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芳香分子について学んでみました

植物同士で芳香分子を使って会話しているらしいです。

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こんにちは。しおりです。
今日は、精油成分・芳香成分とは何か、そもそもなぜ植物はこれらを作り出すのかを書いていきます。


精油は二次代謝で生まれた化合物の集合体です。

と言われても、ピンとこないと思います。
植物の代謝について見ていきます。

代謝とは、生物が外界と物質をやり取りしたり、体内で物質を変化させる過程のことを言います。
その中でも、経路の違いから一次代謝と二次代謝に分かれます。

一次代謝とは、生体外から取り入れた無機物や有機物を使って酵素などにより、生物の生命維持のために共通の物質である、炭水化物、脂質、タンパク質などを作る代謝のことです。

二次代謝とは、一次代謝でできた物質を利用して、生体内反応によって各生物特有の物質を作る代謝のことです。この二次代謝によって生まれた物化合物の一部が、芳香分子と呼ばれたり、新薬へのリード化合物として人間に利用されています。

二次代謝産物の例として、ゴムの木から取れるゴムの樹脂やタバコのニコチン、コーヒーなどのカフェインなども挙げられます。

植物は何のために生命維持に必要な物質ではないもの、芳香分子を作っているのでしょうか。

・香りの誘引効果(フェロモン)により、受粉を助ける昆虫や鳥などを引き寄せるため
・葉に粘液性のある精油を出し、動物に食べられないようにする
・忌避効果により、害虫やカビなど有害な菌から身を守る(抗菌、防虫)
・自分以外の植物の発育を阻害する
・精油が汗のように蒸発する(気化熱の利用)ことで、自らを冷却して太陽光から守る
・紫外線吸収作用や抗酸化作用を作り出し、紫外線から身を守る
・植物間のコミュニケーション(芳香分子のやり取りによって会話するらしい)

このように様々な働きをしています。

誘引効果は私たち人間にも効果があるようですね。
多くの人が香りを目的にアロマを使っているのですから。
良い香りのする植物は昔から大切にされているので、種の保存という目的は達成されているのかもしれませんね。

芳香成分は各植物の周りの環境に適応し生きていくために生まれたものだとも言えます。
その違いを窺えるのが、ラベンダーです。

ラベンダー・アングスティフォリアとラベンダー・スピカは同じラベンダーなのに、全然違った成分を持っています。

◇ラベンダー・アングスティフォリア
一般的にラベンダーの香りとして思い浮かぶものです。真性ラベンダーとも呼ばれます。
地中海沿岸の比較的標高が高い1,000m〜1,300mあたりで育ちます。
芳香成分は、リナロール30〜50%、酢酸リナリル25〜45%
酢酸リナリルは人間の体内で酢酸+リナロールに分解されます。
心身のリラックスや不眠などに使われます。


◇ラベンダー・スピカ
くっきりとした野性味あふれる香りです。フローラルというよりは緑なイメージの香りです。
野生ラベンダーとも呼ばれます。
地中海沿岸の平地、標高800m程に生息しています。
芳香成分はリナロール35〜50%、1,8シネオール15〜35%、カンファー5〜15%です。
リラックス効果は無く、抗菌作用や皮膚のかみ、傷や火傷、気管支炎などに使われます。


この2種の違いは、自生する標高にあるようです。
より高い標高で育つアングスティフォリアは害虫などの天敵が少なく、
より低い標高で育つスピカはより虫が多く、天敵の害虫が発生する環境で育ってきました。
自分を守るために、抗菌、抗寄生虫作用をより強く持つこととなったというわけです。

植物それぞれが環境に合わせて自分に合った芳香成分を生み出してきたんですね。
私たち人間も植物と同じで、人それぞれ環境や体調に合わせて芳香成分を選ぶことが大切となります。

植物と違って日々環境は変わるので、今どんな香りが好きなのか、心地良いのか、自分と向き合う時間を作ってみてください♪


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