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夏をあきらめて

まだ暑い夜が続いているが、いつの間にか秋の虫のリリリリという鳴き声が、聞こえてきた。

可哀想に、などと思う。お盆を過ぎたら暑かろうが何だろうが、生き物のサガとして兎に角、鳴かなければならないのだろう。か。

あと少しで夏が終わる。マスクに加えて、常にまとわりつくような湿度を感じていたので、微熱があるかのような居心地の悪い夏だった。

もともと夏は苦手だ。こんな私なので、昨今の国民総盛り上がりフェスなど、首切り場に行くようなものだ。とんでもないことだ。暑いじゃないか。狂気の沙汰だ。

秋だよ。秋。やっぱり薄ら寒い秋がいいんだ。
冬もいい。
台所に立っておでんやら、シチューをいっちょ作るか!という気分にもなる。

という流れで、清少納言の「枕草子」春はあけぼのシリーズを改めて確認してみたが、1000年のギャップがあるからか、どの季節表現もピンと来ない。昔はあれほど萌えていたのに。

春は曙    → 春は花粉
夏は夜    → 夏はマスク
秋は夕暮れ  → 秋はおでん
冬はつとめて → 冬はシチュー

しまった。季節表現なのに食べ物が登場している。枕草子的に美しくないだろうか。いや、枕草子でもないが。

秋におでんも変だろうか。
秋は、、炊き込みご飯?

徒然に、徒然に、秋を待つ。