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財務や会計から遠い人こそ読むべきド定番 『ざっくり分かるファイナンス~経営センスを磨くための財務~』

またまた Prime Reading からです。なんだかすみません。だってね、せっかくプライム会員ですから、使わない手はありません。プライム(アンリミテッドも)って、当然ながら、読みたいと思っていた本は出てきません。

そりゃそうです、買ってほしいものね。

あと、ド定番本もなかなか出てきません。そりゃそうです、定番なんだからほっといても売れるものね。

なので、本書のようなベストセラーにもなったド定番本が出ているのを見かけると嬉しい。思わずダウンロードしちゃう。

この本、私は所有しているはずで、書棚を探せばきっと出てくるはずなのですが、ついついKindleで読み始めてしまった。

随分ひさしぶりに読んだけど、以前の読書以降に経験した事なども踏まえて読むことで、新たに知識が整理されるようなこともあったので、てとても良い勉強になりました。

『ざっくり分かるファイナンス~経営センスを磨くための財務~』
(石野 雄一)

本書、ベストセラーで気になっていたけど、会計や経理部門の方向けの本だと知らんぷりしていた方も多いと思うのですが、本書、どちらかというと、会計から遠い人にこそ読んでもらいたい1冊です。

なぜか、それは、ファイナンスの知識は、会社がどういう仕組で意思決定をしているのか、経営者やその先にいる投資家が、会社にどのような期待をしているのか、ひいては従業員にどのような期待をしているのかを理解するツールになるから。

会社からの指示を一つとっても、それがどういった動機で出された指示なのか、その背景がすっと浮かぶようになる為には、やはり管理会計や財務の知識は欠かせない。

本書はその為に初学者が知るべきトピックを網羅している(私も専門外なので偉そうな事は言えないけど)し、ひとまず専門外のビジネスマンが知っておくべき知識が必要十分に説明されている。

初心者向けなので、まず、ファイナンス(財務)とは何かから。

ここで、ファイナンスのことはまったく分からない、という方のためにお話ししておくと、ファイナンスとは、ひと言でいうと、「企業価値の最大化」をはかるための意思決定に役立つツール(道具)。その意思決定には、投資・資金調達、配当の三つがあります。いずれも企業の将来を見据えた上で行われるものです。

企業価値の最大化は、株主や債権者にとっての価値最大化であることを意識しつつ。

要するにファイナンスとは、投資に関する意思決定(投資の決定)と、その投資に必要な資金調達に関する意思決定(資金の調達)と、そして運用して得たお金をどう配分するかという意思決定(配当政策)、これら三つの意思決定に関わるもの、ということです。

と、整理される。

そして、最初に「会計」と「ファイナンス」の違いに、しっかりページを割いているところが優しい。

会計は「財務会計」と「管理会計」に分かれるが(経験上、これを理解できていない方は多い)、そのうち財務会計の三表の概要などにも触れつつ、必要な前提知識を駆け足で整理してくれる。ここを読むだけでも元が取れる。

その後は、ファイナンスパートがガッツリ続き、新聞や経済誌で耳にするようなトピックの説明が行われていく。

本書は「ざっくり」ではあるけのだけど、決して「やさしい」わけではないので、それなりに前提知識が無いとさらりとは読めないかもしれない。でも、ビジネスマンなら頑張ってでも読む価値はあると思う。

本書を読むことで、財務分野で実務をされる方には知識の整理として、それ以外の方々には、会社というものを理解するための便利ツールとしての知識を得る事が出来るでしょう。今更ながらおすすめ。


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