命在るカタチ 第四話 『虹夢命』(過去作品)

Life Exist Form-命在るカタチ
第四話
「虹夢命(にじむいのち)」

…………………………
 


   ねぇ、ここ、何処かな?
 

 

 

 

 

何時からそこに有るのだろう……

         数え切れぬ揺らぎの中で

    ほんの少しずつ、膨らんで

そして
           硝子張りの殻を
       粉々に砕いて
……開けた場所……

 そこには……

     ……蒼く揺らぐ海が広がっている……

 

アオイ
          ヒ   カ リ

     ミエ    ル

      エ       キ   タ  イ

       ハ ナ シ ゴ エ

キ コ エ ル

 

『そろそろ今日も……時間だぜ』
『なぁ、どっか飲みに行かないか?』
『あ~……俺残業だわ……もうちょい大きなメモリを積めるか試したいし』
『はは、ご苦労さん。だな』
『ははは………』
 ………
『……なあ……俺達のしている事って……』
 ………
『……考えてもしかたねーだろ』
            ウ  ゴ  ク

      アル   ク 


ワ            ラ       ウ
      ハ ナ ス
           hitobito
       ヒ  ト   ビ    ト
           ……ドク……

フ    ラ  グ メ   ン    ト

 

『回路チェック……異常はありません。博士……すべてのコンポーネントは±1%で安定しています。許容範囲です』
『今の所……フェミニに異常は無い……』
『成功と見ていいのでしょうか……?』
『ああ……今のところは……な……』

   ハ  ナ  シ ゴ  エ
   キ  コ  エ  ル

 

ア   オ   イ

 

       ユ  ラ   グ

       ヒ ト
   ミ  エ ル
           ウ ゴ ク

 

 

       …ドクン……

 

 

 

ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ
 

 

 …ド ク   ン……

            コ ド ウ

                     オト

        コエ
         チ  シ     キ
ナ        ガ   レ コ ム


『覚醒が近いですね……不安定になってます』
『博士……微調整の必要を認めますが……?』
『博士、キーはどうします?……』
『微調整始めてくれ。……キーは……一見してキーだと分からない方がいいか……』
『そうですねぇ……フェミニのバランスを考えると……そこから破綻をきたすかもしれませんし……』
 

    ナガレルカワ

              ヒ ロ ガ ル    セ  カイ

           ……ドクン……
 

 

              シ ロ イ

 

ナニモ  ナイ

           ミエ  ナイ

 

 

ソンザイ       ソ   ン  ザイ?

 

            ワ      タ     シ?

 

『やあ……僕は……君の……』

      シッテイル
                       チシキヲモッテイル

 

                      ボウダイナ
                エレメント

            バ ラ バ ラ ノ  カケラ

        チイサナ     カケラ
          オオ      キナ    ハヘン

       ダ   ン  ペ   ン

 

   カ
        ゾ  ク

      ソンザイ    ワタシ

                ボ
    ク?
         オヤ

              ユ      メ

『こいつの名前はどうしますか?』
『……そうだな……』

 

 

M………          ………未……I………                             …… …………来     ……R               a     …… ……… 
 
 

「………」
 目が覚めたら、ボク……いつもの部屋にいる。
 ボクの部屋。
 ボクの。
 コンコン、
 ドアがノックされる音。
「未羅、私だ。……入っていいか?」
 父さん。
 ボクの家族。

         カゾク……

「いいよ。父さん」
 母さんいない。
 ずぅっと昔、死んじゃったんだって。
 かちゃり、
 ドアが開く音。
「出かけないか?、未羅」
 入ってくるなり、父さんはそう言った。
「お前はまだこの町に馴れてないからな」
 誤魔化すみたいにして、微笑む。
「うん」
 頷く。
 ボクはこの町に来たばかりだったから。



 商店街。
 家から歩いて16分14秒1323。
 人、いっぱい。
「………」
「さて……何買って帰るか……」
 傍らで父さんが呟く。
「カレー食べたい」

「未羅はカレーが食べたいのか?」
「うん」
 頷く。
「カレー好きだよ」
 言って、微笑みかける。
「そうか」
 父さん、微笑み返してくれた。

 父さんの作る御飯。
 好き。
 美味しいから。
 うれしいから

 材料を買って、帰る途中で賑やかな音が聞こえた。
「?」
 ガぁがあぁがあぁザァガァ
 ぴろろぴろろぴろろ……
 音した方を見る。
 いっぱい、変な機械あるお店。
「何あれ……」
「ゲームセンターだ。あれは」
 間髪入れずに父さんは答えてくれる。
「げーむせんたー……」
 ……父さん色んな事を知ってる。
 ボクの知らないことも知ってる。

