たのしい印刷のすすめ for CreativeCoder
この記事は、「Processing Advent Calendar 2022」10日目の記事です。
自己紹介
こんにちは。センバク(@senbaku)です。
OpenProcessing →https://openprocessing.org/user/207560/
twitter→https://twitter.com/senbaku
どもども、皆さん、おせわになっております👻
スター・ウォーズマニアで、本と珈琲を愛しています。
子供の頃から絵を描くのが大好きです。processing以前は、IllustratorやPhotoshop、あるいはアクリルガッシュで絵を描いていました。学生時代はずっと文系専攻でした。
(落書き用tumblr→https://senbaku.tumblr.com/)
2019年のクリスマスイブにprocessingに出会いました。processing歴3年目です。アドベントカレンダーも3回目です。どうぞよろしくおねがいします。
↓2020年、2021年の記事はこちら。
はじめに
なんといっても私の今年のハイライトは、クリエイティブコーディング日記本とグッズを作ったことです。そしてそれらを持参して同人誌即売イベントの一つ、コミティア(https://www.comitia.co.jp/)に参加したことです。
書道作品を制作する友人とスペースを半分個する形で参加しました。
クリエイティブコーディング作品を使って、昨年もいろいろ作って来ましたが、今年はとうとう本を作りました 🥳
(↑ツイートでは左半分、と書いてしまいましたが、右半分がわたしです!)
学生時代はずっと美術部や漫研に所属していたので、本やグッズを作る文化、そしてイベントに参加する文化には馴染みがありました(とはいえ自分では作っていなかったのですが)。
しかし、馴染みがあるのはもしかしたらそういうところに生息していた人間だけかもしれない…クリエイティブコーディングの人たちにももっと気軽に作品をきれいに印刷したり、グッズや本を作って欲しい!と思い、印刷のススメ記事を描くことにしました!
自分で試したことがあるものを中心に紹介しているので、独断と偏見おすすめです。こんなのもあるよ!というのがありましたら教えて下さい!
便利箱 🛠️
まずはコーディング作品を印刷してもらう際の、入稿データを作るための便利な仲間たちを紹介します。
必要なスケッチのサイズを計算したい
pixel⇔mm⇔dpi 計算機
入稿する際 ”〇〇dpi以上” のようなサイズ指定が書いてあることがほとんどですが、それって何pxのことですか…となりますよね。こちらのサイトが便利でした。
イラストレーターで編集したい、ベクターデータがほしい。
p5.js-svg(ライブラリ)
このライブラリを使うと、p5.jsの作品をSVG出力できます。
SVG形式は、イラストレーター(やその代替ソフト)で編集できます
以下の記事でp5.js-svgの使い方を紹介しています。
やっぱり必要…?
印刷会社では、Adobe社ソフト、特にPhotoshopかIllustratorの形式で入稿データを提出する必要があることが多いです。入稿方法は要確認です。 Photoshop、Illustratorの代替ソフトも色々あるので、持っていない方は探してみてください。(私は今回の本の入稿のために、InDesignとAcrobatReaderの体験版を使って、マッハで本を書き上げました…!!)
🥚入門編
まずはお家でできたり、特別なデータを作る必要のない、簡単なものを紹介します。
いつもと違う紙に印刷する
プリンターの紙を、いつものものと変えてみるのはいかがでしょうか。
たとえば透明なOHP紙に印刷してみると新鮮です。窓際に飾りたい✨
厚紙やクラフト紙、わら半紙など、いろいろな紙で印刷してみると面白いです。
画像が残っていないのですが、写真をわら半紙に印刷して、切り抜いてコラージュした事があり、面白かったです。多分ジェネラティブ作品でやってもおもしろい表現になると思う。
印刷したものに絵の具などで加筆するのも楽しいと思います。インクジェット印刷ではそのままだと耐水性がないので、フィキサチーフのスプレーを吹いて保護してあげてから描くといいと思います。
パネルに貼る。
プリントした作品を、木製のパネルに貼ると、グッと作品として引き立ちます。厚みが出るので、飾りやすくなります。
参考:
参考にした記事ではデコパージュ用ののりを使用していますが、木工ボンドを使って貼っても大丈夫でした。
画像をアップロードするだけでかんたんにグッズが作成、販売できるサービス
画像をアップロードするだけ。ちょうかんたん。販売することもできるし、在庫も持たなくて良い。すごいですよね。
suzuri(https://suzuri.jp/)
ファッションアイテムを中心に、いろいろなグッズが作れます。
身につけるものが簡単に作れるのがいいですね。
pixiv factory(https://factory.pixiv.net/)
わたしは利用したことがないのですが、suzuriと似たサービスのようです。グッズのラインナップが多彩です。傘とかも作れる!
