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スキルを上げる

サラリーマンをやっていると、スキルってなんだ? と思うことはよくあると思います。私もそうでした。
特にエンジニアだと、あるところまではテクニカルスキル(技術的な知識)を求められるのに、ある時期を過ぎるとヒューマンスキル(他者とのコミュニケーション/他人の管理)と、コンセプチュアルスキル(あらゆる手法を駆使して、問題解決をしたりビジネスを考える)が求められます。

楠見孝教授の「ホワイトカラーの熟達化を支える実践知の獲得」という論文で、仕事による熟達化が以下のように定義されています。以下、要約です。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/soshikikagaku/48/2/48_6/_pdf/-char/ja

仕事における熟達

■1~3年目
初心者:
仕事と集団に慣れる。

■3~5年
定型熟達化:
指導なしで日々の業務が出来る

===ここまでがテクニカルスキル====

■6~10年
中堅熟達化:
状況に応じて規則が適用できる。似た状況において過去の経験やスキルを使える。仕事全体を把握してスキルの使い方が柔軟になる。

■10年目以降にたまに現れる。
想像的熟達化:
特定の領域で膨大な質の高い経験を通して、きわめてレベルの高い実践知(とくに言語化できない暗黙知)を獲得している。
高いパフォーマンスを効率よく正確に発揮し、事態予測や直観的分析で創造的な問題解決が出来る。

想像的熟達化(スペシャリスト/エキスパート)

なんとなく中堅熟達化までは教育で何とかなりそうですが、創造的熟達化はかなり少数の人しか到達しないな、という感触です。
特に「きわめてレベルの高い実践知(とくに言語化できない暗黙知)を獲得している。」というのは、定量的に測定できないので、周りの人の「あの人はすげぇ」という評価で判断するしかないでしょう。

かなり少数しかいないとしても、その教育をあきらめる訳はいきません。
きわめてレベルの高い実践知、とくに言語化できない暗黙知は、経験を通して共有していくしかありません。
暗黙知共有の方法としては以下があります。

・OJT(職場内訓練)
・ローテーション型の定期異動
・先輩社員によるコーティング、認知的徒弟制度
・対話

これらのレベルを上げていくためには、経験的学習と省察(反省して、よしあしを考えること)が必要になります。
経験的学習を効率的に得るためには、適度に挑戦的な課題、つまり能力を少しだけ超えた課題にチャレンジする必要があります。


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