 ボクだって知ってるよ。

 でもね、言われるまで 気が付かないだけ

『げーむせんたー』って名前……知ってた。
 実際に見た事が無かっただけ。だとおもう・・・

         うん、きっとそうだよね

 ボクも、沢山の事を知ってるんだよ。 父さん。



 

 目が覚めたら、そこはボクの部屋。
 差し込む夕日。時間を教えてくれる。
 寝てたんだ。ボク。

 いろんなことがあったから

 たくさん寝てた    ずっと前だと思えるちょっと前も

 ……出掛けてみたい……
              外へ行きたい。
      父さんは……
        お仕事中。


 お仕事は とても大事。
   しなくちゃ死んじゃうもの。
 食べていけないから。

      邪魔はできないよ
 だからボク一人で行く。

 大丈夫。ボク、沢山知ってるもの。
 ボクは平気だもの
 商店街。
 要した時間は16分23秒126

 賑やかな音楽

       話し声。
 とっても賑やか。

 気がついたら、見覚えのある場所。
「……『げーむせんたー』だよね……」
 ちょっと興味があった。

『自動ドアが』開いて、ボクを迎え入れてくれる。
 ……息が詰まるちっちゃな驚き……

 音の/電子の音の洪水

            小さな硝子の破片の虹が、ボクの傍を駆け抜ける感じ
 
                   懐かしい

       郷愁?

           意識が
      ……回帰する   感覚……
   Rリeターturnナル Emエotモーiシoョnン
虹色の結晶、
黒から始まって、

虹色を返す結晶全てが光速で駆け抜けてゆく

                          電子の洪水

                                    ……頭……ぼぅっとするよ………

                 ……変な感じ……
ざ ぁ    ぁ    ざ  ぁ      ぁ       ぁぁざ
  ぁ      ぁ  ぁ  ぁ ざぁ ぁぁぁ ぁぁざぁ  ぁ ざぁぁ
         ざ  ぁ     ぁ ぁぁ ぁぁざぁ      ぁぁ ぁぁざぁぁぁ
     ぁぁ ぁぁ ぁぁ    ぁぁぁざ ぁぁぁぁ  ぁぁぁぁぁ ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ 

ざ ぁ    ぁ    ざ  ぁ      ぁ       ぁぁざ
  ぁ      ぁ  ぁ  ぁ ざぁ ぁぁぁ ぁぁざぁ  ぁ ざぁぁ
         ざ  ぁ     ぁ ぁぁ ぁぁざぁ      ぁぁ ぁぁざぁぁぁ
     ぁぁ ぁぁ ぁぁ    ぁぁぁざ ぁぁぁぁ  ぁぁぁぁぁ ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ




 ふと……正気に戻る。

 ……中はとっても賑やか。
 でも、うるさい。
 だからだね。変な感じ。

 色んな音が混じって、よく聞き取れない。

 一番手前にあった機械の前、椅子に座る。
 ……どうやったらゲームできるのかな……
 周りの人……ボク、見る。
 機械の穴。それに銀色の丸いもの……お金かな。

 入れてる。
 ああ、理解できた。ああすればいいんだね。

 お金を取り出して、穴に入れてみる。

 ……ごりごり……

 ……入らない。
「あれ?」
 スロットの横に『100YEN』と書いてある。
 『100YEN』は……1円が100枚……10円が10枚 50円が2枚。

 ポケットには あまりたくさんはいってない。
 だからボク、一回り小さい銀色のお金を入れる 

 チャリン。

 お金 が入って、画面が切り替わる。
「ゲーム……」
 何だかよく分からない。
 30.1260秒後、画面が再び切り替わる。
『ROUND1 FIGHT!!』
 機械から声がする。

「えっと……」
 どうやったらいいのかな?






  ゲーム、すぐに終わった。
『YOU LOSE!!』


 ……何だかヤな気分。
       ヤな気分。
       ヤな気分……
 ……あ れ ?……
 ……目の前が歪んで……
 そう、それは水の所為だって分かって……
 なんだか呼吸が苦しくなった……
 酸素が不十分だ。
          カラダに行き渡ってない

                   ……うまくしゃべれないよ……

 ……ボク……泣いてる……?


