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資金調達結果の報告

本当は出国前に完了させたかったのだが、最後の週は出国準備や引越し手続きなどで時間を取る事が出来なかった。

それに加えロサンゼルス国際空港に到着してからは、出国前日の不眠や時差ボケの影響から体調が優れず、全く書く気になれなかった。

その後アルゼンチンに到着するも予約していたエアビが女性専用だったらしく入居拒否。連邦政府庁舎前の芝生にて野宿仕掛けるという初日からちょっとしたハプニングに見舞われた。ちなみに時刻は深夜2時、両手にはスーツケース。

そこから2週間経ち、落ち着いた今ようやく記す事ができている。



結果報告


活動期間:約2ヶ月
目標金額:100万円
狙い  :① どのような価値・動作に対してお金が動くのかを知る。
     ②自分という人間の市場価値を知る。
     ③予想外を愛す。

調達金額:61万5000円
調達人数:53人

目標達成率:61.5%


残念ながら100万円には到達しなかった。


今回は、「なぜ目標に到達しなかったのか」という事について、自分が考えた反省を記したいと思う。



ここで一旦、本題に入る前に今回協力してくれた全ての人に感謝を述べたい。

有益な情報から応援メッセージまで、本当に有難う。


そして、今回協賛してくれた53人の方には格別の感謝を伝えたい。どんな理由であれ、何者でもない私の価値を評価して頂いた事。そんなつもりはないと言われたとしても、必然的に数千倍の恩を返すことになると思うので、この先もぜひ長く健康に生きて欲しい。


4つの主な失敗要因


「失敗」という言葉を使ってしまうと今回頂いた人間の温かさをひどく無機質なものにしてしまう懸念もあったが、敢えて今回は定量化できる観点に着眼を置き、極めて簡単に振り返りたい。


失敗要因①「ルートの選定ミス」

最初に、私が最大の失敗要因だと考えている「ルートの選定ミス」を挙げる。その後に続く3つの要因は、ルートの選定が正しくなかったことによって引き起こされた失敗だと捉えていただきたい。

【資金を引き出す為の正規ルート】
1,アイディアの言語化と可視化
   ↓
2,有識者(VCや起業家)の知見を踏まえアイディアを洗練していく
   ↓
3,資料・プレゼン完成版作成
   ↓
4,アポ取り
   ↓
5,ピッチ(実戦)
→実戦を積み重ねていくなかで都度訂正を加え、磨き上げる。

*アイディアの言語化=サッカー追求とビジネス成功の関連性
*可視化=資料への落とし込み+表現力

調達対象が何れにせよ、上記のルートを踏まなければいけなかった。しかし私は、いきなりピッチをしてみたり、アイディアの言語化が薄い状態で有識者の知見を求めたり、行動選択が非常に乱雑であった。

実践を繰り返す中でPDCAを加速させ、レベルを上げていきたかったのだが、本来立ち返るべき先の「アイディアの言語化と可視化」が存在しないに等しかった為、迷走してしまった(失敗要因③「緩慢なPDCA回転」より)。

「ルートの選定ミス」というよりは「アイディアの言語化と可視化を怠った」の方が正しいかもしれない。いや間違いなく正しい。


失敗要因②「対象の分散によるリソースの分散」

今回私は、資金の引き出し先として以下4つの候補
1,個人
2,企業
3,投資家
4,政府
を挙げていた

今回の調達結果は記述の通り、個人からの出資61万円のみで、他3つからの出資は0円である。

もし全てのリソースを「個人」のみに賭けていたら、より多くの金額が集まったに違いない。もしくは、最初から「投資家」のみに絞っていたら、人数は1人だとしてもより大きな額の出資を得れたかもしれない。

対象の分散は迷いを生じさせ、攻めの深みを失い、引き際を曖昧にした。行動欲と行動力を低下させた。

何かを成す上で深みは絶対条件であり、深みなき幅に価値はない。

これは大きな反省である。


失敗要因③「緩慢なPDCA回転」

失敗やエラーが起きた後の初速が非常に遅かった。

私は、初速の遅さを引き起こした要因が3つあると考えている。

1,イシュー見極めの質が低い

失敗を引き起こした要素のうち、何処にテコ入れをする事で最も大きな改善を見込めるのか。的確に見極める事ができなかった。
さらに今回はその質が、より低くなってしまった。その理由は”感情の侵食”にある

2,感情の侵食

上記のイシュー見極めを司るのは、主に大脳新皮質(理性脳)の部分。いわば思考である。
残念ながら人間は、失敗をすると不安や焦りといった感情が主に大脳辺縁系(情動脳)から生まれ、理性脳を侵食していく。侵食がある一定の領域を超えると、理性はほぼ機能しなくなる。

