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小澤メモ|NOSTALGIBLUE|思い出は青色くくり。

37 もしもオリンピックが2020年夏にあったなら。

2020年のオリンピックは2021年に。
いよいよ来年は東京でオリンピック。というフレーズを2019年にも書いていた。また書くことになると思っていたライターはいなかっただろう。自分を含めて。思えば、2019年の今頃は、国内メディアは土壇場でのマラソン競技の開催地変更で紛糾していたな。それを冷ややかに見ながら、自分が思い出していたのは、小学生のときに聞いたエピソードだった。近代五輪の最初の開催地ギリシアはアテネ。この地にまつわる神話で、オリュンポス十二神とかいうのがあるくらいだから、オリンピックはアテネあたりにちなんだものだというのは想像がつく。それで、古代ギリシアの逸話で、マラトンの戦いというのがあるから、マラソンはそこら辺からきている競技などのだというのも想像がつく。それで、小学生のときに聞いたエピソードで印象的だったのが、アテネ開催だったにも関わらず陸上競技で1つもメダルを獲得できてなかったギリシアが、最終日のマラソンで優勝したという話。

オリンピックの熱狂とか。
最終日のマラソン。自国のギリシアのランナーが競技場に入ってきたとき、国民は熱狂し、感極まったコンスタンチノス皇太子たち王族が一緒に走ってゴールしたという。東京に置き換えたら、皇太子殿下がランナーと並ばられてゴールなさったということになるのかな。それから、マラソンという競技がさらに注目されるようになり、プライオリティも高くなり、オリンピックでは必ず最終日に行われることになったという。それなのに、東京でのオリンピックといいながら、最終日のマラソンが、東京から遠く離れた違う場所でスタートしゴールして幕を閉じることに。その違和感は大きかった。この件については、純粋に近代五輪の物語を味わってきた人間が、残念だと嘆いてもいいだろうと思う。それを選手ファーストじゃないという観点だけで、一方的に攻撃するのは乱暴なように思う。

オリンピックの熱情とか。
逆に、それまで正式種目にカウントされるなんて考えも及ばなかったスケートボードやサーフィンといったものに期待する人間にとっては、新しいチャプターが始まった。思えば、ベルリン・オリンピックは、ヒトラーとナチスの大会だったし、モスクワ・オリンピックとロサンゼルス・オリンピックは、当時でいう東側と西側のボイコットの応酬だったし、アマチュアリズムの象徴だった時代もあれば、今ではプロ解禁でエンターテイメントな要素がより強くなっている。そして、まさかのコロナ禍。コロナ禍による延期宣言。とにかく。右往左往って言葉が、これほどしっくりくる日々はない。幸い、自分は、自国開催というところに興味はなく、オリンピックはじめいろいろな大会について、どこで開催されようとうも見たいときは見るし感情移入もするタイプ。

オリンピック、いよいよなのかな?
だから、浅田真央さんにとって最後のオリンピックになったソチも思い出深いし、中田英俊さんがキングだった自国開催の2002年のワールドカップも悪くはなかったが、キズだらけのマラドーナがそれでも決勝までいった1990年のイタリアワールドカップは最高に燃えた。そんな感じだ。今回は、個人的には、スケートボードが初の正式種目デビューということで、これまでにない感情が湧き上がってくるだろう。同時に、高倍率のチケット抽選に関係なく、誰もが沿道で唯一観戦できると思われていたマラソンと競歩が、ホーム開催ではないということに、何ともいえぬ感情が芽生えたままだ……。2019年のオリンピック・イブから、2020年も半分以上が過ぎて、2021年のオリンピックもあとわずかということで、また何度もメディアに登場するであろう、(いよいよ来年、東京にオリンピックがやってくる)、というフレーズ。実際に開催されるのならば、願うのは、最終日のマラソンを走る選手たちは良いコンディションで思いきり走れたらいい。スケートボードも盛り上がって、これからをリードしてくれる新しいスター(しかもきっと日本人の!)が誕生したらいいなということ。そして、コロナ禍だけでなく交通システムや熱中症や様々なトラブルなどがないことを願う。ただし、みんなのオリンピックと標榜しながら、たとえ東京都民だろうが、たとえより多くの人に知ってもらうためにオリンピックについて紹介する記事だろうが、商標登録だかされたために東京のオリンピックについて、●●オリンピックとかって書いてはいけないというアベコベな矛盾にちょっと嫌味を書いておきたくはなる。笑。37
(写真はVISAじゃなくてPIZZAだったリパブリックのストリート/2019年)

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