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交流のなかった人からの大事な一言

微かな記憶を拾って。

 
高校の時、文化祭でバントやったんですよ。モテたくて。

コピーしたのはGLAYさんの曲。
1998年のGLAYさんは、社会現象って言ってもいいんじゃないかってくらいの勢いあったんで、そりゃコピーしますわね。

ちなみに、ほかのバンドがコピーしてたのはハイスタ。ここからグワァーっとAIR JAM全盛期に入っていく頃です。

 
友達と「じゃあ文化祭でバンドやるか」となったとき、まずはパート分けですよ。
僕は中学校でベースやったことあったからベースが良かったんだけど、すでにベースパートは決まってると。
じゃ、あと空いてるのは何だ? となったら、ドラムしかなかったんですね。

ドラムなんてやったことないし、難しいに決まってるしで、んーーとはなりましたが、興味がなかったわけじゃない。
叩けるようになれば超絶カッコいいのはわかってる。
それにこの友達たちと一緒にやる、ってところに楽しさがあるから、じゃあドラムやるしかないなと。
ほんで、ドラムやりました。

まぁ、ドラムもベースもセンスなかったですね。楽器演奏に向いてない。
ただ、こう言っちゃなんだけど、文化祭当日「キャー!」と言う声援をもらう、そのためだけに頑張った節はあります。

 
んで当日。

 
盛り上がりました。

というか、"バンドをやる"、それだけで盛り上がるんです。
誰が出てきても「キャー!」となるんです。

ハッキリ言って僕のドラムは超ヘタクソですが、そんなのは結構関係ありません。
普段普通にしゃべってる同級生が、舞台の上で「何かを演奏してる」。これだけで女の子は「キャー!」と言ってくれるんです。

演奏が終わっても鳴り止まない声援。
いい気分。

 
「〇〇くんーー!!」
 
 
女の子たちは口々に舞台上にいる男子の名前を呼びます。

声援に応えるように、ギターやベースを弾いてた友達は、客席に向かってピックを投げます。
それでまた「キャー!」と盛り上がる客席。

テンションが上がってる僕も、彼らのマネしてドラムスティックを投げたんです。
 
 
そこから時は経ち。
いつのまにやら卒業間近。

卒業に向けていろいろな準備が進む中、僕らのクラスでは卒業文集が作られることになります。

みなさんのところでもあったんじゃないでしょうか、卒業文集。
生徒がオリジナルで作る、手作り感いっぱいのあれです。

「早く結婚しそうなランキング」
とか
「かわいい・かっこいいランキング」
みたいなのが載ってたりするやつね。

で、文集の中に、
「みんなから〇〇に向けてのメッセージ」
ってのがあったんですよ。
クラス全員が1人に対してメッセージを書いてるページが。

もちろん僕のページもあります。クラス全員からメッセージが届いてる。

超仲のいいやつ、そこそこ仲のよかったやつ。
ボケたコメントに嬉しいメッセージ。
中には2人にしか分からない思い出の単語を一言だけ書いてるやつ。

誰からの言葉も嬉しいもんですよね。自分に向けて書いてくれてる時点で、ニヤニヤしちゃう。

 
「わー、そんなことあったなー!」
「何書いてんだよコイツww」

ウキウキしながら、みんなのコメントを読んでいると、やがて、そんなに関わりのなかったゾーンに突入するんですよね。

仲が悪かったとかじゃなく、「この女子とはそんなに喋ったことないよな…」という関係性のゾーン。

そういう人は、オレに何を書いてくれてるんだろうと、気になりながら読み進めていくと……

クラスの中でも、かなり大人しめの女子からのメッセージに、ハッとさせられました。

同じクラスになって、一言、二言、いや、しゃべっことあったかな? という女子が、僕に向けて、
 
 
 
「ドラムスティック痛かったです」
 
 
 
って書いてたんです。
 
 
マジでごめんなさい!!

本当にありがとうございます!! 先にお礼を言っときます!