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ドラマ『飯を喰らひて華と告ぐ』は、凝縮された12分の”笑える人間ドラマ”が堪能できます!

今クール、このたった12分の短いドラマがやけにシュールで面白いんですよね(笑)。ドラマ『飯を喰らひて華と告ぐ』。

主演の仲村トオル。めちゃくちゃ演技が上手いとかは思わないんですが(失礼!)、年齢を重ねるごとにどんどん味のある俳優になっていて、独特の存在感を確立していますよね。このドラマではコミカルな演技が光っています。

一見すると中華屋さんなのに、なんでも作れる凄腕の店主。お店に来たお客さんたちの悩みを瞬時に(勝手に)見抜いて「お客さん、あんたのことなら何でも分かるのさ」と自信満々。

そのお客さんに合った最高のクオリティの料理を提供するのに、実はその店主の言うこと全部ズレていて、その勘違いぶりがあまりにもぶっ飛びすぎなんです(笑)。

まったく”的はずれ”なアドバイスをしたり、意味不明な格言を言ったり。お客さんがどんなに否定してもおかまいなしの暴走ぶりが、毎回ハンパないんです。

営業じゃないサラリーマンに営業マンは笑顔が大事だと切々と説いたり、奥さんを亡くして元気がなかった頑固おやじのことは、余命いくばくもないと勝手に思い込んだり。

握手会(握る)が嫌でアイドルを辞めたかった女の子が、実はお寿司屋さんになりたいんだと勘違いしたり。髪の毛が立っている修学旅行生を”宇宙人”と勘違いして、地球人を代表して″おもてなし″したり…。

でもそんな店主の勘違いぶりに困惑したり、腹を立てたり、笑い出したりしたお客さんたちは、みんなお店に来たときよりも帰るときには少しだけ元気になっているという不思議。

第9話の、店主自身の番外編は最高傑作でした。同棲していた彼女が、そろそろ結婚を意識してほしいからとウェディング雑誌を目のつくところに置いてさりげなくアピール。でも店主の溜めた山積みのマンガ雑誌の上に置かれてしまい、女心がまったく伝わらない…。

ある朝「やっと分かったよ!」と店主が彼女を抱きしめ、とうとう想いが伝わったかと思ったら「溜まって放置していた雑誌のゴミを捨ててほしいということだよね!今日は資源ゴミの日だから捨ててくるよ!」と(笑)。

毎話毎話、店主の勘違いの内容が分かったときに思わず爆笑して、観ているこちらもそれで少し元気になれます。

毎回の格言も意味不明。「美きものにて事を成す」「天下人、早飯すらも口直し」「鬼に交わるふんどし賢者」「弱きヘチマも輪廻のごとし」「老いぼれ涙の萬治し」「天下の大罪、全ては空の腹にあり」「生姜の椅子さえ名人芸」「滴る己の旨き汁、知る術なきこと貝の憐れみ」「いざ出陣と、馬を背負う」…公式ホームページに意味が書いてあるので、ご興味ある方はぜひ(笑)。

時の流れと共に変わり行く東京。そんなビルが立ち並ぶ町の路地裏に、小さな町中華がある。そこにただ美味しい料理を作ることに命を懸ける男がいる。この店に来た客は、みんな口を揃えてこう言うよ。「なんか良かった」ってね。

ドラマ『飯を喰らひて華と告ぐ』より

こんなお店があったら私も行ってみたいものです!凝縮された12分の”笑える人間ドラマ”が堪能できるドラマ『飯を喰らひて華と告ぐ』。残りあとわずかですが、次なる店主の勘違いぶりが楽しみです。

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