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また谷崎を一周したくなる名テキスト『NHK 100分 de 名著 谷崎潤一郎スペシャル』

昨日『春琴抄』ご紹介したのは、読書会のテーマだったから(今回、春琴抄を推薦したのは私なのですが)という事情もありました。

その読書会は毎月なにかしら課題図書を決めて開催されておりまして、その段取りを相談するFacebookページで、どなたかが「今月の100分は谷崎だ!」とシェアしていたのを見たその瞬間からずっときになりつづけ、読書会が終わったら舐め回してやる! と思ってたのが本テキスト。

ちなみに、この読書会がおんもしろくて、前回は中島らもの『今夜、すべてのバーで』を読み、次回はジョージ・オーウェルの『1984年』です。この間に谷崎潤一郎の『春琴抄』が入ってくるあたりセンス抜群。自画自賛。

今日のテキストは、当初の意気込み通り、実際に舐め回すように読んでみましたが、これはもうご褒美ですね、気取らない谷崎評で大変に面白く読めました。

取り上げられている作品はスペシャル回ということで4作。小説から『痴人の愛』『吉野葛』『春琴抄』ときて最後は随筆の『陰翳礼讃』です。

しっかりと谷崎潤一郎のエロティシズムや、隠しきれない女性崇拝、隠すつもりのない変態性、そしてなぜかそれらの欲望の延長に存在する美の世界など、谷崎の倒錯の世界をしっかり紹介して楽しませようというラインナップになっていて、そのサービス精神に痺れます。

番組の為にこんなに濃ゆいテキストをつくっちゃうなんてね、いやぁ、凄い番組だ。番組見てないんですけどね。

私は谷崎の作品は『源氏物語』以外はほぼすべて読んでいると思うのですが、またもう一週してみたくなりました。

これオンエアみたいなぁ。オンデマンドに出てきたら改めて最初から見たいと思います。

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