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エッセイ集『二十一日の夜明け前に』

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どうしてこの星にやって来たのか思い出せなくなってしまったときに。 Cover illustration : Satsuki Mishima
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#コラム

エッセイ集「二十一日の夜明け前に」リニューアルスタート

「誕生日」という数字にどきどきする 11月14日から22日のあいだは毎年そわそわして過ごしてい…

「いち」

 鍼灸院の帰り、買い物をおえてビルの外階段をおりていた。  むこうから、母親に手をひかれ…

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レッツ・ノット・メイクセンス

 数学がにがてだった。とくに高校の数学ができなかった。永遠に正解にたどりつかない。テスト…

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10の夏の好きなもの

小さい頃繰り返し観た映画のひとつにミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」がある。す…

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今日が雨でよかった、と思える日が少しでも人生に多くありますように

 梅雨らしいしとしと雨の日、友人と会った。    長谷の大仏さまへつづくにぎやかな通り沿い…

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一日四メートル、前へすすもう

 梅雨のある晩、ごはんのあとふとデスク横の窓をみたら、大きなナメクジがひっついていた。つ…

日記を書いている「私」はだれなのか

先日、日記とは一体何か?なぜ私たちは日記を書くのか?について思案したことを書いた。そのつづきを今日は書いてみる。 なぜウェブ上に日記を残すのだろう? 次なる問いが、ウェブ上に日記を残すことは、紙の上にペンでそうすることと何がどのように異なるのだろう?だった。 自分のためだけに日記を書くのなら、誰にも見られないノートに書きつければいいだろう。そうはせずにウェブ上に書くということは、私はウェブというのに全然明るくないからよくわかってはいないが(つまり自分だけが閲覧できるよう

来年の目標を作るより、来年がどんな年だったか思いだしてみる

 もうすぐ新しい年がくる。  来年の目標をたてることはずっと苦手だ。来年のことを話すと鬼…

地味飯のその先へ、ちいさな料理革命二〇二二

お昼に京都産のすずき三切れでトマトのアクアパッツァを作った。というとおしゃれな食べものを…

二〇二二年がくれた粋な贈りもの5選

二〇二二年が言った。こう考えてみるのはどうだろう?と。 その一、光のなかで目をこらしてみ…

この街がすきだなあと思うとき

鎌倉に暮らしている。 一年前の夏に越してきた。極彩色の東京から。 それから季節がひと巡り…

自分と世界がイコールになる日のために

中沢新一さんと山極寿一さんの対談「未来のルーシー」を読んだ。山極さんの言葉を読むのは初め…

人に食べてもらう料理を作るということ

コロナ禍の2020年初め、料理サポート(あるいは出張料理)という仕事を個人で始めた。仕事や育…

ただ人として生きる以外に、人生には何もないんだった

去年くらいから興味があったことの一つに、役者ではない皆さんとお芝居を創る、というものがあった。そして、それに近いことが叶った。とある急成長中のIT系ベンチャー企業経営者である十年来の友人から『社員研修として、役員の経営合宿で一日かけて皆んなでお芝居をつくってみたい』と唐突な相談を受けたのが先月。 普段まったく関わりのないだろうお芝居にピンときてくれたことをとても嬉しく思いながらその目的を訊いてみると『みんなで同じ方向を向いていくために』『自分自身でいいんだと思ってもらいたい