この一年は、早かった/ルーキー座談会 Vol.1
2020年から2021年。
新生活をスタートさせた方々は、
みなそれぞれに、葛藤や不安を抱え、
手探りで新しい環境に適応していったのでは
ないでしょうか。
積水化学女子陸上部にも、
新しくチームの仲間となり、
1年間を戦い抜いた3人のルーキーがいます。
木村梨七選手、弟子丸小春選手、長澤日桜里選手。
3人にもまた三様の悩みや、手ごたえがありました。
彼女たちの心を声に、耳を傾けてみます。
一年間早かった
Q.プロのアスリートとして社会人になって一年目が終わろうとしています。この一年を振り返って、率直な感想を聞かせてください
弟子丸:コロナウイルスの影響で出場できる大会も限られていたので、終わってみて早かったなと思います。
長澤:私も同じで、一年早かったなっていうのと、高校と実業団では全然違うなと感じました。
木村:試合はほとんど出ていないのですが、色々な試合を見て、高校時代は同年代の選手と戦うのに比べて、実業団は幅広い年齢層の人と試合をするので、高校と違って高いレベルで戦っていかなきゃいけないなと感じました。
一人ひとり黙々と取り組めるのがすごい
Q.社会人になって、レベルの差を感じたり壁を感じたなど、競技面で感じたことを教えてください。
長澤:高校の時は皆で練習することが多かったんですけど、実業団に入ってからは、みんな自分でやることをやっていて、すごいなと思いました。補強もそうですが、個人メニューはそれぞれ違っていて、自分の弱いところを強くするためにやっていく、それを一人ひとり黙々と取り組めるのがすごいです。
弟子丸:高校でも重要なポイント練習はありますが、コーチや監督からも言われるんですけど、プロとしてやっていくからには抑えなきゃいけないポイントがある。特に駅伝前やレース前とかは、高校の時より緊張しますね。
高校時代は自分が実力的に上だったから駅伝メンバーにも選ばれていたけど、実業団ではみんな同じか上。だから、自分が選ばれなければいけないっていう感覚と、折り合いをつけるのが難しかったです。
木村:高校の時はポイント練習がすべてというか、大きかった。でも、実業団に入ると、ジョグも大事にして、走りこむことを考えながらスピード練習も入ってくる。だから、休む時間がないっていうか…。集中力の差が、違うところだなと思います。
駅伝への気持ちを共有して練習に向かっていく
Q.1年間チームの一員として戦ってきたなかで、特に印象に残っていることを教えてください。
弟子丸:プリンセス駅伝もクイーンズ駅伝も走れなくて悔しい思いをしたんですけど、クイーンズ駅伝をサポートしたり見たりして、みんなの走りで、過去最高順位だった3位を超えられた。心の中には優勝したいという思いがあって、最終的に2位でしたが、走った人も走らなかった人も、嬉しさと悔しさが残ったと思います。だから、また来年に向けて頑張ろうと思えたのが、印象的でした。
長澤:駅伝のポイント練習前にみんなで集まって、今日はどういうところを気をつけて練習するとか、今日はどういう気持ちで練習するのか言い合ったり、みんなで駅伝に対する気持ちを共有して練習に向かっていくのが、私としては印象的でした。
木村:駅伝までの過程とか、チームのまとまりがすごいなと思いました。練習内容や意識を統一していく段階など、全員がひとつになっていく感じがして、トップを目指すチームはこんな感じなんだなと、感じたことを覚えています。
VOL.2に続く
文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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