【書評】 ビールを飲みすぎて痛風になったら『ビールを飲んで痛風を治す!』
ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。39冊目。
ビールと言えば、尿酸値に課題を抱える方や、痛風経験者にとっては不倶戴天の敵というのが定説。だのに、ビールを飲んで治せだなんて。
本書では、医師である著者が、痛風に罹患したことをきっかけにあれこれと試し、ビールを飲み続けるのが一番の予防法だと結論付けている。(えっ!?)
ビールには利尿作用があり、飲めば飲むほどおしっこが出るので、おしっこと一緒に尿酸も体外に排出されるという機序だ。(えっ!?)
この発見をした著者は、以来、予防のために20年間毎晩ビールを3リットル飲み続けており痛風知らずだ。(えっ!?)
この本を読み学べる事はいくつかある。まず、当たり前だが、痛風はとても痛いということ。
とても痛い。痛かった。
並の痛さではない。ハイペリオンのシュライクみたいな結晶が関節に溜まるんだから痛くないわけがない。風が吹きつけても激痛が走るから「痛風」だ。
(Google画像検索で「尿酸結晶」を調べるとゾッとする)
もう一つ、痛風とその治療について、とても詳しくなれる。
さすが医師が書いているだけあって、痛風の基礎知識や治療方法についてしっかりページが割かれており、とても勉強になる。新しい本ではないので、もしかしたら一部の情報が古いかもしれないが、大きくは外していないだろう。
最後にもう一つ。痛風発作の防ぎ方についても詳しくなれる。
タイトルからしてトンデモ本のようだが、書かれている事はまともだったりする。ビールだけを怖がるのではなく、食生活全般に気をつけながら、水分をよくとり、バランスの良い食生活を心がけるように、という事が推奨される。えっ、普通。
水分をしっかりとり尿酸をおしっこから出す(ビールだって水分だし、なにより利尿作用も抜群だ)、節制した食生活で体調管理を行う。あたりまえのことを守ることで痛風も生活習慣病も予防が出来る。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず。
病院で渡される冊子では、入院中の病人のような(病人だけど)生活を心がけないと痛風発作を繰り返しながら全身の関節が曲がりのたうち回って死ぬ、といったことが書かれおり、水と豆と葉っぱだけ食べろと脅される。だが、ちゃんと尿酸のコントロール方法を知り実践できれば、食生活を犠牲にせずとも予防が可能である。
私は、ビールではなくて、水分を良くとることで予防に努めたいと思う。
「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。