マガジンのカバー画像

走り書き

11
詩にもなりきれず、小説の一節にもなりきれなかった、フィクションなのかノンフィクションなのかもよく分からないかけらたちを置いておく場所
運営しているクリエイター

2024年7月の記事一覧

深夜のサッカー中継

18の時に買った19型のテレビ、15年以上使ってもまだ現役で動いている。
引っ越してやっと手に入れた55型の有機EL。暗い映画もドラマも綺麗に見れる。ただ、今も現役で動く19型の液晶を捨てる気になれず、寝室に持ち込んでしまった。

それが終わりの始まりだった。深夜1時、うとうと微睡む僕の横で、きらきらの眼で代表戦のKOを待つ君。

僕、明日、仕事早いんだけど。

気にしないで寝てていいよ。

いや

もっとみる

竹下通り

朝から竹下通りのざわめきにうんざりする。クレープにコットンキャンディ、なぜか螺旋状のチップス。おこぼれを狙う鳥たち。
美容院に行くにはそこを抜けなくてはいけない。
たかが竹下通りの人混みでへこたれるなんて、まるでおのぼりさんかと思うが、こう見えて、もう20年近く東京で暮らしている。しかもこの竹下通りを抜けた美容室には8年ほど通っている。

美容院に行くのにどれくらい綺麗にしていくべきか、that

もっとみる