。つまり、総学習時間が高まることになります。



◼️創圧を関係式で眺め直す

次に創圧の変化です。創圧の影響を関係式にしてみました。

図表300

これも簡潔な姿にしております。

①創圧:反理性エネルギーと名称してみました。ニヒリズム、サレンダー、道化師という名前の、冷めてる・諦めてる・おちゃれけてる、といった理性にストップをかける態度たちです。意図的に、手持ちの知識秩序を手放すためのエネルギーです。

②クリエイティビティ(創造性能力):新しいものを生み出す能力です。個人差はありますが、誰もが持っている能力です。ということは、自己ベストのクリエイティビティ発揮が目指したい状態となります。

③習得知識の粘着度(知識の流れにくさ):創造の元になるのは、知識(体験も含む)のストックが多いことが良いのですが、多ければ多いほど秩序だって記憶されます。この秩序は創造作業への動きに逆行させる粘着力があります。どうしても記憶にこだわってしまう度合いとも言えます。

④意識集中:創造性発揮には意識の集中が必要です。何か新しいものに気づきとも言えます。創造性の才と集中力は別であり、両方必要です。創造性はかなり属人的です。でも、集中力はフロー状態に持っていく工夫なので、意図的に高めることができます。


<創圧の影響の関係を見る>
関係式の中で、要素を上げたり下げたりしてみます。

図表301

図表301中段:アウトプットのために学んだ知識が多いいと、質が下がりやすくなる傾向を説明するものです。せっかくの知識を利用しようという気持ちが、クリエイティブ能力を下げてしまいます。また、多くの知識が学びによって秩序だっているので、記憶された因果関係がどうしても先立ってしまいますね。これが習得知識の粘着度がアップし、創造性のパイプの流れが澱む原因になります。で、アウトプットの質が上がらないために、創圧(水色)を上げる必要性が出てくるわけです。

図表301下段:インプットが乏しいとアウトプットの質が上がるように見えます。もちろん、圧倒的創造性に恵まれた天才はいます。しかし、一般的には、これは素人ならではの一発もののユニークさであり、ビギナーズラックな成果物と言えます。先入観がない分、自由な発想ができますが、継続的にユニークさを出し続けるのは稀有です。


図表302

創圧に絞って眺めてみます。創圧で、クリエイティビティを100%に戻し、習得知識を記憶された秩序から解放します。



◼️テーマ3:知圧と創圧の関係性

やっと、第3回目のメインテーマです。関係性って書いたけど、これって何かもっと押し込めるのかな? そもそも知圧と創圧の話は心的エネルギーの使い方についてなので、心的エネルギーの視点から入っていくのが良さそうだ。このあたりでテーマ3を試考します。


図表303


知圧の感情エネルギーと、創圧の反理性エネルギーを、意図的に出し入れすると、継続的な学習と成果物に貢献できると試考しています。

できれば意志でコントロールしたい。まあ、自分のことをよくわかってないのが人間ですから、そんなあやふやな存在が自己コントロールなんかを求めるのは無理だし、むしろ危険w。
 でもです。できなくても心的エネルギーについて「見通しの良さ」を持ちたいですね。生活思創は、生活周辺の見通しの良さがアップしていくことで、「清々しさ」や「穏やかさ」を感じてほしいという「願い」によって稼働しています。 

ここからは試験的な見取り図で話を進めます。知圧とか創圧の意味って、表面的なインプット量、アウトプット質みたいな実利からきています。ただ、こうやって押し込んでみると、心的エネルギーの有効活用とは、人の心の中を覗き込むような仕草にも見えます。もちろん、覗き込むのも、覗き込まれるのも自分なんだけどさw

心の内側の感覚から感情を感じる必要があります。ナルシストに分類している自慢したい欲求は、「まだ見ぬ優越感」が身体に微かな熱量を与えます。感覚の壁に映った感情の影みたいなものでしょうか? このデリケートな領域は内観としておきます。

自分の態度や行動から心の中にあったものを類推もできます。学びを「継続しなければならない」と自分に言い聞かせている自分に気がつくなら、これはサディスト的な自分が取り込まれていると説明できそうです。言語化できるということは客観的に自分を眺めていることですから、メタ認知と言えます。

でもって、図にしてみます。

図表304

感覚的な一人称とは、孤独で静かな自分でしか気づけない心に向かう状態という意味です。内観の位置付けです。

また、言語的三人称とは、メタ認知の位置付けです。客観的に言葉にして自分を眺め直すってことです。

ちなみに、この2つが重なった時の自分を「小さな目撃者」としてます。「微かな二人称」、私と少しズレたところにいる私。目撃者という単語は心理的発達段階でも出てくるのですが、話が大きすぎるのでここでの解説は割愛。自分が自分に気づく心のラグ(タイムラグの心版っていうニュアンスだよ)w

 なんでこんな言い換えをするのか? メタ認知と内観という異なるカテゴリーの用語を同じ画面に配置したいからです。つまり、図解的な前処理(えー、マニアックなので、関係者向けのネタだな)

