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剪画作品紹介

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剪画作品をご紹介します。
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2022年9月の記事一覧

Orange Jazz

Orange Jazz

ヒリストワ リディヤ 作 190×265mm
“Orange Jazz” by Lidiya Hristova

花や果物のように実際にあるものを描いた作品が並ぶ中で、唯一目では見えない「橙」を描いたのがこの作品です。黄緑色の紙を切り出して黄色い紙と合わせ、音のうねりを表現。そして手前で楽しげに動く人たちはジャズを演奏しているのでしょう。
 演じ手の姿を写実的な線で表現するのではなく、作者の感じ

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炎の中へ

炎の中へ

ミハイロワ ヨシカ 作 185×270mm
“Into the fire” by Yoshka Mihaylova

同じ火でも線香花火と対象的に、燃え盛っている火を描いた作品です。最近世界の各地で気候変動のため自然発火による火事が起きています。そんな火事を思わせるような激しい炎の手前に佇むカメレオン。そのオレンジ色を受けて体の色を変化させたのでしょうか?樹の黒いシルエットと、オレンジ色、グリー

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線香花火

線香花火

宮本 真理 作 305×215mm
“Senko-Hanabi - Sparklers” by Mari Miyamoto

橙色で、線香花火を思い出した方もいます。空に浮かぶ打ち上げ花火に比べると小さな火ですが、バチバチと音を立てながら始める線香火花は、確かにオレンジ色。日本の夏の風情です。
 宮本さんは台紙に紫がかった紺色を使い、切り抜いたところにオレンジ色の和紙を配しました。背景にはごく薄

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ガーベラ

ガーベラ

青山 政枝 作 242×272mm
“Gerberas” by Masae Aoyama

フラワーアレンジメントなどでも良く見かけるガーベラ。赤、ピンク、白、黄色、オレンジ…様々な色を見かけます。花びらの形も一重、八重、半八重、そして大輪に小輪と様々なバリエーションがあるそうです。
 青山さんが描いたのはもちろんオレンジのガーベラ。所々に黄色を入れてオレンジの鮮やかさを強調しています。花束を

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大きな花束(キバナコスモス)2

大きな花束(キバナコスモス)2

六郷 もと 作 280×420mm
“My Favorite Flower Bouquet (Orange Cosmos II)” by Moto Rokugo

「橙」展では多くの花の作品が出展されていますが、花の中で多かったのがキバナコスモスです。あたり一面をオレンジ色の花が覆う…という圧倒的な風景が多くの人々の心に深い印象を残しているのでしょう。
 六郷さんは、花々の彩色にオレンジ色だけ

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のうぜんかずら

のうぜんかずら

菅谷 順啓 作 242×272mm
“Trumpet Vine” by Jyunkei Sugaya

ギャラリーの脇にのうぜんかずらの花が咲いています。7月頃から咲いていたと思うのですが、まだ今でも花をつけていて、その鮮やかなオレンジと共に、鈴なりに咲いている花の生命力の強さに魅了されます。
 菅谷さんが描いたのはそんなのうぜんかずらの一房。この他にも黒い背景でこの花を描いた作品もあり、それ

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