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一旦停止

再休職して約3ヶ月。
あの日に巻いてたマフラーは洗濯するタイミング待ちで、着ていたコートは既に捨てた。
寒い部屋でたっぷりの布に包まっていたのに、早すぎる梅雨がそれらを引き剥がしていった。そろそろ起きろってことなんだろうな。

未だに復職の目処は立たないどころか、私のセーフティになってくれていた上司が異動になって雲行きが怪しくなってきた。
過ぎたことを悔やんでも仕方ないのに「あの日、なんで行けなかったんだろう」と思わない日はない。自席まで行けていたら、一歩踏み出して門をくぐれていたら、そもそもあんな精神状態のままで行かずに少し休みをもらっていたら……タラレバ、タラレバ。
好きな仕事ではなかったけど「好きな職場」だった。間違いなく。そうじゃなかったらまた戻りたいだなんて思わない。


どうなるんだろう、これから。


少しずつ動き出してはいるけど、行く先がわからないまま舵を切っているような感覚。
太陽が昇らなきゃ方角もわからない。
薄靄の中を「とりあえず」で進む。
地球が丸い保証はない。水平線は折れ線かもしれない。

双極性障害を説明するときに「気分の波が大きい」とか「活発な時期とうつの時期を繰り返す」とかがよく使われる。
私が最近思いついたわかりやすい説明は、航海中に目の前に岩が現れたとき、健常な人は「あの岩は避けて通ろう」と冷静な判断をして舵を切る。「あれくらいの岩なら、勢いよくぶつかれば砕ける!」と言って全速力で向かって行って(=躁状態)、船は大破して自分も溺れる(=うつ状態)というのが双極性障害。うつ状態のときに岩が現れたら一旦停止。「岩よ、削れてくれ」と願いながら漂うだけ。岩と船、どちらが先に波に負けるか対決。


そんな人生ゲーム。生きてるだけで日々博打。そりゃ扱いづらい。自分でも自分が扱いづらいのに。薬でのコントロールはある程度できるし、波の兆候は掴めるようになりつつある。でも、どうしようもないときは本当にどうしようもない。どんなに足掻いても波に流されるがまま。
これでよく生きてきたと我ながら思うけれど、それは周りに恵まれていたから。そうじゃなかったらとっくに人生諦めてる。


今回はどうなるんだろう。
怖いな。
なんで自分にこんな足枷が着けられてるのか。
怖い、怖い。
一人で考えこむ時間が無限にあるせいか、それを潰すかのように睡眠時間が長くなった。
息苦しい、ヒステリー球か。

うまく進めますように。










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