さて、この大前提を生成AIに大枠の整理をしてもらいます。

メタ認知 (Metacognition)内観 (Introspection) は、どちらも自己を認識し、思考や感情を振り返るための重要なプロセスですが、それぞれに固有の要素があります。以下に、共通する要素とそれぞれの固有の要素を整理して解説します。

共通する要素

自己意識 (Self-awareness)
両者とも、自分自身の思考や感情を意識するプロセスです。自己意識は、個人が自分の内面の状態や思考パターンに気づき、反映することを含みます。
反省的思考 (Reflective thinking)
メタ認知と内観の両方は、過去の経験や現在の状況を振り返り、それに基づいて自己の行動や考え方を評価するプロセスを伴います。これにより、個人は自分の思考や行動を改善する機会を得ます。


メタ認知の固有の要素

認知プロセスのモニタリングとコントロール (Monitoring and controlling cognitive processes)
メタ認知は、自分の思考や学習のプロセスをモニタリングし、それを調整する能力を指します。これは、問題解決や学習の効率を向上させるために、自分の思考パターンを意識的に修正することを含みます。
計画と戦略 (Planning and strategy use)
メタ認知には、自分の目標達成のために計画を立て、それに従って行動を調整する能力も含まれます。これは、例えば試験の勉強方法を工夫したり、仕事の進め方を効率化するための戦略を考え出すような活動です。


内観の固有の要素

自己の内面的な感情や経験の探求 (Exploration of inner experiences and emotions)
内観は、特に感情や個人的な経験を深く探求することを重視します。これは、自己の感情や価値観、動機など、深層心理に関する洞察を得るためのプロセスです。
哲学的・精神的な探求 (Philosophical and spiritual inquiry)
内観はしばしば、人生の意味や存在に関する哲学的、精神的な問いかけを含むことがあります。このプロセスは、自己理解を深め、自己成長や精神的な成熟に繋がることが多いです。


まとめ

共通点として、メタ認知と内観はどちらも自己の認識と反省に関連しており、自己意識と反省的思考を促進します。

メタ認知は、特に認知的なプロセスのモニタリングとコントロールに重点を置き、学習や問題解決を効率的に行うための計画や戦略の策定が特徴です。

内観は、感情や経験の深い探求に重点を置き、自己理解を深めるための哲学的・精神的な探求が含まれます。


これらの概念は、自己理解や学習、精神的な成長において重要な役割を果たしますが、それぞれ異なる視点とアプローチで取り組んでいることがわかります。

生成AI

この共通点が小生の図表の2つの楕円形の重なり部分になります。生成AIは、世間一般を優先して言葉を選んできます。うーん、同じ画面でまとめたい輩からすると、追加の解釈を与える必要があるのです。

知圧側の矢印:
自己意識→意識の起点、反省的思考→意識の終点。これが知圧のパターンとなるなら、内観からメタ認知への展開と読めそうです。
(図表305の左側) 
 
これによって、自慢や優越感といったエネルギーを巧みに利用しながらも、終わった後に感情を鎮める動きが想定できます。パワハラ的な感情は、たとえ、自分だけに向かって使ってたとしても、使った体験が自分に刷り込まれるのはヤバいです。こういった過激な気持ちの残滓は、普段の生活で思わず出ちゃうのです。ネガティブ系の感情は取扱注意であり、特に後始末がキモっす。

図表305

創圧側の矢印:
自己意識→意識の起点、反省的思考→意識の終点。これが創圧のパターンとなるなら、今度は逆に、メタ認知から内観への展開と読めそうです。
(図表305の右側) 

 まだ見ぬ成果物へ進むときに、集めた情報から距離を置く意識は、明らかに客観的です。 先入観で固まった知識群を適度な隙間を作って、ほぐしにかかれるわけです。
 それだけではなく、アウトプット終了後には反省の視点も必要です。AIは反省的思考という単語を使ってますが、内観はもっと感覚的な振り返りですから、反省的意識と言った方が無難かな。新しい成果物がもたらす作り手だけが内面で感じるものを「味わっておく」ことは、クリエイティビティの自己研鑽になります。「自分が心地良いと感じる創作」ってこういった知性との距離感なのかな?、っていう塩加減ですかね。


娘「みんなに上手いところを見せつけるんだ、っていうのも楽器練習のモチベーションになるよね」

父「ぶっちゃけ、感情だけで学びを継続させるってできるんですよ。でも、基準が他人になると、ウケることが目的になる学びになるからな、気をつけないと、学習の内容があざとくなります。」

娘「あー、目的のある学びは、すぐに効率を求めてしまう、ってやつね」

父「人は、手っ取り早さに魅了されやすいっすよ」

娘「説得力を感じる」

父「散々、繰り返してきたのでした。あなたの父の学びは反省の歴史です」


シーズン7「学びの生活思創 知圧と創圧」もここで終わりなのですが、いくつか思いついたので、追加もあるやもしれません。まあ、ラボって言っても、駄文と愚図をひたすら寄せ集めるだけのコーナーです。なので、何かカチッとしたものもないので、先行きはいつも怪しいのだった。

Go with the flow.


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