私は最後、その状態に陥ってしまった。

ではなぜ感情の侵食を許してしまったのか。それは、立ち返る場所の不在を原因としている。

3,立ち返る場所の不在

正に今回の肝であったアイディアの言語化と可視化がなかった故に、失敗した行動の対照先がわからず、思考の迷走が起こり、結果的に感情の侵食を許してしまった。

確かに今回は行動優位の元、手探りで型を探す事を意図的に選んだのだが、そのデメリットを大きく受ける形になってしまった。

”これさえあれば50~70点は取れる”といったいわばの存在が必要で、その型こそアイディアの言語化と可視化であった。

型は感情の濾過装置だと私は考える。

上記3つの要因が緩慢なPDCAサイクルを導き、計画の失敗につながった。


失敗要因④「行動量不足」

私が今回配ったビラは、たった100枚ほどである。勿論コピー代が収益を上回ったら元も子もないが、配布料は圧倒的に足りなかった。

また
・ポストに投函する
・キャンパスの入り口で配る
・渋谷駅の前でアイドルに混じって配る
など、量だけでなく方法ももっとあったはずだ。

ビラだけでなく、企業アプローチはほぼ無いに等しかったし、ピッチの数もたかがしれている。noteの継続もそう。

非常にシンプルであるが、今回失敗した事の大きな要因の一つだ。

行動量不足を計画失敗の最大要因に挙げても良かったのだが、今回は「生産性の観点」で評価を付ける事にした為この位置付けに。


まとめ

・「ルートの選定ミス(アイディアの言語化と可視化の怠り)」
 ・「対象の分散によるリソースの分散」
 ・「緩慢なPDCA回転」
 ・「行動量不足」

=マクロ・ミクロレベル共にイシューの見極め能力が低かった。

という結論に今回は導いた。

しかし先にも述べたように、この解は生産性の観点をもとに導き出したものである。


結局の所、脱ぐ事ができなかっただけとも言える。

「もっとこうすれば良い」と分かっていても、行動に移す事ができなくなっていった。

何者でも無い自分を売る事に対し、曰く言い難い恐怖感が日々募っていった。

アイディアの可視化を怠ったのも、自尊心の完全喪失を無意識に避けていたからなのかもしれない。

またどこかで、「言語化できてたまるか」という誇りに近い見栄が根底にあったからかもしれない。

同時に見栄に近い誇りでもある。


決して達観に信頼を置きすぎてはいけない。


1年を振り返って


酷い1年だった。

自尊心は地の底に落ち、7月以降、暗闇の中を彷徨う日々がただひたすらに続いた。

視界の配色には必ず灰色が混ざっていた。

昨年ほどこの性格と過去の歩みを憂いた1年はない。

本当に醜い1年だった。


素晴らしい1年だった。

素晴らしい出会いがあり、学びがあり、世界の幅と深みに魅了され続けた。

視界には常に微かな虹がかかっていた。

昨年ほどこの性格と過去の歩みを誇った1年はない。

本当に美しい1年だった。



「感性」ほど文脈によって優劣を左右されるものはないという事を知った。


どう足掻いても他者の真髄を理解できないという事を知った。


昔から予感はしていたが、遂に現代人間社会の循環速度に追いつけなくなる時が来てしまった。


そこには途方も無い哀しみを感じる。


しかし私は、自分にしかない時間と空間の中で、縦横斜めどこへでも自由に思考の矛先を向ける事が出来る。


そこには計り知れない尊さを感じる。



アルゼンチに来て2週間が経つ。


出国前の3ヶ月、ほぼ身体を動かしていなかった私は、リハビリのような形で当時の感覚を取り戻すよう努めている。

取り戻さなくてはならないのは身体感覚だけではない。


私はこの異国の地で、闘わなくてはいけない。昨年から約1年程闘いから離れている私は、悔しさの醸成方法や、牙の出し方をすっかり見失ってしまった。


脳の、心の奥底にある生物本能を司る箇所に再び刺激を与え、蘇らせなくてはならない。


そして何より、思考のベクトルを再びフットボールに向けなくてはいけない。


向こう数ヶ月は、これらの感覚を取り戻す事に時と労力を割かなくてはいけなくなるだろう。


それらは思っていたよりも難しく、大きな疑心を伴う。


しかしそれでも、歩み続けたい。



もがき苦しみ、それでも与えられた生に誇りを持って、闘い続けていきたい。


自尊心を取り戻す為に。

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