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魔王が勇者をバカにしている世界はいずれ滅ぶのがお約束

周りを巻き込むことが快につながる性質を持つ者は魔王の因子を持っている。逆に己を見つめなおすことが自然となっている者が勇者の因子を持っている。迷惑をかけ続けるのはいつだって魔王だし、それに我慢ならなくなって代表してしぶしぶ立ち上げるのが勇者だからだ。どっちも極端まで行けば反転する。

そして極端を知らない魔王も勇者もその力が大きい程、害悪であることは言うまでもない。本当の魔王は率先して責任をとれるほどになって初めて勇者の素質と重なり、勇者は己の力を適切に振るって周りに救済を与えることで魔王の素養を得る。因子に左右されず、極端まで知りつつ、中庸で生きるのが吉だ。

この領域を知らない為政者(たいていは魔王の因子)は愚かさに輪をかけて恥知らずだと言えよう。

他者の評価を気にしている人は基本的に魔王の因子だ。そのまま突き進めば、迷惑をかけ続ける人たちに追いつくだろう。彼らが迷惑を批判するのは嫉妬ゆえだ。同じ条件を持つなら、誰もがそうすると考えるのが魔王の因子だ。勇者の因子はそれこそが信じられない。勇者たちは迷惑をかけられたら、自分は絶対に迷惑をかけたくないと自然に考える。

力がないまま魔王の因子だけをこじらせたのが、スキャンダルを起こしている人間だ。そして同じ魔王の因子たちだけが条件が似ていれば擁護し、条件を満たしていなければ糾弾している。勇者たちはこの騒動に心の底から呆れている。なぜそんなに他者ばかり気にするのかと本気でバカらしい。確かに気にしなさすぎるのもなんだが、それにしても今の世界の喧騒は実に愚かしい。

小さい声をかき集めたら、声の大きいやつらをバカにする声が響き渡るに違いない。実際にバカなのだから。それがわかるのがバカでない者なのだから。

魔王にとって本当の力とは責任を引き受ける力だ。勇者にとっては周りに働きかける勇気だ。魔王は傲慢で無知、勇者は怠惰で臆病だ。勇者が見ている視野(世界のたどりうる可能性の全て)を魔王が獲得した時には、巨大な英雄が誕生するだろう。勇者が魔王並みの行動力を手にするのももちろん同じ結果だ。

魔王には真実が見えてないし、勇者はとことん動かない。そして魔王が勇者をバカにしている世界はいずれ滅ぶのがお約束だ。


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