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【書評】イタリア史10講

「世界史を一度学びなおしたけど,
結局頭の中に何も残っていない」

そんな方はいらっしゃいませんか?
もしかするとそんな方には,

一国の歴史を一気通貫で学んでみること

が有効かもしれません.

世界史を学ぶ際に混乱する原因の一つは,
焦点を当てている地域が
変化することにあるからです.

つまり特定地域に焦点を当て,その地域の政治・経済・文化の移り変わりを学んでいくことで混乱を招かず理解を深めることが可能となるでしょう.

特に自分の好きな国・興味のある国について
学ぶのは比較的障壁が低いと思うので,
学び直しの始めとしては最適かと思います.

日本のような単一民族から成る国家とは
異なり,欧州では国の形そのものが戦争によって大きく変貌します.

その中で政治,経済,文化がどのように
変遷していったのかを追うのは
非常に興味深いと思います.

ぜひ手にとって読んでみて下さい.

コロナはいつ収束するのか(歴史的知見から)?

1348年に大流行したペスト(黒死病)はフィレンツェの人口を半減させた.

ユヴァル・ノア・ハラリ氏の著書にも
あるように,疫病との戦いは人類史に
大きな影響を及ぼしてきました.

本書の中にはペストに限らず,
疫病が猛威を振るった時期が何度もあり,
多くの人が亡くなったとの記述があります.


しかし重要なこともいずれも1~2年で収束しており経済も復活しているということです.

この様な歴史を鑑みれば状況が全く同じとは言えずとも,コロナショックに関しても数年(あるいは数ヶ月)もすれば乗り越えられるだろう 

という楽観的な姿勢を取ることは歴史的根拠に基づいていると言えるのではないでしょうか.


結論:コロナはいつ収束するのか(歴史的な知見から)?
これまでの人類史を振り返ると,いずれの疫病の場合も数ヶ月~数年程度で回復している.
今回もその範囲から大きくは外れない
と考えられる.

今後の行動:コロナと共生する(With Corona)
完全に疫病をゼロにするのは難しい
という前提に立ち,マスクの着用と
社会的距離の保持を徹底しながら
コロナと共生していく.

国の芸術,文化および研究を発展させるには?

一般に文化・芸術活動には,その活動を
資金面で支える個人や組織が
パトロンとして必要である.

上記の文章は,ルネサンス期において,芸術発展の裏にはメディチ家などのパトロンが存在し,大きな役割を担ったことを述べています.

メディチ家はその財力で

・ボッティチェリ
・レオナルド・ダ・ヴィンチ
・ミケランジェロ
・ヴァザーリ
・ブロンツィーノ
・アッローリ

などの多数の芸術家をパトロンとして
支援したと伝えられています.

もちろん彼ら芸術家の能力が素晴らしいものだったことは間違いないでしょう

しかし,メディチ家の存在無しに
彼らがこれだけの作品を作れたとは思えません

そう考えると,パトロンの存在は非常に大切であることが分かります.

これは現代の研究活動についても
全く同様であると思います.

外部資金獲得が研究を加速する
大きな原動力になると思われますが,
現在の日本は予算申請に時間を使いすぎる.

結果として,研究する時間
が確保できないという問題が生まれている
と感じています.


もちろん予算は国民からの税金ですので
成果を出すことは強く求められるべきです.

しかし,毎年申請書が通るか否かに
気を揉んでいるようであれば,
良い研究ができないことも事実でしょう.

自分は長期的に予算を配分して
研究の発展に注力できるような
環境構築が必要だと考えています.

これは研究以外でも同様ですね.


結論:国の芸術,文化および研究を発展させるには?
芸術家,研究者など創造性を要する職種の
技能者らに対して長期的に予算を配分し,
その活動に専念できるようにする.

今後の行動:長期予算の獲得
毎年度の申請に関わる手間を考えると,
比較的申請が容易な短期予算と難しい
長期予算で迷ったとき(=ほぼ条件が同じ
場合)は後者を選択しよう.

なぜ先の大戦で日本はドイツ,イタリアと手を組んだのか?

イタリア史と日本史が交わる部分を考えると,避けては通れないのが先の大戦における
日独伊三国軍事同盟でしょう.

国際的に孤立していったイタリアは
同様にナチスが政権を掌握していた
ドイツとの距離を縮めていった.

当時のイタリアはアフリカ諸国の植民地化
によって国際的に孤立していたようです.

ナチスドイツが孤立していた事は
周知の事実でしょう

加えて,日本も満州事変によって国際的に孤立している状況が生まれていた

これらの背景を重ね合わせると,
国際的に孤立していた三国が同盟を結ばざるを得なかったことは想像に難くないですね.
=>日独伊三国軍事同盟

ただ,先の大戦の結果から明らかなように,
孤立した者同士で徒党を組んだところで
勝てないのは,ビジネスでも人間関係でも
同じだと思います.

堂々と多数派に所属し,人脈を得た上で分派を作るという王道路線によって影響力の輪を拡げていくのが得策でしょう.

結論:なぜ先の大戦で日本はドイツ,イタリアと手を組んだのか?
国際的に孤立していた三国が,大勢と戦うために手を組むことを余儀なくされたため

今後の行動:多数派への所属の後に分派を作る
多数派に所属して,内部での人脈を得た上で
分派を作ることで影響力を大きくする.決して孤立した者同士で徒党を組んだりしないこと.


最後に

いかがでしたでしょうか?
今回は,北村暁夫氏の著書「イタリア史10講」の書評を執筆しました.

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