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ドラマ『たそがれ優作』は、大人になったようで大人になりきれていない大人のための隠れた名作です

実はドラマ『たそがれ優作』が始まるのをネットの記事で見て楽しみにしていたのに、放送が「BSテレ東」だったのでついうっかりスタート時期を逃してしまいました…。

演技派の北村有起哉が主演ということで、面白くないわけがないということは確信していました。

北村さん、いつもひょうひょうとした佇まいながら、インテリ役に渋めの役、悪役からコミカルな役まで…どんな役でも演じ分ける見事な演技力ですよね。そしていつまでもスッとしていてスタイルがキープできているのもすごいなーと思います。

「Amazonプライム」のCMで、奥さまの高野志穂と夫婦共演して恥ずかしそうに手をつないでいたのがとても印象に残っています。実生活でもきっと仲の良い素敵なご夫婦なんだろうなーと感じました。北村さん、穏やかで優しそうな方ですもんね!

今回の役どころ北見優作は、どんな役でもそつなく演じきる名バイプレーヤー。ご本人と重なるところもあったりで、脇役としていろんな役を演じているシーンもこのドラマの目玉の一つになっています。

顔は何度もドラマなどで観たことがあるのに、ご本人の名前がなかなか出てこない(失礼!)バイプレーヤーさんたちが結構いらっしゃいますよね?あんな感じが優作です。

皆さんご存知の通り、北村さんは優作よりは十分売れている方です。優作レベルの俳優さんたちもこんな感じで淡々と一つ一つ仕事をこなされているのかなー?と、あれこれ想像しながら観るのもまた楽しいものだったりします。

結局第3話からしっかり録画して観ているのですが、これは酸いも甘いも噛み分けた(であろうはずの?)大人向けのドラマです。"グルメもの"としても、美味しそうなお店が毎回出てくるので行ってみたくなりますよ。「飲みたくなる」という表現の方が正しいかもしれませんが(笑)。

バイプレーヤーとして演じている優作は誠実でマジメな役者ですが、ひとたび仕事が終われば飲むのが大好きな50過ぎのバツイチ男(しかも、かなりの女好き)。

近所の小学生の女の子(笑)、別れた奥さん、行きつけのバーのママ。ゲストの女性たち…。

いろんな女性たちに"ダメ出し"をされる優作がとても愛しく感じます。

人間年齢を重ねていくと"ダメ出し"される機会がどんどん少なくなっていくものですよね。気がつけば自分より年下の人たちとの人間関係が中心になり、自分が上の立場になっていくので当然のことかもしれません。

でも優作は50過ぎにしてまだまだ惑い、女性たちに″ダメ出し″されてしっかり凹む(笑)。仕事をきちんと丁寧にこなす優作とのギャップが萌えます。情けな~い表情の優作はキュンとします。

第5話ではクセ強めの”大酒飲み”の若い女性記者との楽しい飲みのはずが、途中から別なお客さんに持っていかれ…。その女性記者は結局三人のサラリーマンをベロベロにさせた挙げ句、酔ったフリして飲み代は全額優作が…。

行きつけのバーのママに「何たそがれてんの?」と突っ込まれ。「タイミングって難しいと思ってさ…」と、例の女性記者の話を。「そろそろ帰ろうかってときに、ふいにグッときちゃって。もう一軒ちゃんと誘えば良かったかなぁ?」と後悔している優作にいつものごとくママの"ダメ出し"。頭を抱える優作…。毎回こんな感じです。

"たそがれ世代"の方には特に、若い世代の方にはこれからの勉強のために(笑)『たそがれ優作』は、大人になったようで大人になりきれていない大人のための隠れた名作ドラマです。

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