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あれから少し経って今思うこと

つい先ほど、4年前に経営していた店舗で書いてずっと保存していた記事を公開しました。

今のわたし

現在わたしは37歳になりました。
上記の記事は内容を見て頂いたら分かるのですが、読むのがめんどくさい、暗い記事を読むのが苦手な方の為にザックリまとめさせて頂くと

《2020年に独立し、念願の店舗を開業した33歳の女性が、オープン前に父親に続き母親も倒れ、さらにコロナ禍の影響で事態は悪化していきました。店舗の仕事に加えて、家族のことや親戚のこと、お金のことにも対応しなければならず、その結果、不眠や拒食、不安障害に悩まされ、最終的には適応障害や鬱病に苦しむこととなりました。その後、報告には書かれていませんが、子宮筋腫が見つかり、手術を決意するまでの道のりも大変なものでした。神様は本当にこの女性にそんなに大きな試練を与える必要があったのでしょうか…?》

という感じでした。
4年経ちまして、結果的に10カ月で実店舗を❝閉店❞する運びとなりました。

今でこそマスクが無くても外を出歩け、コロナは5類になり、当時より身近(?)な存在となりましたが、あの頃はまだ一生外を出歩けないのか?周りの店がどんどん潰れていくが…!?みたいな日々を送っていましたね。

ふわふわ生きてきた女の人生の決断

「続ける」ことも考えましたが「ここで辞める」が私にとって人生で1番の英断だったと今でも思っています。
1人暮らしを決意した夜よりも、結婚を決意したあの日よりも英断でした。
というか、初めて「人生にかかわる大事な決断」をしたと思っています。
1人暮らしも結婚も小さい時から「したかったこと」だったので、自然と脳内でその時が来たらこういう決断をしようというのがあったのかもしれません。
ただ「開業」して「閉店」するというのは自分の人生プランにはありませんでした。
しかも10カ月で!もうあの時は世間体とかもめちゃくちゃ考えました。
わたし、どう思われるんだろう。
背中を押してくれた人、SNSで応援して下さった方々、コロナが落ち着いたら来てくれると言っていた地方の方々、お花や開店祝いを送ってくださった皆様に本当に申し訳ないと思って日々生きておりました。
挙句「どんな嘘をつこう…」とまで考えていました。
ヤバいですよね。今考えるとだいぶ追い詰められていたのだと思います。

既に考えが鬱のそれ

きっと色々な考えの方がいらっしゃると思います。
例えば、これは妄想ではありますが「全然儲からなかったんだろうな」とか「お客さんが全然来なかったんだろうな」とか思われていたかもしれないと思っています。

今でこそ言えるのですが、そんなことは全然なく、まぁ…めちゃくちゃ人が来たか、売れたかといえばそうでもなかったのですが、現在ハンドメイド1本で仕事している私よりは遥かに収入はあったと思います。
その代わり仕事の量は30倍くらいありました、体感の話ですが。

当時の店は、わたしの作品やセレクト商品の他、素敵な作家様方に商品を委託して頂く形を取らせて頂いておりましたので、その作家様のファンの方や、当時その近辺に同じような形態で営業している店が少なかったため、通りすがりの方もフラッとお立ち寄り頂いたりしておりました。

10ヵ月閉店のきっかけ

実は母の病気やらそこから派生してきたやらなければいけないことの他、自分の先進的な病気の治療など、ここまではやりながらなんとかお店の経営はできていたし、続けられたと思います。
コロナ禍でも来て下さるお客様もいらっしゃいましたし、緊急事態宣言の時は大家さんに相談してご厚意で家賃を数ヵ月0円にして頂き、お店を残すことも出来ました。
今考えると大家さん側からしたら「とんでもないこと言ってくるヤバイ奴に貸してしまったな」と思われていたかもしれないのですが、相談しに行くと嫌な顔せず話を聞いてくださいました。本当に恵まれていたと思います。
ここは絶対読んでいないと思いますが、その節は本当にありがとうございました。今も元気でやっていらっしゃるでしょうか。

こんなこともありつつ、何故閉店したかというと、自分のキャパがオーバーになることがもう1つ発覚したからです。
それは「子宮筋腫」です。
女性系の検診を行った際に、先生に「将来お子さんはお考えですか?」と聞かれ、ずっと子供が欲しかった私は迷わず「はい」と答えました。
すると先生が、あなたには子宮に腫瘍があり、別に悪い腫瘍ではないのでこのままでもいいんだけど、場所が悪いから子供が欲しいのであれば話は別、大きい病院へ紹介状を書きます。恐らく摘出手術になるでしょうとのことでした。
ここでわたしは不安とか、子供出来なかったらどうしようとか、そういう考えではなく「店どうしよう…」が先に浮かんできました。