フォトブック
手軽に作品集が作れます。一冊だけ!とか少量つくるのにとてもいいです。
文庫サイズのフォトブックが作れる、bunkoがお気に入りです。
🐣中級編
印刷屋さんで印刷してもらうものを紹介します。作ってもらいたいものに合わせて、入稿方法をよく確認して、データを作る必要があります。
便利箱で紹介したツールが役に立つかもしれない!
pixel⇔mm⇔dpi 計算機 (https://shimeken.com/print/pixel-mm-dpi)
p5.js-svg(ライブラリ)(https://github.com/zenozeng/p5.js-svg)
印刷屋さんを利用するときは、紙や布の印刷見本を取り寄せると、仕上がりもイメージしやすくいいと思います!リンクを添付した印刷会社は、あくまでも例なので、いろいろ探してみてくださいね。
印刷所、同人印刷所
同人活動をしなくても、作った画像を、何かにしたいと思ったら、”同人印刷”で検索してみると面白いかもしれません。印刷会社がいっぱい出てきます!
本や、グッズ、いろいろなものが印刷してもらえます。
小ロットでの制作もできることが多いです(印刷する個数が多いほど単価が安くなります)。それぞれ印刷会社さんで得意なものがあったり違いがあるので、見比べてみるといいと思います。漫画とかイラストを描いていなくても、利用して大丈夫です!
アートプリントや、マスキングテープ、ポスターやポストカードなどは、手を出しやすいのではないでしょうか。アクリルキーホルダー、ステッカーやマウスパッド、トランプ…なんやらいろいろできそうです。
今年コミティアの際に作った本は、graphic(https://www.graphic.jp/)で印刷してもらいました。文庫サイズが好きなので、文庫サイズで作りました。90ページフルカラー。同人活動に詳しい友人曰く、どうやら本は8ページとかでも作れるらしく、もっと気軽にバンバン作っていいもののようです!
みんな!バンバン作ろう!8ページだったらあっという間だよ。
ジークレー印刷
デジタルデータをきれいに印刷してくれる印刷手法のようです。
大判のプリントもできるようなので、作品を展示する際などによさそう。
リソグラフ印刷
↑のポストカードは、レトロ印刷(https://retroinsatsu.com/)で印刷してもらいました。
ポストカードやZINEの制作に。
“版ズレや、色ムラ、かすれがランダムに生じる” 印刷手法で、ジェネラティブ作品にもう1つランダム要素を掛け合わせることができます。
p5.jsでリソグラフの版データを制作するためのライブラリもあります。
p5.riso(ライブラリ)
リソグラフ印刷に適したファイルを生成するためのライブラリです。
以前リソグラフ印刷でポストカードを作ったときに書いた記事 ↓
活版印刷
印刷されたところが少し凹むのが特徴。
以前NUMさん(@num_kt_1220)がやっていらっしゃってとても素敵だった活版印刷。作品と相まって、静かな美しさについため息が出ます。素敵…。
名刺サイズであれば取り扱っている印刷会社もいくつかある様子。
布
Tazn Nishimuraさんに教えていただきました。布に印刷できる!
裁縫ができるなら、布からいろいろなものが作れそうです。いろいろな種類の生地に印刷できます。ジェネラティブアート、布と相性がいいように思うので、いろいろ実験してみるのも面白そうです。
風呂敷を作ったときの記事 ↓
キーボードのキーキャップに印刷
先日見つけました。ジェネラティブキーボード、ぜひ作ってみたい…!クリエイティブコーダーの相棒、キーボード。ここにオリジナル印刷ができるなんて思っても見なかった。夢があります✨
🐓挑戦編
ちょっと特殊ですがワクワクする印刷方法を紹介します!