 そして、人に出会った。
 その人、なんだか困った顔をしてる。
 みんながボクをを見てる。
 ボク人気者なのかな。

 涙……

 そっか、この水はそんな名前。

 ……人……

 頭をぽりぽりと描く

 ボクの手に触れて

 そして、ボクを引っ張ってく……

 ボク……歩いてく。
 87歩と23センチ歩いた。
 要した時間……たしか226秒。

 その人、困ったような顔。
 とても早足。

 ボク、見たこと無いところ。まだ知らない場所。
                             連れて行かれた。

『シラナイヒトニツイテイッチャイケナイヨ』

  あ そうだった。
  でも、もうおそいよ……
 建物の上にはそれが何であるかをあらわす、『看板』があった。

『看板』には『cafe VAVILON』と書いてある。
 その建物の看板。ほかの看板と違う。
 こげ茶色の木を彫ってあるんだ。
 なんていうか、これは『オシャレ』だね?

 その建物はガラス張り。
 お店の中ではみんながお話したり……そして本を読んだりしてる。
 これはお店?
 どんなお店?

 その人『入れよ』とボクに言ってる。

 ボク。まださっきの『涙』が止まらない。
ずっと ひっく……ひっく……って言ってる。

 ……ボク……変になっちゃったのかな……?

 その人、とっても困ってる。
 ボクのせいかな

 ボク……怒られるの?
 そしたら……ピリッ……って……するのかな?

 自動ドアが 開いて
 ボク等はそのお店に入った。
 お店の中のいすやテーブルはお店の外と同じ色。

 木の年輪。幾何学模様。それがボクの興味を誘う。

 ボクの髪の毛と近い色……

 店内に入るって右に曲がって。
 そこは禁煙席/No Smokingsと書いてあった。

 そのまま3メートル進む。
 その人は椅子に座った。
『座れよ』
 その人の声。
 ボクはその人の前に座った。

「オレンジジュースでいいな?」
 というと、テーブルの近くを通りがかった変な格好をした女の人に言う。
「すいません……コーヒーとオレンジジュース。ひとつずつ」
「かしこまりました」
 その女の人は、笑顔でそうこたえた。

 ボクには何もかも新しいことだらけ。
 とても不思議なことばかり。
 不思議な世界……

        なにか……ボク……どうしたんだろう……

「さて……」
 その人が話し掛ける。
 他のことは、後回し……ボク、この人としゃべるんだ。
「あんた……名前何ていうんだよ」
 その人、ボクに名前を聞く。
 なまえ。
 ボクがボクであるしるし。
 お父さんとお母さんがくれたしるし。

 ボクはオレンジジュースをストローとかいう管でかき混ぜる。
 テレビでそうしてたもん。
 ボク、間違ってない。きっと。
 ボクは間違っちゃいけない。
 テストはパスしないと、ピリッとする。
 ピリッとするのがヤだからテストにパスしなくちゃ。

 からから、と氷が音を立てる。
「……俺は柄咲……」
 ボクが自分の名前を言うより先、その人は自分の名前を言った。
「つかさ?」
「そうだ、涼野 柄咲」
「……すずみの……つかさ……」
 つかさ、なんて聞いたこと無い
 =不適合/変な感じ
             だからこれは変な名前。
「……つかさ……」
 ボクは繰り返す。

      ……あ、ちゃんとしゃべれるよ……

「あんたは? 何て言うんだよ。名前」
「なまえ?」
「そうだよ」
 その人が不機嫌そうな顔をするのが、とってもヤだった。
 ボク、どうしていいか分からない。
 名前……言えばいいのかな?

「みら」
「みら?」
「うん、つきさわ みら」
「……どういう字を書くんだ?」
 そういうと、『柄咲』は、自分の上着の左側の胸ポケットに入ってた粗末なボールペンと、
 テーブルの右に、アルミでできた入れ物に入っている紙ナプキンを一枚とってボクに差し出す。

 ……ああ、これはボクの名前を書けばいいんだね?

               月沢 未羅

「ふーん……」
 柄咲が言う。

 頭……痛いな……

「柄咲」
「ん?」
 ボクは柄咲に話し掛けてみた。

 

                   ……あれ……?

 

 ボクはいろいろ、言いたいことあったはずなのに。
      言いたいのに
 言いたいのに
                  言いたいのに
    言いたい。
          話したくて分かってほしいのに……

 でもだけどどうして?

 ボク。いえない。柄咲にいえない。

 声帯がおかしくなったのかな?

意識の底
             深くて
          暗い記憶

 なんなんだろ?

