選択的夫婦別姓を導入しても、家父長制の名残がある国

 朝日新聞が、このような記事を出しました。

 念のためですが、これまで何度も言ってきたように、日本の夫婦同氏制度は合憲で、男女差別ではありません。それに、二宮氏が男女平等のために導入するべきだと考えている、選択的夫婦別姓であるロシアでも、女性が結婚することを「嫁ぐ」、男性が結婚することを「娶る」というニュアンスで表現しますけど…

 言語とは、昔の人の考え方を無意識に受け継いだ物です。法律が変わっても、言葉には昔から受け継がれた考えが残ります。言語と「平等」という考え方は、相性が悪いのです。

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 ただ、ここでもう一つ確認しておくことがあります。選択的夫婦別姓が可能なロシアが、本当に家父長制から解放されたかどうかです。

 ロシアでは、氏名以外に父の名前(父称)を名乗ることになっています。したがって、選択的夫婦別姓ができるからといって、ロシアは家父長制から解放されたとは言い難い側面があります。父称を名乗る必要がなく、夫婦どちらの氏も選択できる日本の仕組みの方が家父長制からより離れている印象を受けます。

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  法律が改正されても、言葉そのものを変えることは難しいでしょう。選択的夫婦別姓が導入されても、名前の仕組みについて、別の観点から見ると、家父長制から解放されていないようにもとれる国が存在します。様々な観点から、選択的夫婦別姓が導入されれば家父長制が無くなると考えるのは、無理があろうかと思われます