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解決策は外からやってきた

長きにわたって金属ケースを使ってもらいたい!が最優先なので、練り香水の部分は詰め替え可能である必要があった。プロジェクト開始当初は深く考えず金属ケースのデザインや音のなるギミックに時間を割いていたところ、練り香水の保存性とコストを両立する必要に迫られた。既存のケースが流用できないか、シールを貼ってはどうかなど考えてはみたもののいずれも行き詰まったのであった。
とても困った。。一時はもうこれでプロジェクトは断念かな。。と弱気になっておりました。

よほど困った顔をしていたのか、ため息がうるさかったのかはわからないが、みかねて妻が声をかけてくれた。愚痴を聞いてもらうようなつもりで課題とこれまでに試してうまくいかなかったことを話してみた。すると一言、

「詰め替えだったらファンデーションのケースとか使えないの?」

ふぁ?ファンデーション? 私は化粧をしないのでわからないのだが、ファンデーションや化粧にも詰め替えて使うものがあるとのこと。「化粧品、リフィルケース」で調べてみると、四角い皿状の器に交換対象の製品が充填されており、それを保管しておくケースがセットになっている。サイズが合って既存品を流用できたら低価格で保存可能で、香水OEMで作業が容易という条件を満たせる!いけるかもしれない!

早速、リフィルケースを取り扱っている企業にネット経由でコンタクト。回答をもらえた3社からカタログを入手した。その中で容量が適切でかつ、金属ケースのデザインの要点である手の中でもて遊べるサイズ感を維持できるものをピックアップ。サンプルを送ってもらったのがサムネイルと図1である。サムネイルが練り香水を充填する金皿であり、金皿を納めるのが図1である。写真にはないが蓋がついてくる。

図1:化粧品のリフィル用保存ケース。ここにサムネイルの金皿が収まる

化粧品のリフィルケースというのは、自分には全く発想がなかったものだし、いくら考えていいてもきっと辿り着かなかったろうと思う。自分以外の人に話をする、アイデアをもらうというのは本当に重要だな、と骨身にしみた。


既存商品を転用するので、新たに金型を起こす必要もないし、コストも抑えられている。これで問題解決!かと思いきや、またもや課題が勃発するのである。
練り香水充填方法」と「磁性」にまだ解決すべきものがあったのだ。その話は次回にしたいと思います。

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