シルクスクリーン印刷
印刷したい部分だけがインクを通すようにした、布を用いた版を使います。版の上からインクを押し付け、印刷します。お家で服や紙などに印刷できます。何枚も版を作って重ねれば、多色刷りもできます。また、スクリーンの目が細かいほど、細かい表現ができます(でもあまり細かい線は得意ではない印象です)。
版を作るためには製版機が必要となります。
版を作る手段
Tシャツくんなどの製版機を買ってつかう。
ダンボールとブラックライトなどで自作する
(シルクスクリーン 感光機 自作 などで検索。 わたしは以前、↓下記のtogetterを見てダンボールと魚用ライトで自作しましたが、うまくできました。自作楽しい。)
Tシャツくんや自作感光機を使う場合、暗室環境が必要になるので、水道と、真っ暗にできる部屋と、暗室用セーフライトが必要です。私は、セーフライトは持っていないので、電灯の光がもれないように赤セロファンを何枚か貼り付けることで代用しています。なんとかなっています。
製版サービスを利用する。
データを送って、版を作ってもらうことができます。
自宅で製版すると思いついたらすぐできるのがいいところですが、製版サービスを利用すると、届くまでの日数がかかるものの、製版機の購入や暗室作業が必要ないのがメリットです。
SURIMACCA-遊びからはじめるシルクスクリーン
Tシャツくんシルクスクリーン製版サービス
ペンプロッター
Jeff(@ippsketch)さんにいただいた、ペンプロッターで印刷されたポストカード。とっても素敵です。
ペンプロッターはクリエイティブコーダーのための機械と言っても過言ではないくらい、相性抜群です。twitter で #penplotter #plottertwitter で検索すると幸せな気分になります。わくわくします!
ペンプロッターも頑張れば自作ができます!自作も楽しそうですね。(INSTRUCTABLESで“plotter”検索)
機械は迷ったらAxidrawが良さそうです。高いのと在庫切れでなかなか手に入らないですが、評判がいいです。
レーザーカッター
アクリルや紙、木など様々な素材をカット、彫刻できる機械。Fabスペースによくあります。家庭用もある様子です。ネコの心配がなかったら欲しかった…。
ファブスペースは探すといろいろなところにありそうです。覗いてみるのもたのしいかも。いろいろな、ものが作れる道具や、知識を持った人がいます。
FabLab Japan Network
FabCafe Tokyo
Makers' Base
カインズ工房
スケボーにレーザーカッターでジェネラティブ柄を刻印したいな〜、とずっと思っています。
🐟その他
ネットプリント、データをプリンターで印刷してもらう!
Ayliean(@Ayliean)さんのこの小さい本、めっちゃワクワクして素敵です。
折本、ってご存知ですか?子供の頃に作ったことがある人もいるのでは。一枚の紙を少し切って、折って、本にできます。
データを作ってダウンロードしてもらうのもいいですし、ネットプリントを利用してコンビニで印刷してもらうのもできますね。
ちょっとした本/雑誌/zine、を届けるのに、とても気楽で面白い手段ですね!
おわりに
印刷、どうですか、面白そうじゃないですか?
みなさんがこの記事を見て、ちょっとでも本作ってみようかな、とか作品を印刷して飾ってみようかなという気持ちになったら嬉しいです。
いつものキャンバスじゃない、印刷を考慮したフォーマットで作品を作る、ということは、とても刺激になります。そして作品を身につけたり、生活の中でちらりと目に入るのもとってもいいものです。
壁に飾るならこの作品が素敵かな、布にしたときに映えるものはこういうのかしらん、ペンプロッターだったらこういう作品にこのペンがいいかな、本にするなら添える文章はどうしようか…、と、試行錯誤することは、毎日のコーディングでは使わない脳の部分をすこし使います。ワクワクするかもしれません!
ではでは、Happy Coding and Happy Printing~🥳
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?