私の絶望が小説になっていて 【読了】 猫狩り族の長
共感の嵐が吹いた小説を紹介します。
『猫狩り族の長』麻枝 准
間違いなく、今年1番笑った小説でした。
十郎丸の死にたい理由が、私の死にたかった理由とあまりにも似ていて、似すぎていて「そうそう、そういうこと!」と、共感の嵐が吹き荒れて、読み進めながらずっと笑っていました。からの号泣。私はこの物語に救われました。私だけじゃないのだと、そう思えました。
死という希望
時椿の世界は私の周りが見ている世界みたいで。皆が教えてくれる世界を私は思い描くことも出来ない。そんな世界があるらしいと頭で理解することしか出来ない。普通の幸せを望むことすら許されていないように感じていました。生きている世界が違うのだから...と。
だから私は、死ぬためにだけ生きてました。それすら辛いから''私''を終わらせることを選ぼうとしてました。そう自分に言い聞かせていました。きっと本当は幸せを求めていて、安心を誰よりも求めていたのに、その気持ちには蓋をしていました。ずっと私にとって死は希望でした。絶望が深まる度に希望に近づこうとしました。一瞬でも確実な安心を求めていました。
2021-03-23
その暗い世界で、もう本当に無理と思った時に「なにをして欲しい?」と聞いてもらえました。真剣に考えて沈黙した後『1人にしないで欲しい』そう言うことが出来ました。どうせ無理だろうから最期に言ってもいいか。みたいな感じだったと思います。
でも、その日から私は1人じゃなくなりました。本当の安心を知りました。
安心して休めることの幸せを知りました。あの時の経験が今も私を支えてくれています。私にとっての時椿に出会いました。
今は以前とは別の意味で毎朝頭に浮かべています。
おはよう、世界
Sena.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?