【書評】 火災と消火にかかわる知識を科学的に解説した 『消火戦術理論 THEORY for FIRE TACTICS』
ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。370冊目。
火災から私達の命や財産を守ってくれる消防官達に向けた、消火活動に関わる理論を整理したムック本です。
何故ワタシが読んでいるのか。それはもう、知らない世界の話が面白そうだったから、としか言えません。
本書では、現場のプロに向け、火災を知り尽くすため、炎、煙、熱、気体、気圧などの関係を科学的に解説しつつ、それらをいかに御するか、きめ細やかに解説されている。
読んでみてわかったのだけど、いざある程度の規模の火災となったら、素人には何も出来ないということだ。もう、一切手のうちようがない。全て消防官に任せるしかない。焚き火よりも火が大きくなったら、もう我々では知識面でも技術面でも装備面でも、すべての面で手に負えない。
なにせ、室内火災における炎や煙、熱の特性は、なんとなく私達がアタマで考えていたものと全く違っているのだ。こんなの太刀打ちできるわけがない。超怖いよ。火。
よく「なにぃ、火災現場に人が残っているだと! よーし助けに行くぜ」と、アタマから水をかぶって燃え盛る建物に突撃していく、なんてシーンがあるけど、あんな事をしたら突入直後に死んでしまう。考えられう死因は無数にある。それくらい危ないし無謀。やめたほうがいい。
もし建物に人が残っているなら、一秒でも早く消防車が到着するよう努力をするのがベストな行動だ。超怖いよ火。火怖いよ。
フィクションで火災を扱うようなときに、この本を読んで参考にするとリアリティが出るのではないかしら。
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