 言葉にならない記憶。映像として生み出されない。
 だから、どうしたらいいかわかんないよ……
 ……ボク、何を言ったらいいかわからないよ……

 こんなとき、どうしたらいいの?
 次の言葉が見つからない。

「変な名前」
 ボク、だから言った。
 きっと柄咲の名前が『変』だから。

 ボ ク に は い え な い こ と が あ る ん だ。

 ………………きっと。

 柄咲、黙ってた。
 18.3347秒間経って
 そしたらボクに話し掛けた。

「『未羅』ってのも結構変な名前だと思うが……」
「そんな事無いよ」
 ボクの名前、変じゃない、
 だって
「ボクの名前だから」
 それは、ボクがボクであるしるし。
 お父さんとお母さんがくれた……大切な宝物。

又柄咲が黙ってる。
今度は30秒以上の長い間。

「……で?お前何処に住んでる?……ちゃんと帰れるか?」
 柄咲が又しゃべりかける。
 ボクが住んでるところ……?
 怒らない……柄咲。

 柄咲がコーヒーに粉を入れている。
 かちゃん、
 その白い粉の入っている瓶にスプーンを戻すおと。
 かちゃかちゃとコーヒーをかき混ぜる。

 粉……いれてる。
 そっか。粉を入れなきゃ。
 スプーンをひょいっとつまんで粉をとる。
 ジュースの中にその粉を入れた。

               ……さらさらさら……

 白い粉がジュースに溶けていく。
 ボクはその白い粉が流れていくのを見てる。
                                 光を閉じ込めて

                   光る色に輝く

            ……それはボクだけの世界……

     ……あはは……
                         なんか楽しい
           わくわくする

        ……『こころ』あったかいかんじ……

 もう一度粉を入れる。

           ……さらさらさら……

「なあ……」
「うん?」
       ……さらさらさら……

            柄咲の声だけ聞こえる。
       ……ボクはずっと
      流れる光を見ていたいのに……

「何をやってるんだ……?」
 え?
「やっちゃいけないの?」
 やっちゃいけないことだったのかな。
 怒られるかもしれない。

「いけなくはないが……」
 よかった……良いんだ。

「止めといた方がいいと思うが……」
 え?
 なんで?
「柄咲もやってた」
 だから。大丈夫。
 もう一回。

 ……さらさらさらさらさら……

「オレンジジュースには砂糖入れないぞ。俺は……」
 四杯目。
      ……きらきら流れる光と結晶……
 この粉、サトウって言うの?

      ……さらさら……

 五杯目。
「……糖尿病になるぞ。お前……」
 糖尿病って何だろう。

   smx|find/or/not/or/|dictionry(糖尿病)/was{"~\syntax need more context\,memory reducing on xflowtree-v /objective meaning clustering subsystems>unsolvable gone.

 でも、ボク、病気にならない。
 強い子だから、ならないって父さんいってた。
 ボク、風邪になったこと、無いもん。
「ならないよ。いけないの?」

 さらさらさらさら……
 六杯目。
 銀色のスプーンから流れてく。

 なにかこうしてると、とってもいい気持ち……

             ……あったかいな……

 ……湧き出す深淵の光のなかから、あたたかな感じがココロに触れる感じ……

「……いや絶対……体に悪いぞ?」

 ……柄咲……
     心配してくれてるの?
                  ボクのこと?

 なんで?
 だって56分35秒前に知り合ったばかりじゃない……

「じゃあ、止める」
 スプーン、元の場所へ戻す。
 からから、
 ストローでオレンジジュースをかき回す。
 なんとなく、そうしたほうがいいような気がしたから。
 そうするものだと思ったから。
 そうだ。
 オレンジジュースって飲むものだった。

 ボク、ストローで、オレンジジュース、飲み始める。
「甘すぎないか?……」
 柄咲、こっち見る。
「普通だよ」
 だってこれはオレンジジュース。
 オレンジジュースは甘くない。
 あますっぱいんだ。
 さっきの粉をいれたら甘くなるのかな?

「でも、ちょっと甘い」
 

でも……

         甘いって?
              すっぱいって何かな?
 

   ……ボク、よくわかんないよ……

   ……ただ、そういうものだと思ってたから……


  data obj into(jp){ p H  -   3 . 3 6  、 主 な 成分 は 水  果 実 の  一 種 で あ る オ レ ン ジの 含有、お よ び 糖  類 が多量に認められ る。
   [orange](1)み か ん ・ 夏 み か ん ・ ネ ー ブ ルな ど の 総 称 。 柑 橘 ( かん き つ  ) 類 。(  2 ) 柑橘類のうち、スイート- オ レン ジ の  類 の 称   。 (3) 黄  色 と 赤 色 の 中  間の  色  。  だ  い だい  色 。body/stat a[+12{water}}engl........