コロナ禍なので今を焦っても仕方なかったのですが、アパレルはナマモノと言います。どういうことかというと、旬を逃すと売れなくなるんですね。
うちはアパレルショップではなかったのですが、それに付随する装飾品の販売、それに出来たばかりの店、1年は宣伝に費用や時間を充てていく予定でした。
そして、わたし1人がおまんまを食べれればいいと思って開業したので、他のスタッフはおりませんし、今から雇ったところで手術までの日程で全てを教えることはできないし、聞かれても答えれないかもしれない思いました。

手術はするとして、このことは家に持ち帰り、全然覚えてないのですが、旦那と色々と話し合ったと思います。
まずは私の体のこと、今回子宮にメスを入れるので、今後子供が出来たとしても選択肢は「帝王切開」のみになるということ、あと入院中の親のこととか、お金のこととか、とにかく色々です。

けれど、店をどうするか、決めるのは旦那でも家族でもありません。
「わたし」なのです。
手術の日が決まるまでにどうするか、それまでに委託作家様、お客様、大家さんに事情説明、そして閉店作業、片付けや問い合わせ対応、不動産屋さんとも話し合ったり、普通の人が数年でやりそうなこと、数週間でやりました…断面的には覚えているのですが本当にお記憶がございません。

けれど、もう内心では決めていたのです、「店を閉めよう」と。

私が委託してもらっている側だったとしたら、こんなオーナー不安だったと思います。コロナ禍に強制オープンさせた挙句、オープン1週間で緊急事態宣言で一時店休、そしてオーナー病気・手術って…先行き不安すぎでしょ。
今考えたら、本当に委託してくださっていた作家様方には頭が上がりませんし、感謝しかございません。その節はありがとうございました。

晴れ晴れした気持ちで「閉店」→手術!

見出しの通りです。
性格上、持っている荷物は片付けてから次のことをしたいタイプなので、閉店を決意し、あとはもう流れ作業でした。この時期が一番動いたし働いたし人と話したと思います。
店が空っぽになり、片付けるのはあっという間です。オープンするのにはあんなに時間もお金もかかったのに。片付けるのはもう本当に簡単、あっけないです。

わたしが閉店するとSNSに記載した後、駆け込みで来てくださった常連さんや前職の先輩や、友人もおりました。ネガティブなわたしはたまに「わたしは誰からも愛されていない」「友達が少ない」とか思ってしまうのですが、こう書くと全然そうでもないですよね。愛されておりました。

友人が何もないわたしの店に来てくれて「写真撮りましょう!」と言って、わたしと友人2人の3人で訳の分からない空間で写真を撮ったのもいい思い出でした。本人は覚えてないかもしれないけど、ここも見てないと思うけど、ありがとう、今でも覚えているよ。

今は何しているか、病気はどうなったのか

子宮筋腫の手術は成功し、現在は2歳の息子が1人おります。
これは私が色々な決断をクソクソ短時間で決めて動いて行動し、周りの方にも迷惑をかけつつ色々とご協力いただいた結果だと思っています。
今でも「あのまま店を続けていたら」という気持ちは正直めちゃくちゃあります。気付いたら物件サイトを見たり、問い合わせなどもしたりしています。
店を始めるときって不思議で、何もかもうまく事が運ぶんですよね。
わたしの場合は素敵な不動産屋さんにめぐりあえて、とことん物件探しに付き合ってもらえたことが良かったと思っています。
今はその感じがないので、まだ先かな~とは思っていますが、また何かしら店舗はやりたいと思っています。
いつになるかな~今年38歳なんだけど。年々風邪は長引くし、筋肉痛は3日後とかにくるし、起き上がれないし、ガタを感じているので33歳の開業当時みたいに動けるか?と聞かれたら分かりません。
けど何かを始めるときは、そういうアドレナリンみたいなものが出て、不思議と全然つらくないんですよね。また味わいたいものです。

ここまで読んで下さった方はいらっしゃるのか分かりませんが、読んで頂き有難うございます。

わたしは現在ネットショップで自分の作品を発信、販売しています。
自分の自由に時間が使えて、働きやすいと感じています。
まだ当時患った適応障害、鬱症状は完治しておらず通院しておりますが、普通に生活も出来ております。

皆様、無理せず、適当に生きましょう。
なんとかなります。


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