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『NHK出版 学びのきほん はみだしの人類学: ともに生きる方法』(松村圭一郎)

ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。420冊目。

私の読書は、日頃から投機的な読書ですと言っている位なので、何も考えず好き勝手に面白そうな本を選んで読んでいるだけという意識です。

特にテーマや目指す先があるわけでもないので。

そんな私の読書の記録(このnote)を読んでくれたかたから「人類学」と「食べ物」が好きなんですねといわれ「好きな本の分野」にそれっぽい傾向があるのかと面白く感じました。

食べ物と飲み物の本が多いのは気がついていたけど、人類学は全然気にしていなかったな。

人類学って何だろうと思いWikipediaで調べてみたら、人類全般の全てを指していて、扱っている範囲が多岐にわたっていて奥深い。

og:imageがパイオニア探査機の絵でアレなのはご愛嬌

で、ざっと全体像をみてみたところ、きっと文化人類学という分野を面白がっているのだろうなと自覚する。

そこで、先日読んだ『うしろめたさの人類学』がとてもおもしろかったので、同じ著者の『NHK出版 学びのきほん はみだしの人類学: ともに生きる方法』を買って読んでみた。

(同じ著者で『文化人類学 (ブックガイドシリーズ 基本の30冊)』という本があったのだけど、本気でこの分野を追いかける勇気はまだ無いので……)

本書のテーマは「つながり」「はみだし」というキーワードを使い、ユニークな角度から文化人類学の「きほん」を知ろうというもの。

何故人類にはこれほど多様な文化があるのか? その差異はどのように生じたのか? 異なる他者とどう関係を築けばよいのか?(P5)

様々な差異にあふれた「わたし」や「わたしたち」がともに生き「異文化」と向き合いともに生きるための方法を紹介する。

理論構成が構造化されていないので、しっかり理解しようと思うとあっちこっちに線を引きながら、ページを行ったり来たりする必要があって大変な本なのだけど、1章の問題提起が特に4章に繋がっていくところが理解できると、何ともいえない不思議な感動があるので是非読んでみて下さい。面白い学問だなぁと。

1章のサイードの『オリエンタリズム』による人類学への批判や、フレドリック・バルドの『エスニック・バウンダリー論』の話が面白くてあれこれこのnoteに書いていたのだけど、引用が多くなりすぎてしまったので削除。この1章(と4章)を熟読するだけでも価値があると思うので、ぜひ手にとって見て下さい。

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