 美味しいって事はわかる。
 美味しいとき、それは突然にやってくる。
 とっても楽しい気持ち。
 今はそうじゃない……普通……

 又ストローを口に含んでオレンジジュースを飲み始める。
 気持ちいい。
 そういえば水分がちょっと不足してた。
 冷たい……

            ……流れる感じ……

 

 だけどボク、とってもおなかが減った。
 すぐ行かなくちゃ。
 ボクの家に。
 そうしたら父さんがご飯をくれるから。

「ボク……行かなくちゃ」
 ボクは柄咲に一言いった。

 もと来た道を
                  また
               帰る。

 自動ドアが開く。

 街にあふれてる人々。
 よけて歩く。

s i n   . co  s [geo.log]    ta n  ` w    / o  b j   3 1    2  . + + + +  .....

 どんどん・どんどん・あるく。
 300Mくらい歩いたかな……細かいことは記憶から消えてる。
 ボク、家の近くの公園に差し掛かった。
 夕日がボクやみんなの影をびょーんと伸ばしていた。
 紅い紅い色が黒とオレンジみたいな赤に見せる。

 まだ身長が110センチメートルにさえなってない。
 子供達が飛んだりはねたりして遊んでる。
 ボクもそれに入って遊べたら……どんなに『楽しい』のに。

「……かーごめ かごめ……」

 だけど、それはいけないこと。
 父さん、『お前はおっきいんだから、あんまり子供とは遊んじゃいけないんだよ』っていってる。
『でなきゃ……きっとお前が傷つく……お前が傷つくのは嫌なんだ……』
 父さんに言われたことは守らなきゃ。

 ボク……傷つくかもしれない……?
 解らない……でも……
 ボクの知らないことを知ってるんだから。
 父さん、ボクには分からないこと、できるんだから……
 だから。信じてる……

「……つーるとかーめがすーべったー……」

 ボク、大事なことを思い出した。
 ボク、振り返った。
 それで言った。

「柄咲、ありがとう」

「……うしろの正面……」

 もし。親切にされたら……

 うれしかったら
 ありがとうって言わなきゃいけないんだよ……

 父さん、教えてくれたよね……

 

『……うしろのしょうめんだぁーぁーれぇ~……』

 

 

 

 

 家にたどり着く。
 扉を開ける。
 急がなくちゃいけない。
 おなかが減ったら我慢しちゃいけない。
 おなかが減ったらほかの人がするように、食べればいい。
 だけど。そして、寝なくちゃいけないよ……

 思い出す。

  メ モ リ
 記憶の断片が湧き出して、消え去る。
 ……脳裏を翳める衝動……
 疲れた……って事かな……?

 父さん、ただいま。
 

 

 

 

 カチ……カチャ
 食器の触れ合う音……

 美味しそうなカレーの匂い……
「ほら!未羅!できたぞぉ」
「わぁ……美味しそう。いただきます」
「たくさんたべろよ……未羅」
 ありがとう……父さん………

...///overflow///...
Under a stop.
optimization processing....................

 ボク、いつのまにか寝てしまった……
 ボクは、いつのまにか寝てしまっていた……
 ボクは、何時の間にか、寝ていた。
 チカラ?……カラダにはいってくる……
 長く、永い眠りの中で……ボク、又夢を見た。
                                     ユ メ 。
 毎日の終わりに見るもの。

difdic {Hallucination experience with a certain amount of consistency produced at the time of sleep. In many cases, it may appear by the vision image and may be accompanied by hearing and the tactile sense. Although it is the unreal contents in many cases, the urgent actuality is worn on the person in question who is looking at the dream}.

 願望……深層心理の願い……
        テレビが言ってた。

 実体の無く、脈絡の無く、、目を開ければ、それはいつもどこかへ消える


         それはボクが……望むもの?


  れ      母さん……     流
    は             れ
  雑   意味      の
    音    の 雲
        雨  ない
     小さな 大きな 景色
柄  咲?  や 振動     ……
      空  so love ……
     ……         雷
   る        父さん? L
       あ            et it
       れ    unknown    be
光      は
       なに?




そして……今日もまた     夢が 始まる。

1999 9/18 Complete

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